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妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

『ひとり』∞やすば

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ひとりになりたい時がある。

何も考えたくない時がある。







「渋谷さん、お疲れ様でした!」


元気のいいスタッフの声が脳内に響く。
ソロコンの名残りでまだ興奮状態だった脳が少しだけ冷静になっていく気がする。

ああ、また1日が終わった。


ソロでのコンサート。

いつもとは違ってメンバーのいない日々が過ぎていく。
いつもはうるさ過ぎてかなわんくらいの楽屋も、ここのところはずっと静かで、逆に落ち着かへんくらいや。



そんな楽屋に戻る道でいつもの光景を思い出して、苦笑する。





「………なんやねん」





別に、一生ひとりって訳でもないやん。



しんみりした気持ちを胸にその扉を開く。
少し重く感じる足取りと扉に反発するように勢いよく開けたら、



「…痛っ」


「あはははは!そんな近くで待機してるからやんか」



ひとりのはずの楽屋に、

いつもの煩い声が響いた。



呆然と突っ立ったまま見渡して、


それでもまだ理解できてなくて、




「おつかれ、渋やん」




そのいつもの声に、


心が泣きそうになった。





「すばる君聞いて!マルがな」

「……痛ーい」



一番に見えたヤスの優しい笑顔と、


でこを抑えてるマルに、それ指差して笑ってる大倉。




………なんやねん。




こんなとこまで来んなよ。






「すっごい良かったでー!」

「な?言うたやろ?めっちゃええライブやって!」

「さっきからマルそればっかやで」


口々に思いの丈をぶつけてくる3人を見て、呆れたように笑みが溢れた。


人の気持ちとかお構いなしやな。

分かってはいたけど、
ほんまフリーダムなメンバーや。



「あ、ちょっとマルどこ行くん!?」

「感動したからスタッフさんにも挨拶せなあかんやろ」



…………アホや。


バタバタと感極まったマルが扉を勢いよく開けて飛び出していく。
その姿に変なところで真面目な大倉が、心配そうに追いかけていった。


その様子を俺とヤスで見送って、小さく苦笑する。




「あいつは何しに来たんや」


「我らが渋谷すばるが凄いねん!ってみんなにメールしてたよ」



「ほんまのアホやったんやな」




手に持っていたボトルを机に置くと、俺はヤスから少し離れた椅子に腰かけた。

そんな俺を見つめたまま、ヤスは微笑んでいる。



「渋やん、寂しかった?」


「……何が?」


「ソロコン。楽屋とか一人なんやろ?」



部屋を少しだけ見渡してヤスが俺を見据える。

そんはヤスから逸らした視線を床へとぶつけた。


「別に。ひとりもたまには気楽でいい」


「…そっか」



残念そうに呟くヤスに俺はもう一度視線を戻す。



ひとりが好きや。


ひとりでだって大丈夫。



それを試すためのライブでもあったし。



もう、大人やし。




ひとりになりたい時だってあるし。




でも




でも、それは……分かってる。






「渋やん。なんて顔してんの?」


「………………」


「ほんま、可愛いんやから」




ひとりになりたいって


思えるのは



毎日が………幸せやから。





メンバーに囲まれてるから。


大丈夫って自信があるから。



ひとりだって平気。




そう思わしてくれたんは、あいつらが優しいから。




「可愛いとか、趣味悪すぎるやろ」


「そうかな?みんな思ってるとおもうで」



「変態しかおらんな」






フッと噴き出すように笑うと、ヤスもまた笑ってくれた。


「ありがとう」


「ううん。こっちこそ、素敵な歌をありがとう」



「ヤス、気持ち悪いで」


「言うと思った。………さて、俺もスタッフさんに挨拶して帰ろかな~」



スクっと立ち上がったヤスは大きく伸びをして扉へと向かう。
俺はただその後ろ姿を見つめたまま、少しだけ寂しいと思った。




「渋やん、ちょっとは寂しい?」


「………は?」


「俺がこっから帰るん、寂しいかなって?」


顔だけを向けて悪戯に笑う。



「……寂しいって言うたら?」


「そりゃ、帰れへんようなる」



真顔で返されて笑ってしまう。



「…はは、帰れ」


「冷たいなあ」



おどけて笑って、ヤスはそのまま扉に手を掛ける。



「…渋やん」


「………?」


「自分らしいライブにしてな」


「……うん」


「俺らはいつでも一緒やから」



「…………ん、そやな」





そのまま閉じられた扉を見つめる。

静かになった部屋が、さっきよりも広く思えた。



寂しくはない。


俺は、どう足掻いても


ひとりにはなれへんみたいやから。





「…………はは、」





あいつらが、


ついて離れへん。





「…なんやねん」




だだっ広い部屋を見渡して思わず、溢れるように声を出して笑ってしまった。




end




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  1. 2015/03/09(月) 10:38:17|
  2. やすば
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ゆ。∞やすば

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「ヤスは…なんで俺に作詞を頼んできたん?」



最初はただ純粋にそう思ったから聞いた。


「…………………」


一瞬だけ反応して、黙るヤスに聞かんほうが良かったかなって考える。



「いや、作詞やったら他の奴でもできるよなって思ったから。深いことは言えんけど、ただ、なんでかな、って」



言い訳、ってわけじゃないけど
慌てて質問の意図を説明する。
そんな自分がちょっとだけ情けなく思えたけど、笑うヤスと目が合ったら、そんなもんどうでも良くなった。






「そうやな、なんでやろ」




「…………なんとなく?」





俺の言葉に首かしげて、考えるような仕草で悩んで、また俺を見てくる。




「じゃなくて、単純に……渋やんの一番が常にエイターやからかもしれん」





そ、うなんや。
ヤスの一言が、俺の奥に刺さる。
同時に、疑問も。





「それは、そうやけど。…みんなもやろ?」





「うん。たぶん、みんなももちろんエイターの事は大事やで。でもな、渋やん………それって難しい事やねん」




「……………」





真剣なヤスから目を逸らすことは出来ず、飲まれそうなその瞳の奥をジッと見つめてしまった。

まっすぐで、嘘のない瞳。

きっとヤスは真剣に俺と向き合っていて、素直な心情を伝えてくれる。






俺は、それを、どうしたら良かったんやろう。








「まず俺は、あかんねん」



「………………」



そう、微笑むヤスの目が優しくて、そのまま口元を追うように見つめる。





「一番は、渋やん以外考えられんから。…………だから歌詞とか悩みだしたら、渋やんのことになってしまう」





「…………あほ、や」







「それは、他のみんなも、まあ似たような感じ。みんなその一番の人のこと想って考えてしまうから………だから、これは渋やんが適任すぎた」




俺の心に何かが刺さる。

痛いような、熱いような、よく分からない。でも知ってるような、何か。






「…………そう、なんや」





何を言われたのか。

理解できないまま俺は目の前の渡された紙を見つめる。


白紙のままペラペラと風に揺られるその姿を見つめて、俺はおもむろにペンを取り出す。







「ん。ごめん、渋やん。みんながエイターのこと想ってない訳やないってことだけ分かってほしい。ただ、詞を書くってそういうことやと思うねん。より強い想いを文字にするから、良い歌が生まれる。渋やんなら分かると思うんやけど…………誤解させたら、ごめんな」





ヤスの弁解じみた声など、あまり耳には入ってこない。

聞いたところで、どうしたらいいかも分からんし。

動揺してしまったのも事実やし。




俺は、

今俺ができる全てをヤスに伝えたいと


ただそう思った。





「ううん。分かるよ。分かるから…………ちょっと考えてもうた」





「…………え?」











紙をグッとヤスに向ける。


ヒラヒラと片手で掴まれた紙はヤスの顔の目の前で止まった。



揺れるその紙の真ん中に


ただ一言。




「 あ り が と う 」




と。





「そんなこと言うたら、俺かってあかんのちゃうかなって。………エイターはすっごい大事やけど、俺の中での一番は………ヤス、やから」




そして、




「 俺 も、 好 き 」





と、だけ。








「……………、、え!?」



「なんか、ごめん」


「いや、……めっちゃ嬉しい」




嬉しそうに口元を覆うヤスがおもしろい。
その姿を見て、自分がどれだけ恥ずかしい事をしたのか今になって理解してしまった。





「…………………」



「だって、そんなこと考えてもなかったから。ほんまに?渋やん、ほんまに俺が一番!?」



ほんま、こいつは。


言わんほうが良かったんかな。って少しだけ後悔しそうや。






「……………うるさい。…いや、俺の勘違いやったかもしれんな」



「嘘や。本気やったやん!」



「気の迷いかもしれんやろ」



「そんなんあるー?」



「あったんやから、しゃーない」



「まあ、ええけど。勝手に喜んどくし」




「勝手にはやめろ、気持ち悪いわ」



「へへへ。渋やん好き~」



嬉しそうな顔をするもんやから、

俺はそそくさと退散する為にその場を足早に離れる。



「はい、じゃあお疲れ様でしたー!」





「ちょ!待ってや!一緒に帰ろ」


追いかけてくるヤスは上着も着ずに駆け寄ってくる。
カバンもちゃんとしまえてへんやん。


ふぅ、と小さく息をついて

俺は思わず笑ってしまった。






「…………待つから、ゆっくりでいい」





「………あ、うん。ありがとう」





そう、それと………



「その…………「ゆ」出来上がるん楽しみにしてるから」



もちろん、作詞は本気でエイターの事だけ考えてさせてもらうし。



「任せて!出来たら一番に渋やんに聴いてほしいと思ってるから」


「ふつープロデューサーやろ?」


「ううん。渋やんがいい。だって、俺らの曲やし」



俺らの、って。

なんか、やらしいな。




そう考えて近くの椅子に腰掛ける。




「…………アホか。早よせえ」




緩んだ顔が見られないように俺は


手元の紙を見つめて、




幸せやな、と微笑んだ。




そんな俺に気付いたヤスが

もっと幸せそうに微笑んだのは



あと…………




end



  1. 2015/03/08(日) 05:15:27|
  2. やすば
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