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妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

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『ONE』Ⅲ∞亮すば←ヤス

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聞いてもうた。
盗み聞き言うたらなんか俺が悪い奴みたいに聞こえるし言わんけど、あれはそう思われても仕方ないかもしれん。


渋やんと亮の会話。



意味深な沈黙と、少ない言葉数の意味を俺は理解してしまっている。






どっちの気持ちも知ってる。

亮の渋やんへの憧れとも言えぬ気持ちの強さも、渋やんの亮への気持ちの戸惑いも。

どっちも見てたらすぐ分かる。




分からんのはきっと、お互いが自分の気持ちにさえ納得いってないからであって、逆に認めてしまったら思いのほか簡単な事やと思う。





「……………あー」





でも。
こればかりは両者のどちらにも本当のことを言ってあげれない。
俺はそこまでの優しさをきっと持ち合わせていない。

理解して、その上で教えるなんてもってのほか。
むしろ、このまま気付かずに時が過ぎるのを待てばいいんじゃないか?まで考えるほど、俺は冷めていた。







「……よいしょ、と」

「章ちゃん、か」



何も言うてないのに苦笑する亮を見て、俺は静かに微笑んだ。




「俺で悪かったなあ」

「別に…、悪いとか言うてないやん」

「言うてないけど、……目が言うてた」




俺の言葉に亮は鼻で笑うように俯いた。


頭を抱えるまではいかないけれど、ほとんどその状態の亮を見ていると少しだけ切ない気持ちになる。

隣にいるだけでこんなにも分かるのだから、渋やんは痛いほど感じたんやろう。





楽屋に戻って来た時の渋やんの顔は、今にも泣きそうやった。

横ちょの言葉に返事するのが精一杯で、心ここに在らずな感じ。
心配そうに伺う横ちょを、俺は至って普通に見つめてしまってた。

理由を知ってるからこそ表情に出すこともできない。


横ちょの肩越しに見えた渋やんの目が俺を少しの間捉えて離さなかったその瞬間は、俺の中で時が止まったかのような瞬間やった。

たった一瞬の出来事でも俺にとっては重みのある時間で、思わずなんとも言えない顔で微笑んでしまったのを今でも思い出せる。

そんな俺を見て、渋やんの表情が曇ったのも見逃さなかったけれど。







「で、章ちゃんは何しに来たん?」

「なんや思う?」

「……ひやかし?」



呆れたように笑う亮はゆっくりと天井見上げてから俺を見る。
その目は笑ってるようで笑ってなくて、なんや、見られてるというより睨まれてる気分やった。



「……………そう見えた?」

「わからん。でも、聞いとったんやろ?俺とすばるくんのやりとり」

「ん。聞いてもた」



はっきりと言葉にする。
そんな潔い俺を亮は怒りもせずに目を細めて笑ってくれた。




「えー。嫌やなあ。めっちゃ恥ずかしいやん」





ほんまに思っとるんやろか?
真っ直ぐ前を見つめたままどこか遠い目をしてる亮は、いつだって先を見る人間なんやろう。
目の前の物事だけを捉えず、幅広い範囲を見つめている。

だからこそ、亮は分かりづらい。

渋やんと似てるとはいえ決定的に違うとこはそこやと思う。
自分の本音の部分を悟られんように隠すのが上手い。

かと思ったら喜怒哀楽はちゃんと表に出せる一面も持ち合わせてる。
でもきっと、肝心な部分は隠してしまうんや。


そのへんは………ほんまに……





「渋やんと似てる」

「…………何が?」



俺から漏れた名前に驚いたのか、少し目を開いて俺を見やる。



「似てるなあ、って」

「……似てへんよ」

「それは本人やし分からんやろ」

「本人やし分かることもある」




頑固やなあ。って戯けて笑う。
笑う俺から面白くなさそうに目を逸らす亮に、俺は真面目なトーンで語りかけた。




「もっと、素直になってもええんやで」




その言葉に亮はそのままの態勢で続きを聞いている。



「俺らのこと、いろいろ考えてるんやったらそれは優しさとは言えんからな」

「………………」



二人の沈黙の意味が、もし周りのこと想い過ぎての行動なら。
それはとても優しくて残酷な決断やったんじゃないかな、って。


みんな同じメンバーであり、同じ人間同士。
個性それぞれ豊かでそれはとても素晴らしいことやと思う。
でもその中に気遣いという気持ちはいらないのではないか。

空気を読めとはよく言うけど、気遣いとそれとはまた違う。



「亮のほんまの気持ちが聞きたい」



こんなこと言うてうざがられるかなあ。
そう思って苦笑しつつも、こう言わな亮は言ってくれそうにないから。
面と向かって、真っ正面から真っ直ぐに伝えないと、きっと亮は分からんフリする。
それが上手いから、時々心配になる。



「亮」



優しく呼ぶと言ってくれるかな。なんて…
そんなことで亮が動くとは思ってないけど、亮は優しいから少しだけなら話してくれる気がした。



「………………なんやねん」




呟かれた言葉に俺は目を逸らさずただ静かにその続きを待つ。
促すこともせずただひたすら待ちたいと思った。


そんな俺に亮は苦笑して、チラリと俺を見つめ返す。
その目はどこか寂しげで俺は小さく微笑むことしか出来んかった。







「……なんで、章ちゃんは…」

「俺が、なに?」

「いつもそう、……」

「何が?俺は何もしとらんよ。亮の気持ちが大事なだけ」



困ったように首を振る亮に、俺は真っ直ぐ話す。
あかんよ。
それは優しさじゃない。
気遣いでもない。
それは、俺に対してとても失礼なことや。






「…だって!…章ちゃんは、すばるくんのこと…」

「……それがどうしたん?」



さらりと返した俺の目を亮はグッと見つめてきた。
なんとも言えないその表情は、俺の心を強く締め付ける。



「それが、って…おかしいやろ」

「なんで?今は亮の気持ち聞いただけや。俺の気持ちは何も関係ない」



そうやろ。
俺がどう思ってようが、亮の渋やんへの気持ちは変わらんのやろ?
やったらそれが本音やん。
それをそのまま口にしてほしかった。
出来れば、
そのまま渋やんに伝えてほしかった。

そうすれば、
渋やんのあんな顔、見ずに済んだかもしれん。






「章ちゃん………優しすぎるわ」


「アホ…。それは亮の方やろ」



2人して笑って笑い飛ばして、心は切なく締め付けられる。
どちらが正しくて、どちらが間違ってるかなんてきっと誰にも分からない。
どの選択肢だって正しくて、それこそタイミングなんかなって改めて思った。



ああ。
これで、盗み聞きしてしもたおあいこやで。

痛む心を諭しながら

心で呟いて
俺は気づかれないよう眉を顰めた。





end
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  1. 2013/12/20(金) 22:55:03|
  2. 亮すば
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