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妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

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『ONE』Ⅵ∞やすば

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今頃、渋やんは亮と会えてるかな。
伝えたいことちゃんと伝えられてるんかな。


心配や。
でも、きっと亮は優しいし、幸せにしてくれるやろう。
だから、
俺はもう前に進まなあかん。

いつまでも渋やん言うてる場合やないな。
大人になって、強くなって、優しくなって、
誰よりも2人を祝福せなあかんと思う。



2人のことが好きやからこそ、そうすることが一番みんなのためなんや。
分かってるから、泣くのはもうやめよう。




………ってことで、
大倉でも誘って飲みにいこっかなー


trrrr…trrr……


「あ、大倉?急にごめんなあ………っ!?…………亮?」







元気良く出た大倉に俺もどこかホッとして話していた矢先、前から亮がこちらに向かって歩いてくる。


なんや、空気が
思ってた感じと違うくて、俺は大倉に「ごめっ、ちょっと待ってな」
と伝えて携帯を持ったまま亮に近づいた。




「……………亮?どうしたん?」

「………………」

「亮……」


目が真っ赤で、俺を見る目がどこか冷たく感じる。
俺をジッと見つめて眉をしかめた。
その顔に俺も息を飲んでしまう。




「なあ、亮。…渋やんは?」

「…………………」

「渋やん、どこ?一緒やったんやろ?」

「…一緒やった。さっきまで」





それだけ呟いて、俺の手に握られた携帯を見つめる。





「ヤスは、ここで何してるん?」

「…俺は、大倉に電話してて……。それより、渋やんは今っ……」

「なんで………」

「………亮」

「俺のがこんなに好きやのに、俺じゃダメなんや。
やのにお前は何してんの?
気付けよ!すばるくんのこと想うなら………」




一気にまくし立てられた。
電話から大倉の心配した声が響いてる。
でも、
今の俺はその声よりも、
亮のその言葉に心が掴まれてしまった。




何を言ってるん。
渋やんは、亮に気持ちを伝えに行ったんやないの?
だから俺はそれを見送ったんやんか。

でも、そうじゃなかった。
俺の勘違い。
俺が気づいてあげれなかった気持ち。

じゃあ、今、渋やんはひとりで何して…………




「亮、……渋やんは?ひとりなん?」

「……今の俺じゃ傍におってあげれへんから。居たくても無理なんや」



グッと亮が俺の胸ぐらを掴み睨む。
それに俺は抵抗などする気もなくされるがままで見つめ返した。

亮の気持ちは分かる。
言いたいことも、したいことも。
ほんまは思いっきり俺を殴りたいんやろう。
やったら俺は殴られた方がいい。




渋やんを傷つけたんはきっと俺やから。





「亮、…いいよ」

「…………………」

「…………………」




亮の俺を掴む手がスルリと抜ける。
抜けたと同時に身体の力まで入らないようで、ぐったりと項垂れた。



「……携帯…」

「え?」


下を向いたまま亮はボソッと低い声で呟く。それと同時に俺の手から携帯が取られ、そのまま亮は携帯越しの大倉へと話しかける。

その一連の動作を呆気に取られながら俺は見つめてしまった。
わけが分からなさすぎて、見つめるしか出来んかったんや。




「…………おう、大倉か?なんや章ちゃんが用事あるらしいし、俺と飯いこうや。……うん、そう」


「………亮?」


「おう、それじゃ、また」




プー プー プー


切られた音だけが響く携帯を静かに返された。
俺は渡されるがまま受け取り、通話終了の画面を見て亮を見る。

目があった。

…………………

亮は、ほんまに渋やんが大好きなんや。
目を見ただけやのに、その想いの強さが分かる。
目力がとかそんな簡単なもんやない。
秘められた想いだけが奥で燃えてる。
俺には分かる。
わかるよ、亮の気持ち。
だからこそ殴られても仕方ないって腹括ったのに、…優しいな。
優しすぎて切ない。

でも、
だからって、
……譲れるもんでもないよな。



「亮、ありがとう」

「早よ行けや。どうにでもなれ」

「……うん。どうにでもなるよ」



冷たくあしらう亮に心で微笑む。
不器用で、素直やないのに、優しすぎて、あったかい。




「………章ちゃん」





「ん?」






「………泣かしたら許さんからな。幸せにしてあげて。俺の大事な人、大事にしてあげて。守れんかったら、奪うから」







怒るように放つ亮の言葉は重くて、熱くて、俺の背を押してくれるようやった。
俺は頷いて亮に背を向ける。

さっき見送った渋やんの背中が脳内をよぎる。

小さい背中が寂しげに去って行く。

たくさんの思い出が詰まってるあの姿に、俺は別れを告げた。
俺やない誰かがきっと幸せにしてくれる、と勝手に決めつけて。
それが渋やんの幸せかも考えずカッコつけてた。




情けない。





誰よりも好きやとか言いながら
俺はその想いに気づけんかったんや。

渋やんは、俺の言葉をどんな想いで聞いとったんやろ。
なんで他の男に譲ろうなんか思ったんやろ。
絶対に、残るのは後悔しかないのに。


泣きたくなる気持ちを抑えて、がむしゃらに駆ける。
危ないと思いつつ、猛スピードで探す。



角を曲がるたびにドキドキする。
心臓が跳ねて、

曲がった先に見つけた姿に頭が真っ白になった。










「渋…やん」




「………………」






蹲ったまま動かない。
頭まですっぽり、膝を抱えてまるまってる姿は、
いつもの凛としたカッコいい姿ではなかった。


弱くて
儚くて
繊細な


俺の知ってるいつかの渋やん。





ONEという楽曲を一緒に作り上げようと声をかけた時の渋やんがそこにはいた。





もう大丈夫や、なんて
誰が言うたんやろうか。

歌えば強くなれるなんて
そんなことあるわけなかったのに。






「…渋やん」

「………………」






隣にソッとしゃがみ込む。
覗き込んでも顔は隠れたままで、何も伺うことができない。
閉ざされたみたいで、俺を遠ざけるみたいで、胸が痛くて軋んだ気がした。





「冷たい雨に…何度も打たれ…」




疲れ果てても

陽はまた登る。







小さくぽつりぽつりと口ずさむ。
この曲を作った時は本当に渋やんのことしか頭になかった。

周りのことなんか気にもせず、べったり渋やんに纏わり付いて、いろんな人にたくさん迷惑かけたやろう。

それでも、渋やんと過ごす些細な毎日が楽しくて
渋やんのことが大好きやと心から叫ぶことができた。





でも、いつからやろう。

周りの気持ちまで考えて、自分を偽り始めて、渋やんを傷つけてた。




心とは無関係に季節は巡り

懐かしく新しい空気の中

強く信じ前に突き進むことで

すべてが生まれ変わる






今からだ






手を伸ばせ掴み取るんだ
目を凝らして奪い取るんだ

戦うこと恐れず
心からぶつかれば




その先で花は咲くだろう







「ごめんな、渋やん」

「…………」

「渋やーん。……なあ、あんなー」


顔をあげない渋やんの頭を優しく撫でてやる。
困ったなあ、って微笑んで
撫でる手を言葉も構わず続ける。







「…渋やんに言い忘れとった」

「……………」


「俺な……渋やんが好きやねん」




俺の言葉は聞こえてるのか、肩が少しだけ震えた気がした。
そんな渋やんが可笑しくて微笑む顔がもっと緩くなる。





「渋やんがいい。やっぱり、好きやから……」


「…………さっきも、聞いた」






返された言葉に渋やんを見やる。
でも、頭は少しも動かさず目だけがチラリとこちらを盗み見た。


その動きに俺の手は止まる。


渋やんを抱きしめるように肩に手を伸ばして引き寄せる。





「…好きや。誰よりも、俺が1番渋やんのこと想ってる」

「……………っ」

「だから、渡したくない。気が変わった」







暴れずに、逃げ出さずに、
俺の腕の中に収まるってことは、嫌われてはいないんやろうって思う。

思うけど、
………自信はない。





渋やんが何を考えてるかなんて、わかりっこない。
でも、それでも、好きやから
わからんから、って諦められる気持ちでもないからぶつけるしかない。




亮がせっかく背を押してくれたのに、
ここで引き下がって帰れへんやろ。





「渋やん。……愛してます」


「……………」


「渋やんが俺のこと想ってなくても、俺は一生思い続けます」


「……………」


「これだけは信じてほしい。だから…」







グッと腕を伸ばされて突き放される。
それと同時に見つめ合う形になった。

真剣な目が俺を見る。

迷いがないのに、不安そうで
強気やのに、泣きそうで



俺はその目を見つめ返すしか出来んかった。







「…渋やん?」

「……次の…」

「…………………」

「次のライブでONEを歌いたい」

「え?…うん、いいけど」

「……次で、最後にする」




その言葉に胸が締め付けられた。
なんか、巣立って行く子供みたいで、俺が辛くなってしまった。
でも、
渋やんの顔はそんな気持ちとは裏腹に覚悟を決めた顔で、俺は頷くことしか出来んかった。






「もう、過去は忘れなあかん、やろ」


「…………」


「もう、1人やない……から」





チラリと見られてキョトンとしてしまう。
そんな俺に渋やんは怒って立ち上がる。




「ええこと言うたのに、伝わっとらん!」


「…え?いや!……わかってるよ!」





俺も追いかけるように立ち上がる。
勢いで掴んでしまった腕をゆっくりとおろして、もういっかいちゃんと向き合う形になった。



「渋やん」


「なんやねん」


「俺が傍におってもええ?」


「だから、お前がおるから、1人やないやろ!言うてるやん!」





大きな声で告げられたそれは、まるで告白のようで、俺の心はいっぱいになった。

恥ずかし気もなく言いきった渋やんは、いつも以上にどこか男前で
俺が頭を抱えたくなる。



「わかった。最後にしよう。…歌い切って、前を見よう」


「うん。今なら大丈夫。…亮のおかげでもあるから」








亮という名前に俺は楽しくない気持ちでいっぱいになってしまったけど、渋やんにとって亮も大事な人やから
俺にとっても大切なメンバーやから


そんな渋やんに俺は微笑んだ。








「俺だけやない。渋やんには亮もいるし、みんなもいる」


「うん。もう大丈夫や」





そのまま歩き出した渋やんに慌ててついていく。
きっと俺の気持ちが大きすぎて、これからもこんなことがたくさん起こるやろうけど


俺はいつだって君に翻弄されながら生きていくんやろう。







「ヤス。俺にとって、一番大事なんはお前やから」








こうやって。
俺はこれから何度だって驚かされる。



それでも俺は、
君と隣り合わせで笑い合えたらって想うから





「よかった。俺が一番で」




「今のとこな」





「大丈夫。俺がしつこいから」






離したくないから。
離れたくないから。

奪われたくいから。
失いたくないから。



一生、隣で笑っててほしいから。






「………渋やん。ほんまに俺が、傍におってもええ?」




「しつこい。…俺が好きなんやったら傍で見張っとけ 」







「ん。そうやな」






飛びつくように抱きついて腕に力を込める。
たくさんの愛が渋やんの心を埋め尽くしますように。
俺の愛で満ち溢れますように。
願うように目をつむる。




今までの思い出が蘇るたびに目の奥が熱くなった。








ONEを作った時の姿が今でも鮮明に思い出せる。


渋やんが俺に渡した歌詞は辛くて、でもどこか希望もあって、
これが渋やんの心境なんや、ってはじめて理解できた気がした。




俺はひとり夜の海を見つめたまま
渋やんのことだけを考える。




風に乗って聞こえて来る波音と
渋やんの心の叫びが重なって
今のONEという楽曲が出来上がった。





ONE



ひとりぼっちやった渋やんが

みんなで輪になり


俺と一つになる。





渋やんはきっと、ひとり、という意味で捉えたかもしれない。

でも、俺が込めた想いは





「もう、ひとりじゃないよ」





って伝えたかった。





遠回りしたけど
たくさん傷付けたけど

その分俺たちは幸せにならなきゃいけない。




「幸せになろう、渋やん」


「………ん。…もう、幸せやけどな」




笑いあって、
おでこくっつけて、

この世の幸せを願うなんてそんな大層なことは言えへんけど、


笑いが溢れる毎日を過ごしたい。

願わくば俺たちに関わる全ての人がそんな日を過ごせますように。







……きっと



その先で







花は咲くだろう。






その想いも込めて


この歌を今日も、みなさんに届けます。





「……聴いてください、



ONE…………」







end



























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  1. 2014/06/11(水) 21:17:57|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<ONE,ever since∞倉亮 | ホーム | 愛。∞やすば>>

コメント

こんにちは。
one完結ですね。
ドキドキしました。
亮ちゃんには申し訳ないけど、やすばが幸せなのは嬉しいです。
また、お邪魔します。
  1. 2014/06/16(月) 16:08:39 |
  2. URL |
  3. mimisuba #-
  4. [ 編集 ]

mimisuba様

またもやありがとうございます!
完結しました。長くなりましたが最後までありがとうございます。途中は私も辛かったですが、やっぱりね、ここはやすばかな、と。そのまんまで終わるならここまで引っ張らなくてもいいかなって。色々考えての結末なので楽しんで頂けて光栄です。
  1. 2014/06/18(水) 00:52:10 |
  2. URL |
  3. 翼 #-
  4. [ 編集 ]

8estのときの「one」を聞きながら読みました♪
翼さんのお話は、ほんとにそういうやり取りがあったかのようで、それぞれのセリフが想像できて、ここでやすば不足を満たしてます
亮ちゃんの気持ちが痛い…
でも、やすばで落ち着いてホッ(笑)
次回の亮すばに期待してますね♪
すばる、映画主演ですね。
今から2月が楽しみで!バンドメンバーにヤスがいたらなぁと思いましたが…
動く帽子なしの短髪のすばるが見たいです(笑)
  1. 2014/06/19(木) 23:08:13 |
  2. URL |
  3. あこ #-
  4. [ 編集 ]

あこ様

動く短髪すばる。見れましたね!
思っていた以上の短髪ぶりで見慣れない私は不思議な気持ちになりました。
こんなところでやすば不足を解消していただきありがとうございます。
やすば。これからも追い求めていきますので、どうぞ宜しくお願いします!
  1. 2014/06/27(金) 21:09:32 |
  2. URL |
  3. 翼 #-
  4. [ 編集 ]

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