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妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

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『愛=君』∞やすば

.



それが君でした

愛し君でした

ココロが求めていたもの全て

その微笑み

その優しさ

言葉にすれば一つしかない




…………
そう歌う渋やんは、何よりも誰よりも輝いてた。
少なくとも、俺にはそう見えた。










「ほんま良いなあ、この曲!何回聞いても切ない中に強さがある」

「何それ?意味わからんねんけど」


わからん、と首傾げるのはさっきまで凛として歌ってた渋やん。
その堂々ったる歌い方に惚れ直してたんは俺、安田。

相変わらずええ声やし、気持ちの込め方もなんや凄いなって思う。
俺も楽器はもちろん、歌も好きやし、それなりに下手ではないと思う。
けど、渋やんが奏でる歌っていうのはまた違う。

まるで物語がそこにあるかのような感動を与えてくれる。

簡単に言えば、聴いただけで泣ける。
そんな歌をうたう。




歌っていうものは、その人の人生を表す。なんて昔から言うけど、ほんまそうなんかもなあ。
苦労とか、繊細な心で全てを受け止めてる渋やんやからこそ出せる感情なんかもしれん。


改めて自分との違いや、距離を感じてしまった。


その繊細に感じてる気持ちや、渋やんが見てきた苦労とやらを俺は知らん。
聞いたこともない。

だから、歌に惚れ直した時はいつも
どこか寂しい気持ちになる。





「またいらんこと考えとる?」

「え?」

「顔に出てる」



そのまんま前を歩く渋やん見つめて立ち止まる。
また気にさせてもうたな、って少しだけ苦笑しながら。
こういうとこ、ほんまに繊細なんやろなあ。

気付かんでええとこまできっちり気づいてしまうんが渋やんのええとこであり、厄介なところ。

こっちがいくら隠そうとしてもバレてしまう。

渋やんいわく、俺が分かりやすいのがあかんらしいけど。
それは逆に、俺のええとこであり、悪いところなんや。




「考えとったよ。渋やんのこと」

「アホか」

「アホでもええよ。渋やんのこと考えてられるなら、それでもええ」

「大馬鹿や」


罵られても構わない。
それで渋やんが笑ってくれるならなんてことないよ。
こんなことでいいなら俺はいくらでも渋やんの為にアホになる。
大馬鹿にだってなってやる。
もちろん喜んで。





「俺、ほんまに渋やん好きやなあ」

「…なんて返せばいい?」

「だって、ほんま、呆れるくらい好きなんやもん」

「…………ちゃう、ヤス…」

「…………ん?」

「…なんて返してほしい?」



少しだけ意地悪く笑う渋やんは色気たっぷりで、俺はドキリと心が跳ねたのが分かった。
あれは、反則や。

なんて返してほしい?

なんて。
聞かんでも分かってるくせに。
渋やんの悪いとこや。
でも、
めっちゃときめくとこや。




「俺もや、とか返してくれへんの?」

「へえ。そんなんほしいの?」



ほら。
また意地悪。
でも、そんな君も大好きや。
そうやって笑う渋やんは可愛くて、俺の顔はにやけてもうてる。


ほんまに、罪な人。



俺の心の中でいつも微笑んでる人。







「ヤス」

「なにー?」


「俺も好きやで」

「どうしたん?急に素直になっちゃって」




驚いた。
突然のことで、渋やんの口から真っ直ぐ伝えられるとは思ってなかったし、なんか恥ずかしい。
色んなものが巡り巡って俺の頭に辿り着いた気がする。
それだけ渋やんからの言葉は貴重なものやった。



「渋やん、もっかい言うて」

「嫌やけど」

「お願い。録音せなあかん」

「お前怖いわ」



半分冗談、半分…


怖いわ、って肩を竦める渋やんに抱きつく。いや、抱き締める、の方が正しいかな。
渋やん小柄やし、背はそんな変わらんけど抱きしめることは出来るから。

ギュっと腕に力込める。
嫌がることもなく収まってる渋やんがまた愛しくて、更に力を込めると渋やんは困ったように笑った。





「ヤス、俺もっと小さなってまう」

「ええよ。渋やんもっと小さなっても。どんななっても好きやから」



好きやもん。
どんな渋やんでも。
何があっても。
それは変わらん。変われん。

俺が渋やん好きって事実は地球がひっくり返っても変わることはないから。





「ヤスはたまにとんでもないこと考えてそうで…ほんま怖いなあ」

「えー、渋やんの中で俺ってなんなん?そんな怖いん?」

「俺こと好きすぎるやろ」

「なんか自分で言われると頷き難いわ」

「その愛がな、純粋すぎて…たまに変なこと考えとるんちゃうかな、って」





俺のただの考えやけど。
って付け加えて話して笑う。

けど、俺はそんな渋やんに優しく微笑むしか出来なかった。
ゆっくり身体を離して…


にっこり。
音をつけるならそんな感じ。



何も言わない俺に、渋やんは苦笑して見つめてくる。





「あながち間違ってないってことでええ?」

「…渋やん傷付けるようなことは考えとらんけどな」


怖いわー、ほんま怖い。
冗談交じりに言うたのに、そんな顔されたら本気になってまいそうや。
でも、そんなこと言うて満更やないんは誰やろな。




ガチャ………


「ヤス、すばるくん!収録、はじまんで」




「おう、今いく!」


呼びに来た亮の声に2人で反応して、何もなかったかのように足を運ぶ。

着いた先にはみんな揃ってて、各々が自由に準備してる姿が見えた。




そこへ向かう途中、渋やんは小さく口を開いて………





「………………」





口ずさんでた。
真剣な顔して、また俺の好きな声で歌ってる。

当たり前のことやのに、俺はその声を拾っただけで物凄い幸せになれる。




いつも何かを傷付けながら

そして自分も傷付いてたんだ

そんな日々に光くれた

永久にこの胸の深い場所で 微笑む人








「よし」

「なんの気合い?」

「気持ち込めて歌おう、って。いつもより、更に」


渋やんの小さな気合いに俺は少し笑ってしまう。
なんや可愛くて、思わずニヤけてもうたやんか。

ニヤける俺を渋やんは気にした様子もなく深呼吸。




流れてくる音楽に身を任せて
目を瞑る。


ゆっくりと頭を振ったかと思えば空高く舞うかのように天井を見上げた。





いつもだれかを疑いながら

震える足で日々を渡ってた

そんな孤独わかってくれた

そっと隣で肩を並べ 寄り添う人








ほんま、カッコええなあ。


同じ男やのに、なんでこんなにも違うんやろう。
魅了されて、引き寄せられて、気づいたら沼のように抜け出せん。

抜け出す術を知ったところで、出る努力もしないけど。
分かってるから余計に俺は怖いな、って理解してるつもりや。







渋やん。


…ほんまに好き。







それが君でした 愛し君でした

ココロが求めていたもの全て

その微笑み その優しさ

言葉にすれば一つしかない

それは愛でした 君の愛でした

途方もないほど大きな力で

美しさと 歩む術を

言葉なしに伝えようとする 

その笑顔で






………
見つめるとたまに微笑んでくれる。

歌いながらも、こちらを気にしてくれる渋やんに飽きもせずドキドキする。


好き、って気持ちが溢れ出しそうで
我慢して
歌にのせる。




それが愛でした 君が愛でした

どんな時もこの胸の中に

その瞳とその両手で 

瞼閉じたココロの手を引く

君が愛でした 日々が愛でした

寂しさにつぶれ震える夜に

君がくれたちっちゃな灯火


明日の光へと変わりココロを 


導いてく







明日へと。






渋やんと共に。

これからもずっと。

永遠に。



永久に。




歌い終えた二人は、見つめあってどちらともなく微笑んだ……






end














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  1. 2014/02/27(木) 00:04:52|
  2. やすば
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「鈍感」な男∞ヨコヒナ

.






雑誌…
あ、今日や。
今日、発売日やった。




気付くと同時に足は本屋へと向いていた。
昼間の平日。
この時間は空いているはずの本屋へと向かい、一目散に自分たちが載ってるであろう雑誌を探す。



「……………」



ちゃう。これも。
あ、あれかな。
ソッと手を伸ばして手に取った表紙を見て笑顔が浮かぶ。
メンバーみんなでキメ顔の表紙。
笑顔もなんや硬くてアイドルって感じや。まあ、アイドルなんやけど。

俺らには似つかわしくないその響きにまた笑ってしまう。

うわあ。
俺ほんま白いな。
自分を見て、また可笑しく思った。
この撮影してた時にそんな話をしていたことを思い出し更に笑う。
一人で雑誌見てニヤニヤしとるとか、改めて考えるとめちゃくちゃ気持ち悪いけど、これはもうしゃーないで。
あの場面思い出しただけで笑える勢いや。


………………。



その中でも一際目に付く村上に目を向ける。
いつもいつも探してるわけやないのに目で追ってまう。
特にこういう雑誌のヒナはどうしても気になってまうんや。



だって、ほら。



これもそうやけど、めっちゃ硬い。

笑顔が胡散臭くて引きつっとる。
これ何回かヒナに言うたんやけど、ヒナいわく「俺は笑顔の練習してた」ってゆう。そう言われたらこれ以上なんも言えへんやろ。



あいつが、やで。
笑顔の練習って?
何してんの?ってなるやん。もうネタでしかないやん。

なんでそこそんな真面目なん?
一番乙女やんか。
アイツがさ、可愛く見せようと必死に鏡の前で笑顔作っとるんやで。
想像しただけで笑ってまうやろ。


あー
笑ってまうけど、なんや心がホカホカする。
俺は、基本あいつのこと考えたら幸せになれる男みたいや。
あの天然のこと、こうやって気にすればするほど、気持ちが柔らかくもなる。



結局そのまま雑誌を購入して、来た道を戻る。

寒い冬空の下に晒された俺は、白い肌を少し赤らめて息を吐くと、真っ白の息がスッと抜けて行く。



「寒いなあー」



東京でもこんな寒なるんやなあ。
人の多いイメージばかりが膨らんで、体温の暖かさやらなんやらで都会の方が暖かいもんやと思ってた。
けど実際は、高層ビルからの隙間風が冷たくて、無機質なコンクリートととのコンビネーションで更に温度が下がってる気がする。
気がするだけでどうかまでは知らんけど。
一人でおるとそんなセンチメンタルな気分になってまう。


昔は、そんな男に憧れた時期もあった。

訳ありなクール男子ってモテそうやんか?
でも今思い返すとだいぶ痛い子やったんやな、って…恥ずかしく思える。


変な大人にならんでよかった。

そのまんまのアホな俺でよかった。





そう思えんのも全てヒナのおかげなんやけど。
ヒナの真っ直ぐで真面目で素直なとこ見とったらそう思うのも過言じゃないで。
あいつはほんま凄いから。
カッコつけるとかそんな定義全てどっかに忘れてきたような男やから。








「おはようございます」






コーヒー飲みながら新聞片手のヒナに挨拶する。
俺に気づいたのかヒナもいつも通りのテンションで、いつも通りの大きな声で挨拶を返してくれる。


前に座って携帯を見つめる。
何も特に用はないけど、他のメンバーがおらん中で二人っきりとかほんまに無さ過ぎて、何話したらいいんか今更思いつかへん。


「コーヒーに新聞……どこのおっさんやねん」



目は合わせず、ボソッと悪態ついたったら、ヒナはこちらへと視線を向けてまた新聞へと戻した。


「俺がおっさんやったらお前もやからな」


うまいこと返された。
思わず笑みが零れてまう。
そんな些細なやり取りや、この空気が俺は密かに好きで、構って欲しいとかそんな気持ちさらさらないのに、ちょっかいは出してしまう。


「普通に考えたらどう見てもお前のが年上やろ。見た目とか…」

「そりゃ、あんたがアホみたいやからやろ」

アホって。
なんかもうただの悪口やんか。
まあ、俺もおっさんおっさん言い過ぎたけど。アホって。

口を尖らせて拗ねたふり。
別にこんなことで怒ったりはせんけど、なんやアホ扱いされたことが気に食わんくて黙ってみる。

そんな俺をヒナはほっとけんみたいで、読んでいた新聞を閉じてしまった。

その動作に俺は少しだけ罪悪感を感じたけど、気にせず携帯を眺めてた。




「あの、エイトレンジャーのコント…」

「…………」

「ヨコが考えた台本。さっき見してもろた」


ああ。
次のコンサートでやる予定の台本。
今日貰ったんやろう、ヒナは既に読んだみたいでなんや緊張する。
おもっくそ恥ずかしい。

自分の書いた台本のこと、改めてなんか言われたりしたらそりゃあもう恥ずかしい意外の何物でもない。



「あれ。…良かった」



あああ。
恥ずかしくて顔が見れん。
てゆか、こいつ何言ってんの!?
良かった、のあとに笑顔ってそんなん反則やろ。てゆか………てゆか………



「そっちの笑顔のがええやん!!」



あ、つい。
言ってしまったものの、身動きが取れず、何のことか分かってないヒナは首を傾げてる。

雑誌の笑顔より、今自然と笑った顔のが可愛いとか言えるわけない。

そんな、それこそアホみたいなやり取り出来んわ。アホか。



「何が?ヨコ?」

「な、なんでもない!それより…台本、変なとこなかった?」

「え?変なとことかないで。めっちゃ良かったもん。さすがやなー、ヨコは」


めっちゃ褒めるやん。
俺のことさっきまでアホやとか言うといて、そこで褒めるとか振り回しすぎやろ。いや、振り回されすぎやろ、俺!

でも。
嬉しいことに変わりはないから。



「……あ、ありがとう」



お礼は言うよ。
ヒナに認めてもらえたみたいで、なんか嬉しいやんか。
誰よりも真面目で真っ直ぐなヒナの言葉やし信じられる。
ほんまに良くて、褒めてくれてるんやな、って。



「がんばって台詞覚えなあかんなあ」



嬉しそうに、楽しそうに話すヒナが面白くて、俺は自然と笑みを浮かべてしまう。そんな俺を見て、ヒナも笑う。


そんな2人の時間が俺は割と好きで、楽屋入りすんのちょっと早かったりする。
全てはヒナと少しでも話したいとか、そんな些細な事なんやけど、こうした空気感が居心地よかったりもするんや。

そう思ってんのが、俺だけやないって確信できたらええんやけどなあ。

そんなん気にしてる自分も、なんや情けないやんか。

でも、聞くとしたら今この2人だけの空間がチャンスや。
誰かがいたら冷やかされて聞けんし、恥ずかしさからツンとしてしまったりもするけど…
今やったら頑張れる気が、する。




………よし!!





ガラッ



「おはよーございまーす」


「おう、すばるおはよー」



……………。

そうですよね。
そんなもんですよね。
俺よりもすばる。
何よりもすばる。
すばるが出て来たら俺は一生勝たれへんのや!


「ヨコ…なんちゅー顔しとんねん」

「……………ほっといてくれ」




落ち込む俺に気遣うのは、ヒナじゃなくてすばるで。
そんなすばるにヒナは「大丈夫やって!さっきまで元気そうやったし!」と、なんか大口開けて笑っとる。

なんやねん。
あの鈍感男は!

あああ。
なんで俺はあんな奴のことを………





「なんやねん、ヨコ!さっきまで笑っとったやんか」

「うん。さっきの俺と今の俺はちゃうねん」


うん。
でも、すばるや他メンバー見つめてるヒナの笑顔も俺は好きやから、今はまだこのまんまでええんやと思う。




こんな空気感と、
そんなヒナが俺は大好きなんやから。







end
  1. 2014/02/20(木) 00:47:15|
  2. ヨコヒナ
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好きになってた∞倉すば

.





正直、俺はこの人が苦手やった。








気が合わへんわけやない。

けど、何考えてるか分からんし、なんかもうめちゃくちゃやし。

みんなが許してるから、たぶんこれでいいんやろって思ってたけど、ふと一人になって彼を思い浮かべたら、やっぱなんか違うな、って納得いかん日もある。




かといって嫌いかと聞かれればそうでもない。





ただ、馴れ合う関係にはなれんかな、って…
距離は大事かな、って…
きっと向こうもそんな感じなんやろ、って勝手に思ってた。




…………渋谷すばる。






彼を見てると、心がざわつく日もある。







「ヤスは…好きやんなあ、」

「えー?何急に…」

「…すばるくん。好きやろ?」



俺の言葉にヤスは俺の顔を見つめたあと、少しだけ考えて頷く。



「好き、やな」

「うん。好きそう。懐いてる感じ」



ぼーっとヤス見て、そのまま視線を天井へ。
知ってた。
ヤスがすばるくん大好きやってこと。
でも何でかって理由までは分からんから、改めて質問してみたかってん。

でも、やっぱ直球の答えを聞いてしまうと、俺が関係なくても恥ずかしい。
真面目に答えられたことで余計に照れてしまう。



「え、てゆうか何で急に?」

「あー、うーん、特に理由はないねん。ただ、確認しただけ」

「あ、そう。確認されたんや」


楽しそうに笑ってる。
すばるくんのこと考えとるんかな。
幸せそうやなあ。
好きな人がいるってこんな感じなんか。
例えそれが誰であっても、報われなくても、きっとヤスやったらこうやって笑うんやろう。

そんな想ってもらえるすばるくんが一番幸せ者やで。




そんなすばるくんは楽屋の隅でぼーっとしてる。
音楽聴いとるんかな?
イヤホン外す様子もないし、そのまんまの体制でぼーっと……


あ、寝てるんか。




「すばる観察?」

「あ、信ちゃん…」

突如現れた人物に多少驚きつつ、俺は話出した。


「すばるくんってああやって寝るんやな」

「おー、お前みたいに熟睡はしとらんやろうけどな。たまに寝とる。疲れやすいみたいやで…」


これまた優しそうに微笑まれて何とも言えない気持ちになった。
みんな、すばるくんの話したらこんな顔なるんや。
今まで気づかんかったかも。



「なんか、すばるくんって凄いんやな」


「へ?まあ、そりゃあ、凄い奴やけどな。めちゃくちゃやし」



うん。
めちゃくちゃやけど。
俺の思い描いてたジャニーズという理想を全て崩してしまうけど。
なんか、許せるかも…って思えた。





収録中は真面目に仕事してる。
みんながふざけてても関係なしで、真剣な顔。

音楽が好きやから、歌が好きやから、
この時間が大事なんかもしれん。

あんまり煩いと怒られてしまう。


「丸ちゃんもさすがに静かやな」

「えー…だって嫌われたないもんなあ」

「ははっ…すばるくんに?」

「うーん。こういう時は真面目な方がええやろ?」


まあ、仕事中やしな。
真面目なんが普通やと思うけど。
でもつまらん。

丸ちゃん静かやと笑うこともないし。
みんなもなーんかすばるくん中心で真剣やし。
少しくらい崩したいのに難しいなあ。




そう思ってたらすばるくんが面白いこと言うて、場が和む。
うわ…
すばるマジックや。


「みんな、笑ってる」



メンバーだけじゃなくて、スタッフさんも。
もちろん俺もウケてしまって、どんどん巻こまれていく。

これが渋谷すばるの力。
能力といっても過言じゃないよな。








収録後。
楽屋の空気は一気に穏やかになる。
今日の仕事も終わりやからか、みんなに自然な笑顔が戻る。

そんな中でみんなでご飯でもいく?みたいな話になるんやけど、来るのは全員じゃなかった。
俺は、どっちでもいい派なんやけど、すばるくんは断った。

いつもそう。
みんな行こうや!みたいに亮ちゃんが言うても、すばるくんが乗り気じゃなかったらあんまり進まん。


ほんまに自分の意思が強いというか、そういうのが苦手、もしくは嫌いなのか。
考えても答えは見つからず帰ろうとしてるすばるくんを引き止めた。






「すばるくん!………は、予定があるん?」



なんてこった。
どうしたらいいか分からんくて、なんや意味のない質問してしまった。
それでもすばるくんは首傾げてこちらを見てくる。
その顔はただただ不思議といった顔で、俺も冷や汗が止まらない。


そこに何をどう理解したのか分からない亮ちゃんが、


「あ、大倉ー!すばるくんとご飯行きたかったんやろ!?」

とか楽しそうに言い出すものやから、え?と思わず声が裏返る。

へえ。そうなんや。

とか横山くんにも念押しされて、それで違うわ!とも言えずに……


「そ、そうやねん!どうしても…」


なんて、返してしまった。
俺はなんてアホなんやろう。
楽屋の空気もちょっとだけ固まった気がするのは、俺が気にしすぎてるせいもあるんかな?


ちなみに目の前のすばるくんも大きい目をさらに開いて俺を見てくる。


ちょっとした沈黙が物凄く長く感じて、俺はグッと目を閉じた。
どうか次に目を開けた時には、すばるくんはこの場を去っていますように………





ソッと………
祈るように閉じた目をゆっくりと開く。


ドラマでよくあるような主人公の気持ちになったのに、開いた目の前には相変わらずすばるくんがこちらを見つめていて、

優しく微笑んでくれた。





うわ。







柄にもなく、ドキッとしてしまった。







その笑顔が綺麗で、俺は意思とは反して吸い込まれそうになる。
その間も時の流れは遅くて、そのまま一歩どこかへ踏み外しそうになったのをヤスが止めた。



腕をグッと引かれて我に返る。





「……大倉。渋やん困ってるから」

「…え、ああ。ごめんっ」



慌ててすばるくんから手を放すと、すばるくんはそのまま「ええけど…」ってそっぽ向いてもうた。

あれ。
さっきまでの笑顔はどこへやら。


「ごめんな、大倉。気持ちは嬉しいけど今日は帰る」


さらっと断って、俺は断られて、すばるくんは楽屋を後にした。
残された俺はぼーっと扉を見つめ、隣にいるヤスを見下ろす。
ヤスも同じく扉見たまんま寂しそうな目をしてた。

俺はこの感情を知ってるはずやのに、あえて知らん振りしてしまった。

見てないって言い聞かせるように。







それからも俺はドラマ撮影の合間にメンバーと仕事して、忙しい毎日を送ってた。
いつもと何ら変わりない毎日。
そのはずやったのに、
何かが少しずつおかしい気がする。




「あー、疲れた。大倉はすごいなあ。ドラマと併用とかありえへん」

「あ、うん。でも楽しいよ」


笑ってるすばるくん見ると、心が癒される。
俺に笑いかけてくれたー、って自然と綻んでしまう。
そんな自分が気持ち悪くて、パンッと頬を叩いたりするけど意味ない。


伸びして寝転ぶすばるくんに自然と微笑んでる自分がいて、
なおかつそれ見て可愛いなあ、とか思ってしまってて、
俺はいつもハッと思い出す。


おかしい。
明らかに前のすばるくんを見る目と違う。
自分のことやのに、自分が全く分からん。だから困る。


可愛いって、なに?



男に、年上に向かって。
可愛いはないやろ。

でも、何度見ても可愛いって思うんやから…
それは間違ってないんやろ。







天井見つめて考える。
俺は、この人が苦手やったはずや。

何考えてんのか分からんし。
もう全てがめちゃくちゃやし。
わがままで頑固やし。
振り回されるし。
でもメンタル弱いし。

言い出したらキリがないくらい嫌な部分とか挙げれる。





……でも。
いい部分は、もっと挙げれる。






語れへんほどにある。




ヤスの視線を追いかけるとやっぱりすばるくんで、丸の視線追いかけてもやっぱりすばるくんで、
……誰見てもすばるくんで。




みんながみんなすばるくんの虜で
そんな俺もきっと
すばるくんで。







ああ。
苦手なはずやったのになあ。



そんなめちゃくちゃなすばるくんが、

好き、なんや。








「なあ、すばるくん」

「……ん?」



好き、になってた。




いつの間にか。
いつからか。
そんなもん分からんけど、納得したら気持ちは高まる。





「今度さ、……俺と遊んで」

「…大倉、と?」



不思議そうに見上げられて、俺は真っ直ぐ見つめる。
俺はずるい奴かもしれんけど、すばるくんが欲しいから全力で体当たりしたい。
譲りたくないって思ったから。
たとえメンバーでも、この人を渡したくない、って。思えたから。



「ん。2人で遊びたい」

「え…みんなでじゃないん?」

「あかん?」

「いや、珍しいから…びっくりした」


びっくりした。
そう言ったすばるくんの顔は本当に困った顔してて、あ、困らせてもうたんかな?って心配になる。
でも。
今更ここで引けるわけもないやろ。


お願い。



「すばるくんが…いつも行くお店、教えてくれへん?」

「……お店?」

「古着屋さん。お気に入りのとこあるんやろ?一緒に、連れてってーや」


軽い口調で言えば、きっとすばるくんも悩むことはない。
すばるくんが目当てなんじゃなくて、古着屋さんが目当てってことにすればいい。
その方がすばるくんの為にも、何より俺の為にもいいと思うから。


俺の言葉にすばるくんは少し考えたあと、ゆっくりと笑ってくれた。
大きい目がトロンと閉じられてくしゃりと歪む。
その一生懸命な笑顔が可愛いとさえ思うんやから、重症。



「古着やったらなんぼでも連れてったる!」

「まじで?ありがとう、すばるくん」



嬉しいと、心から叫ぶ。
俺が思う理由とは全く違っても、この際どうでもいい。
2人の想いが違っても、一緒に居られる時間が少しでも増えるなら俺は嬉しいと思うよ。


今更気づいたこの気持ちに、これからはもう嘘はつきたくないから。
今まで騙してきた自分自身に、少しでも幸せが訪れるなら、俺はそれ以上何も求めへんから。



辛いって思うけど。



気づかんかったこの期間の方が今思うと辛いから。



無邪気に笑ってくれるすばるくんは、きっと俺のことをメンバーとして大事に思ってくれてる。
1人のメンバーとして、ドラマーとして、掛け替えのない存在とさえ思ってくれてるやろ。

そう思えば思うほど心は痛むけど、俺はそれでも笑ってほしいから。
臭いかもしれんけど、その笑顔が俺に向けられるなら、自分の想いくらい隠すことはできる。



「すばるくん優しいなあ」

「いや…大倉が古着に興味持ってくれたことが嬉しいから」

「そっか。うん…大好きや」

「………古着?そんな好きなん?」

「うん、そう。そんな好きになってた」




2人並んで歩くと身長差のせいかすばるくんの仕草がよく見える。
キョロキョロしたり、笑ったり、考えたり、困ったり。
上から見下ろし過ぎたら怒られそうやけど、今だけ…こうして見つめさせて。



メンバーとして、友達として、これからも傍におってほしい。
俺はワガママやけど、すばるくんの為なら我慢だってできるよ。


「大倉と古着屋さん!楽しみやなあ」


うん。
めっちゃ楽しみ。

きっかけなんて何でもいい。
それこそ理由なんて何でもいい。

すばるくんが少しでも俺のことを意識してくれますように。



小さく願って、
……また一歩踏み出した。
隣で大きな一歩を踏み出した俺に、
すばるくんは真似してついてくる。

そんな些細なことさえも嬉しくて、俺はくしゃりと笑顔を向ける。



愛しい気持ちをひた隠しながら。







end
  1. 2014/02/13(木) 03:10:51|
  2. 倉すば
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  4. | コメント:0

君への独占欲。∞亮すば

.







「…………おもんない」






不貞腐れてボヤく俺をすばるくんはチラリと見て苦笑した。
でも何も言わない。
すばるくんはいつも通りで、俺はまた息をついた。




「……………」

面白くない。
つまらない。
そう言ったところで仕方がないなんてことは分かり切ってる。
俺がワガママ言おうと仕事は仕事。
すばるくんは何食わぬ顔で俺のいない生活を送るんや。





………狩(仮)のメンバーとの共同生活。





いくら罰ゲームや言うても…24時間も一緒とかないやろ。

DVD特典やからってやりすぎやで。
もー、ほんま。
いやや。




「しゃーないやろ、仕事やねんから」

「…分かってる」



しゃーないことも。
仕事やってことも、分かってる。
嫌なくらい分かってるから余計にイライラする。
何で俺がこんな想いせなあかんの。
考えたくもないのに。
こんなに嫌やと思うなんて。

どうしようもない気持ちがイライラを膨らませる。




「亮…」

「ごめん。すばるくんが悪い訳やないのに」


困った顔せんといて。
俺がこんなんやから、すばるくんが悲しい思いしてしまう。
そんな俺も、いやや。

ごめん。
子供すぎてごめん。
あー、もー、めっちゃ情けない。




俯いて唇を尖らせる。
見られないように目も合わさずに、俺はひたすら足元を見つめた。





そんな俺に寄り掛かる背中が温かくて、俺の視界はうっすらとボヤける。
軽くて、小さい背中なのに、どうしてこんなにも心地いいんやろう。


「アホやなあ、亮は…」

「ん。…いつまでたっても子供やねん、俺」

「しっかり者なんかよう分からんもんなあ」

「…すばるくんには言われたないけど」



笑う振動も心地いい。
背中から伝わるその温もりを確かめるように更に凭れ掛かる。
そんな俺を支えるように動かないすばるくんの優しさに、俺はいつだって甘えてしまうんや。




「俺は…亮よりも年上やから」

「それ、関係あるん?そんなん言うたら横山くんかって年上やで?」

「それは遠回しにヨコのこと馬鹿にしとるやろ?」

「えー、…バレた?」



笑ってまう。
俺までその笑顔に吊られて、結局何に悩んどったか分からんようなる。

でも、やっぱり思い出したら気分は悪い訳で…
はああ、と大きなため息もついてまう。




「まだ気にしとるん?」

「しとるよ!だって嫌ややもん!いくら考えても辛いわ」

「言うても狩のメンバーやで?何もないやん」

「何もなくても…何か芽生えるかもやん!」

「いや、ないやろ」



はっきり否定されて「いや、だって」とかどもってまう。
だって、すばるくんホンマに鈍感やし、分かってないんやろうけど…
すばるくんはホンマに色気とか、なんやそういうの、だだ漏れやねんもん。


まあ、それに惚れてる一番の気持ち悪い奴は百歩譲って…
いや、誇ってもいいわ。
一番気持ち悪いのは俺や!


でもな。
そんな俺が惚れるすばるくんと、24時間も生活しとったら俺みたいな奴が増えるに決まっとるやろ。
それが心配で仕方ない。
いくらメンバーでもすばるくんに何かあったら俺我慢できひんで。


「なあ!すばるくんその色気どうにかしてーや」

「ごめん、亮ほんまに気持ち悪いわ」

「だって……」

「?」

「か、可愛すぎるねん」



意味わからんわ!ってすばるくんの目が訴えてる。
分からんことないやん。そのまんまやん。って俺の目は伝えようとしてる。
けど、すばるくんは恥ずかしいのか勢い良く立ち上がって俺を見下ろしてた。

顔真っ赤にして、ほんま可愛い。

あー
なんでそんな反応できんの?
いつも下ネタパレードのすばるくんが俺の前でだけ見せるその姿が可愛すぎて、俺は少しだけ心が満たされていく。




「すばるくん…」

「…な、なんや!?」

「仕事やし、しゃーないし、腹括るけど………」



俺も立ち上がってすばるくんを見下ろす。
若干上目遣いのすばるくんに苦笑いして、頭をぽんと撫でてやる。
そんな俺の手を払い除けることもなく、そのまんまの大人しいすばるくんに顔を近づける。



「お願いやから、そういう顔はせんとってな」





そう言うて顔を離し、微笑んでやる。
アイドルさながらの笑顔ですばるくんにおねだり。
困ったままのすばるくんに笑ったまんまで俺はもう少し続けた。




「やないと、心配ですばるくんのこと襲いに行ってまいそうや」





悪戯っぽく舌を出してやれば、すばるくんは分かりやすく驚いて慌てていた。
顔は相変わらずの真っ赤のままで、頬っぺたとかおでことかあたふたと抑えている。



…可愛い。

でも、すばるくんそこやないよ。




「………………」




ちゅ。
わざとらしくリップ音を立てて唇にキスをする。
抑えてたおでこや頬なんか今は興味ない。あるのはその可愛らしい口だけやで。

顔を離すと目の前いっぱいにすばるくんがいて、俺は優しい気持ちになれる。
慌てるすばるくんはホンマにどうしようもないくらい可愛くて、このまま抱き締めたら危ないやろなー、って残りの理性がなんとか働く。



「おまっ……ここは、あかんやろ」

「誰も見てへんって。てゆか見られてるなら別に見られてても…」

「あかん!関ジャニ∞みんなそんなんか!って思われるで」

「みんなそんな感じやし大丈夫やって」




そうや。
みんなそうやんか。
俺のすばるくんやのに、みんな隙あらば狙ってる。
同じメンバーやからこその脅威。
だってすばるくんメンバーには甘いし、何より大好きやし。
俺がおらんとこでそういう雰囲気になられたら守れへんし。


だからこうやって、すばるくんに気をつけてもらうしかないんや。




「すばるくん」

「…なに?」

「誰にも触らせんといてな」

「……当たり前やろ」

「ちゃんとガードしなあかんで?」

「俺かて男や」



えー。
男やけど、そんな可愛らしい感じで男って言われてもなあ。
信用してないわけじゃないけど、しきれへんというか。
まあ、とにかく心配やんか。




「……釘は打つけど」

「え?」

「あー、ちゃうちゃう。こっちの話。やからすばるくんは何も気にせんとって」




不思議そうに首傾げて、それでも納得したのかわけも分からず頷くすばるくん。
俺の言うこと全部守ろうと必死なすばるくんはほんまに真面目な人間やってことを証明してくれる。


でも生憎、俺の性格は真面目であってもまっすぐ過ぎることはないから、そういう面では似てなくて余計に惹かれる。

すばるくんのまっすぐ過ぎて不器用な性格は愛おしくも思える。




「とりあえず……」

「?」

「その共同生活、邪m………じゃなくて、茶々は入れにいくから楽しみにしてて」

「は?亮くんの?」

「当たり前やんか。すばるくん1人にするわけないやん」



目をぱちりと二度ほど開いたすばるくんに微笑みかける。
あたかも自然に、まるでそれが当たり前かのように約束する。



「俺も楽しみたいしなあ、お題とか…出してもいいんよな?」

「いや、それは、もうええんちゃう?」



嫌そうに目を逸らしたすばるくんに俺はニヤリと笑いかける。




「えー、どうしよっかなあ。だって罰ゲームやし……」

「………性悪すぎやぞ」



睨まれては悲しいのでこのくらいにしておこう。
すばるくんの頭を撫でて優しく笑ってやる。
すると、安心したのか和らいだ表情に俺も幸せな気持ちになった。




俺にだけ見せてくれるその表情を、共同生活の中で見せるのかと思うと面白くない。
けれど、いくらこの可愛らしい素顔を見たところですばるくんはもう俺のもんやから。
誰がどうこうしようと渡す気はないし、取られる気もない。

だから大丈夫。
今はすばるくん信じてその日を楽しみにするしかない。





「すばるくん。共同生活楽しんでや」

「え?………ええの?」

「まあ、よう考えたらこれはこれでおもろいかな?って」




そう伝えて俺はその日を楽しみに過ごすことにした。
待ち遠しいと、心から思いながら。

戸惑うすばるくんに大人の余裕を見せて、
他のメンバーにはすばるくんを諦めてもらうつもりで、
俺もその共同生活に茶々を入れる1人として参加しようと思う。



やから
覚悟しといてや、すばるくん。
俺の独占欲の強さはこんなもんじゃないから。
すばるくんのことどれだけ好きか、
ここで披露してあげるから。

俺の全てを受け止めてほしい。




「楽しみやなあ」

「……言うてることめちゃくちゃや」



呆れて笑うすばるくんに、
俺も最大級の笑顔を返した。




end
とりあえず終わる。
  1. 2014/02/06(木) 01:51:41|
  2. 亮すば
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