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妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

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あいことば。

.







月を見て目を細める。
そこに君は見えないのに、まるで笑ってるようで、心が満たされる感覚に溺れる。

手を伸ばしたら届くような、ありえない夢物語を抱いて、現実を思い出す。

彼は、ここにはいない。


遠く離れた慣れない土地で、いったい何を想ってるやろう。
大阪を離れて、君は先に旅立った。
自分を置いてどこへ行くのかと聞いた時、返って来たのはなんとも言えない微笑みだけ。






……寂しいとか、言えばいいのに。






言えない事は分かってた。
彼の性格上、そういう弱味は見せないだろうと。


君はいつも我慢してそこに存在するから。




強くあれと、どこか遠くを見つめたまま。震える足を忘れようともがいて足掻く。
二本の足でしっかりと地に足ついたまま。


でも。
その姿が眩しくて、俺はすべてを求めてしまう。
その救いになりたいと欲してやまない。



これを愛というのならば、どれほど醜く重い感情なのだろう。
知られたくない想いが大きすぎて言葉にすることもままならない。

それなのに。
求める感情や欲する想いは募るばかりで、俺は小さく息をつき、また今日も空を見上げる。






「渋やん。今頃がんばっとるんかな」



がんばれ、って心で何度唱えたやろう。
その度に思い出しては恥ずかしくてひとり照れてしまう。
誰に聞かれてるわけでもないのに、渋やんの事になると普通ではいられへん。

なんや。
ほんまもんの乙女やないか。

自分で突っ込んで笑ってたら世話ないな。
アホらしなって肌寒い風から逃げるように部屋へと戻る。
今はもう、時計の針が0時を越えようとしている。


「そりゃ、寒いわ」


こんな冬になりかけの季節に、俺は薄着で何をしとるんやろうか。
これが最近の恒例行事になろうとしてるのだから困ったものだ。
アイドルたるもの自己管理くらいしっかり出来んでどうすんの。

渋やんの心配、してる場合やないで。




自らを叱咤して部屋に飾ってた写真を見つめる。

俺と、渋やん。

楽しそうに笑って、お揃いのアクセサリー身につけて、世の中の汚い事情とか何も知りません。って顔してる。


甘い甘い、大人になりきれてない時や。



でも。




「…楽しそうや」




めっちゃ。
楽しいって、写真からこんな滲み出るもんなんやろか?
首を傾げて苦笑する。
たぶん、俺らが単純で純粋なだけなんやろう。
分かりやすい二人やから、写真1枚でどこまで汲み取れてしまう。


………でも。




「…これは、ちゃう」




隣に置いていた雑誌を手に取りページを捲る。
ゆっくりと確認するように1ページずつ丁寧に捲っていく。

その動作を繰り返すほどに、俺は眉を顰めてしまった。

渋やん。
あんまり笑えてない。




…気のせいかもしれん。
俺と離れてるからとか、そんな期待を抱いてもうて勘違いしとるんかな。
俺とおるときの方が楽しそうやとか、そんな自意識過剰なこと言うつもりはないけど…
けど…


これはあまりにも。

いつもの渋やんらしくない。



「……………」



そう考える間もなく俺は携帯を手に、見慣れた番号を押して行く。
間違えるはずもない、渋やんの番号。
何度も押しては消していた番号。

かけたら迷惑やって、何度も自分に言い聞かせていた番号。

今日だけは特別や。
もう、押してしもたもんは消すことも出来ん。
先走る気持ちを抑えて、ただ携帯越しの声を待つ。
待つ時間は数秒でも、俺にとってはとても長いものに思えた。
そんな複雑なまま、俺は電話の相手に笑いかける。




「…渋、やん?」
「…………ん、久しぶり」


ほんまに。
ひさしぶりすぎて気まずい。

なんやっけ。
俺はなんで、電話したんやろう。
あんなに我慢してた番号を、なんでこんな簡単に押してもうたんやろう。


「どうした?ヤス」
「いや、あの!元気かな?って」


ありきたりすぎて嫌になる。
なんも浮かばん自分が情けなくて泣きたい。

でも。
電話越しに優しい声で笑われて、俺は心が落ち着いていくのが分かった。


「…ヤスは相変わらず元気そうやな。よかった」
「う、うん!俺はめっちゃ元気!いつも渋やんの雑誌とか、テレビとか観てるんやで?」


嬉しそうに話す自分が分かる。
俺ってほんまに渋やん好きやなあ、って、つくづく思う。
そんな俺に渋やんも「ありがとう」って笑ってくれて。

照れとるんかな?
口数が更に減ってもうた。

そんな沈黙を気にして、口を開いても、言葉は続かない。
言えたら苦労しない言葉が頭の中でぐるぐると木霊している。



………会いたい。




ただ。
会いたいって思っとるだけやのに。
電話やとこんなにも近いのに。
なんでこんな遠いんやろう。



10代の俺らには遠すぎて、縮めることの出来ない距離が2人を邪魔してる。

そんな沈黙。
俺が電話しといて黙るなんてダメなことやって分かってる。
渋やんを困らせてるだけや、って。
分かってんのに。
分かってんのに。



「……………ごめっ、渋や…」




涙が自然と頬を伝って、俺はバレないように声を絞り出す。
泣いてる、なんてバレたくない。
情けない、弱い俺なんて、俺じゃないのに…
止まらへん。



「………………」
「……あー、あの、風邪、ひいてもうたんよ…っず」
「……………うん」
「でも、めっ…ちゃ元気、やし。俺はっ…だいじょ、ぶやから」



なんやこれ。
泣いてるやん。
バレバレやん。
でも、どうしても隠したくて、俺は必死に言葉を紡ぐ。



「でも……渋や、んは元気そっ…で安心した!」
「………うん。そうやな。…元気や。お前と…全くおんなじ気持ちやからな」




優しい。そんな声。
流れるように零れた声が、やんわりと頭の奥を刺激する。

思わず固まってしもた。



それでも
渋やんの言葉はまだ続いてて、最後に「ありがとう」と言われた。



「…………電話くれて、嬉しかったで」
「………ん。よかった」
「急やったし、びっくりしたけど」
「ん。ごめんな….」



"ありがとう"

彼の精一杯の強がりに、俺は何も言えなくなった。
本当は寂しいとか、辛いとか、逃げ出したいとか…そりゃもういっぱいあるはずやのに。
なにひとつ弱音は吐かんつもりなんや。


俺相手になんか気遣わんでええのに、とか、そんな軽いもんじゃない。
そんな軽口で俺はこの人に何も言えん。
今のままじゃ俺は、

"会いたい"

なんて、尚更…


"がんばれ"

という言葉さえ伝えることが出来ない。
そのくらい情けなく感じてしまった。




この人は、この彼は、渋谷すばるは。

どうしてこんなにも。
儚くて繊細で、美しいのか。



まるで一つの芸術作品を見るような気持ちになってしまう。


ああ。
………敵わんな。







会いたい、のは
…………寂しいのは
…………………
………………………
…………………………俺の方や。






「渋やん、明日も仕事なんやろ?」
「……ん。そうやな、明日も撮影とか入っとる」

「そっか。めっちゃ頑張っとるんやな!…なんや遠い人みたいや」
「は?別に遠ないやろ?新幹線のったらすぐや」



笑い声が響いてる。
俺の鼓膜をここまで震わすのはいつも君の声だけ。
嬉しくて、幸せで、切なくて。
頭の奥の方が悲鳴をあげて泣いている。


この、電話を切れば…
次に会えるのはいつになるんやろう。

きっと、次は………




「じゃあ、渋やん」
「…おう。ヤスもがんばれよ」
「ありがとう!がんばるよ。がんばる。だからな、渋やん」
「……………」




「…そこで待ってて」




すぐに行くから。
君に似合う人間になって、会いに行くから。

だから次に会う時は。









………………
……………………
…………………………












「…お待たせ、渋谷やん!今日から宜しくな」

「……………っ遅いわ」





とある9月22日


俺たちはまた肩を並べてスタートする。
たくさんの仲間に囲まれて、渋やんに笑顔が途切れることはない。



「関ジャニ∞、か………まんまやな」
「あー、やっぱ関西はええなあ!たこ焼き食べよーや」


見開き全面に俺たちが載っている新聞を眺めて隣を見やる。
手を伸ばせば届く距離に渋やんがいて、いつだって笑顔を向けてくれる。

優しい声が暖かさを運ぶ。




「渋やん……」
「んー?」


"ありがとう"




………俺から送る君への



「あいことば」


驚く君は、俺の言葉に涙を流して幸せそうに………笑った。




end
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  1. 2013/10/27(日) 23:41:34|
  2. やすば
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ココロ。∞倉→やすば

.







いつからやろう。
毎日居っても苦にならんと思うようになったんは。
むしろそれが当たり前の日常になってて、コイツじゃないとダメなんやろなあ、って思うようになったんは。



「何を考えとるん?」
「えー、特になんも。お腹すいたなあ、ってくらい」
「なんやねんそれ。いっつもお腹すいとるやん」


可笑しいのか、笑いながら話すヤスに俺はちょっとだけ癒される。
かわいいなあ。
なんか小動物みたいでわしゃわしゃーってしたくなる。俺はヤス見とるだけで幸せになれんなあ。



「なによ?」
「べつにー。なんもなーい」


見すぎたからか、変な顔で突っ込まれてしまった。
眉を寄せて不思議そうに見上げてくる。
自然と上目遣いになるものだから、いくら強く見られても可愛いもんは可愛い。
なので俺もやっぱり目尻が下がってしまう。幸せやなあ、って頬を綻ばせながら。






「あ」

そんな幸せに浸ってた時にヤスはちょっとだけ驚いて、でもやっぱり嬉しそうに楽屋に入ってきた人物を見つめた。
視線の先は見なくても分かる。
俺はさっきまでのふんわりした気持ちとは裏腹に、少しだけ複雑な気分に落ちてしまった。



「ヤス、分かりやすすぎるわー」
「え?ほんまに?」
「大好きです!って顔に書いてあるもん」


ヤスのおでこ突きながら笑ってみせる。あくまで自然に見せようと作った笑顔で。
照れたように笑うヤスはそれでも可愛くて、俺にとってとても残酷なものに思えた。

正直、彼には勝てない。




「渋やん!おつかれ!」
「おー、ヤスやん。おつかれ」



好敵手にもなりそうにない。
彼が、というよりは俺が。
彼、すばるくんが凄すぎて俺じゃ勝てる気がせぇへん。
何より俺もすばるくんのことは好きやなって思ってまうし、ヤスだけやない、みんながすばるくんの虜なんや。


普段は甘えん坊なのに、歌ってる時は周りを魅了してしまう。

わざとじゃないからタチが悪い。
いや、別にすばるくんは悪くないけど、俺からしたらタチが悪いな、って。



嬉しそうに話しかけるヤスを見つめる。あかん。
こっちには気づきそうもない。
目に留まるものはすばるくんだけなんやろう。
今は周りなんか見えとらん。


そう思ってんのに、すばるくんがヤスの後ろにいる俺にまで声をかけてくる。



「大倉は、何しとるん?」


悪気はないんやろうなあ。
満面の笑みを向けられては誰にこの鬱憤を晴らしていいかも分からん。
俺はへラリと笑って、言葉を探した。



「なあ、すばるくんお腹すいてん」
「あ?さっき食べたやろ?」
「なんぼ食べても足りひん。なんでやろ?俺、変なんかな?」


首をかしげて話す俺にすばるくんは目をパチパチと開いて眉を寄せる。




「変ではないやろ?大倉は大きいからしゃーないんや。なんや、俺らに対しての嫌味か!」




そう言うて笑うすばるくんに俺は少しだけ胸が痛くなった。
ああ、ほんまに。
勝てる気はせぇへんなあ。



俺は複雑なまま


「そうやな。俺は大きいから……ヤスやすばるくんとは胃の作りが違うんかもしれん」



自らを犠牲にして笑い、その場からそっと消えようと思う。
ヤスのすばるくんに向ける笑顔は相変わらず可愛くて、俺はその笑顔を横目にチラリとおさめてから足を踏み出した。




「…大倉。ご飯か?」
「うん。減ってたら頭回らんから…なんか適当に食べてくる」



2人に見送られる背中が寂しい。
諦めるつもりとかなかったはずやのに、2人の笑い声聞いてたら辛くなってきて、逃げ出したい衝動にかられる。



「あー、何食べよっかなあ?」



ひとり呟いて上を向く。
流れずとも涙は溜まるもので、視界がキラキラと眩しく輝く。

あー。
こんな感情は好きじゃないんやけど。


誰を攻めるでもなく当たる。
下がる眉に唇を噛み締めて、勢いよく目を瞑った。
流れる涙がしょっぱくて、顔を歪めてしまう。


お腹、すいたなあ。



………満たされないのは、お腹だけなんかな。
ほんまに重症なんは………言うまでもないはずや。



胸に手を当てて、俺は小さく微笑んだ。




end
  1. 2013/10/18(金) 10:24:13|
  2. やすば
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関ジャニ∞の真理

.








「あああーーーっ」

「っ!?なんやねん」


頭をわしゃわしゃとかき乱す隣の亮に、俺はびっくりして読んでた本から顔をあげてもうた。
亮は俺に見向きもせず、まっすぐ前を見つめている。

その視線の先にはメンバーである、すばるが居って、なんや眠いのか今にも寝てしまいそうにウトウトしとる。

別にそんな光景はいつものことやけど、俺もその様子にちょっと笑みが零れてしまった。
眠いんやったら寝てまえばいいのに。
何を我慢しとるんやろう。

俺は声をかけようと口を開いたが、その口を思っきし手で塞がれて思わず噎せてもうた。



「…っこほっ…はあ?どうしてん、亮」

「…起こしたらあかんで。いくら村上くんでも怒るからな」

「だから、なんやねん?」

「ああ、もう。すばる君かわいすぎるわー」



はあ!?
何を言うとんねん、こいつは。

自分より年上の男に向かって可愛いとか、ないやろ。
そう思っても、これこそいつものことやから何とも言えへん。


「なあ、亮。お前相変わらず気持ち悪いな」
「ええ?なんでやし。別に可愛いとか言うくらいええやんか。ホンマやねんから」
「まあ、本人の自由なんやけど…」


呆れたように話して俺はまたすばるを見やる。
こんなこと言われてるなんて知りもしないすばるは変わらず眠そうで、何度もカクンと椅子から落ちそうになっとる。
それを見て微笑んでまう。
そんな俺をジッと亮が見つめて嬉しそうに笑っとる。


「ほらー、村上くんもなんやかんや可愛い思っとるやんか」
「……うわー。めっちゃ悪い顔しとる」
「なあ、可愛いやろ?すばるくん!」
「その絡みめんどくさいわっ」


俺の言葉にすばるはビクッとして、俺はなぜか亮に叩かれた。



「いっ…」
「起きてまうやんか!村上くん気をつけてーや」
「起こしたらええやんか。あのままやとアイツ椅子から落ちよんで」


それはあかん。
その亮の言葉と共にすばるはフラーっと椅子からゆっくり落ちていく。
あ。
そう思ったときには亮は立ち上がってて、丸は一生懸命すばるが落ちるであろう床に寝転び、ヤスが肩を支えていた。

一連の動きのおかけですばるは落ちず、ヤスに支えられたまま目をパチリと開けとる。


で。
床に転がってる丸は何もしてないのにホッとした様子で、亮は悔しそうにヤスを見つめとった。




「あー、アホらし」

「ほんまやで」



俺のセリフに相槌を打ったのは、今まで出た誰でもなくて、すばるのことよう知っとるヨコやった。
そんな姿に俺はなんや知らんけどホッとする。


「まあ、すばるが愛されとる証拠や。ヒナは嬉しいんとちゃうの?」
「ある意味、すばるの能力やな。てか何で俺が嬉しいねん。意味わからん」
「能力て…。わからん事ないやろ。俺とお前が溺愛しとるすばるが可愛がられとるんやで?嬉しいに決まってるやろ」


自信満々に言われて、なんやコイツ。って思わず眉間にシワ寄せてもうた。
あかんやん。
ヨコも大概重症やんか。
普通なんは……え、タツしか残っとらんの?





「おい、タツー。みんながおかしいねんけど、お前はふつ……」



う?
もしかせんでも寝とる?
さすがやわ。
寝る子は育つ。
タツいわく身体大きいからよく寝る。らしいけど、それちゃうわ。
寝とるからよう育ってもうたんや。


なんや突っ込むのも疲れてしもて、俺はそのまま席を立つ。
そして足をゆっくりと目覚めたばかりのすばるに向ける。



「………ヒナ?」
「おはよう、すばる」


寝ぼけ眼で見上げてくるすばるは確かに可愛い。
…いうても、あれやで。
子どもみたいで可愛いとか、そういうのやで?俺は。
他のは…どんな目で見とるか知らんし、知りたくもないけど。


そう言って周りを見渡すと気持ち悪い面々と目があってしまった。
なんやその目を見てたら、すばるが危ないような感覚に陥ってしもて、俺はそのまますばるの隣に腰掛ける。



「眠いんやったら寝たらええねん。まだ休憩中やしな」
「おう。ありがとうヒナ。優しいな」


そう言って微笑みながらすばるは俺の肩にコテンと頭を傾ける。
乗っかった頭は思ってたより遥かに軽くて、俺はすばるの頭を肩に乗せたまま口を開く。


「すばる、お前また痩せたんとちゃうか?」
「えー?ちゃんと食うてるよ」
「さっきのメシは?全部食うたん?」
「まだ残っとる。多いわー」

いつも通りの会話。
その様子に亮は面白く無さそうで、足も腕も組んでドカッと腰掛けとる。
ヤスはすばるの反対側に座り、まるで肩を差し出すかのような体制で待っとる。
丸に至っては、もう既によう分からん。


「すばる。いつも大変やな」
「なにが?」
「いや、なんとなくや」
「…………?」


つくづく、
関ジャニ∞とゆうこのグループは、渋谷すばるのことが大好きなんやなあ、と思い知らされた。



はあ、とため息をつきもたれ掛かるすばるの頭を優しく撫でてやると、すばるはまるで猫が甘えるような感じで擦り寄ってくる。
それは確かに可愛くて、俺の少ない父性本能みたいなもんも擽られる。

周りの視線はいつも通り痛すぎるほど痛いけど、俺がコイツを守ってやらな、なんや危ない気がして傍から離れることは出来ん。

それこそ勝手な言い分かもしれんけど、コイツもまた俺を求めてくれるから調子のってしまってるんやろう。
分かってるからこそ、俺もなかなかに痛い奴やなって自笑してしまう。


「何がおもろいん?ヒナ」
「いや。関ジャニ∞ってほんまにおもろいなあ、思ってな」
「………?」


不思議そうに見上げてくるすばるは相変わらず眠そうで、ぼんやりと俺を視界に入れてる姿さえも可愛い。
そんな姿見てしまったら更にほっとけんくなるから、コイツもしかしてわざとか?なんて考えてまう時もある。







「すばるー、俺と遊んでーや」


そんな矢先に届いたのはヨコの言葉で、すばるはゆっくりとそちらに視線を送る。
俺の肩にちゃっかり頭は乗せたまんまで、俺もそちらに視線を送った。


「モンハン。俺ひとりで上位まで行ってまうでー」
「えー。それはあかんやつや。でも今は眠いの優先や」


ヨコの誘いに少しだけ戸惑うすばるは小さく唇を尖らせる。
そんなすばるにヨコもまた唇を尖らせて話すものだから、俺は面白くなってそのやりとりに見入ってしまった。


「なんやねん、ヒナとばっか。おもんないわー」
「おもろい、おもんないの意味が分からん」


いつもの2人。
そんな2人を見ては「ほんま仲良えなあ」ってつくづく思う。
怒りつつもヨコは少し楽しそうにすばるの前でモンハンをはじめる。

そんなヨコへ視線を送ろうとはせず、すばるはモンハンから流れてくる音だけをただ静かに聴いていた。




「ええの?モンハンせんでも」
「……今はええ。後でする」

「なんやねん、それ。今はそういう気分やないってことか?」
「…ん。そう」


小さく返された答えに俺は笑みが溢れる。
ああ、モンハンの音聴いてちょっと気になり出してるんやろうなあ、って。
やりたくなって来たんとちゃうかな。



そこに寝とったはずの大倉が参戦して来て、ヨコの隣に腰掛ける。



「すばる君はせぇへんの?……うわっ、ちょっと横山くん!」
「すばるはそういう気分やないってー。おもんないやろ?…おい、お前、俺攻撃しとるから!邪魔や!」



ヨコと大倉のやり取りにすばるもピクリと動き出す。
あーだの、こーだの言うてやる大倉にヨコが突っかかり、そんな様子をすばるは見つつ、鞄の中から自分のモンハンを取り出した。



なんや。
結局やんのかいな。




「あ、すばるくんおかえりー」
「すばる早よ助けて」
「………いやや」



三人でわいわいし出したから俺は微笑んで見つめてまう。
その様子にヤスも何故か楽しそうで、俺と目があってしまった。



「子供みたいやな」
「ほんまにやで。ヤスは寄らんでええの?」
「俺そんな得意とちゃうからなあ」


まあ、あのモンハン大好き人間の中にはなかなか入れんわな。
見てる方がよっぽどか楽しいわ。


「よっしゃ、次はこれや!」
「うわー、結構3人は厳しそうやで」
「ヤスもやったらええやん?持ってるやろ?」
「え?俺もやってええの?足引っ張らんかな…」

「俺がおるから大丈夫や!」
「すばる、お前ハンターランク一番下やからな」
「関係ないわ、こんなもん気持ちや!」


自信満々に話すすばるに、すかさず突っ込むヨコと、爆笑してる大倉。
その中にヤスが嬉しそうに混ざって行く。

そんな平和な光景に思わず眠気が襲う。
いいなあ。あったかいなあ。
こんな毎日に俺は癒されて疲れも吹っ飛んでまう。

大袈裟やーって言われるかもしれんけど、メンバーやったら全員分かってくれる自信はある。
そんくらい関ジャニ∞って仲良しやと俺は思ってる。


こんな俺らを、これからもっと輝かしていきたい。
その気持ちがまた関ジャニ∞を一歩前進させてくれるんやろう。



「村上くん、なんかオカンみたいな顔なってんで」
「は?…亮こそ何ニヤニヤしとんねん」
「いや、ニヤニヤやったら丸の方がしてるやんか!」
「え?俺?…俺は…ニヤニヤしてたかもなあ」


ニヤニヤして見てくる丸に「アホか」って突っ込んで笑ってまう。
そんな俺もニヤニヤしてもうてるから、これ以上はなんも言えんわ。


これが俺の自慢の関ジャニ∞ですわ。


誰に言うでもなく心の中で呟いてみる。
見つからないように頷いて俺は静かに目を瞑った。


楽しげな声だけがBGMで、そのまま俺は幸せの中眠りにつこうと…………




「うっわ!すばるホンマに下手すぎるわー」
「はあ!?今のはちゃうやん!ヨコやん!」
「あっはははは!あかん、お腹痛い!」
「え?何がどうなったん?俺分からんから説明してーや」
「またすばる君、下手とか言われてんの?」
「上手い上手くないかじゃない。好きか嫌いかだ!なーんて…」

「丸うっさいわ!」
「ひど…」


眠りにつこうとしたけれど、
生憎、ぎゃあぎゃあ騒ぐ6人の声に妨げられてそれは許されることはなかった。

はあ、と小さくため息をつき、
「分かってたけどな」とひとり納得するように苦笑する。

でも、こんな騒がしい奴らのことを俺は何でか可愛いなあ、なんて思ってしまってるから怒ることも出来ん。

あの騒ぎよう。
30歳前後のおっさんがやることか?
特に煩いのは一番年上の2人ってどういうことやねん。

そう考えては笑みも溢れてまう。



「あ、信ちゃん何ひとりで笑ってるんよ?」
「え?俺そんな笑ってたか?」
「めっちゃ幸せそうな顔してたで」


丸にそう言われて気づいたけど、そんな丸も幸せそうな顔してるやん、って突っ込みたくなって、やめた。
今日はもうしゃーないやろ。

こんな平和な時間が何より幸せなんやから。
みんなが一番求めてるもんがコレやねんから。

知らずとこんな顔にもなってまうで。



「おい、コラ!あんま煩いと怒られんで!」
「うわ!ヒナや」
「なんやねん、その嫌そうな顔は」
「あ、ヒナ聞いてや!ヨコがひどいねん!」
「はあ!?俺なんもしてへんやろ!」


ぎゃあぎゃあと喚く二人に呆れながら周りを見ると、他の4人はその光景に笑ったり心配したり苦笑したり。
そんないつもと変わらん様子に俺は小さく微笑み、二人の肩を掴んで


「仲良うせぇや!」



って、ありきたりな言葉を紡ぐ。
二人も観念したのか黙ってしまい、唇を尖らしたままゲームの続きを始める。


「仲は…ええけど」
「…ん。悪くはない」


わしゃわしゃと二人の頭を豪快に撫でて大きく笑う。
嫌がるヨコと、されるがままのすばる。
二人とも顔は不機嫌そうやけど何とかおさまったみたいや。


その様子に4人も笑顔になって、ヨコとすばるに寄ってくる。
集まった6人それぞれを見渡して、俺は小さく頷くと微笑んでもうた。


その顔が楽屋の大きい鏡にうつり、俺は思わず照れてしまう。


ああ。
俺ってあんな顔するんやな。


それは、今まで見たことのないような、自分で言うのは恥ずかしいくらい優しい笑顔で、
まるで他人事のように感心してしまう。


……願わくば。

明日も、明後日も、
こうして笑っていられますように。


そして
みんなの笑顔は、俺が守りたいと心に誓った。

そんなとある日の出来事。



end




end
  1. 2013/10/08(火) 19:40:49|
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そのままの君が好き∞横すば

.




「………好きだ」


「あー、みかんなあ、いい曲やんなあ」


「…っお前が!」


「………あ」
「…横ちょ?」
「何言うてんの?この人…」







ほんまに、何言うてるんやろ、俺。
あんな大勢のファンの前で。
いくら歌が上手かって、なんや感極まって、気持ちを素直に吐き出してもうたにしても…
あれは若いからとはいえ素直すぎるやろ。


あのすばるの呆れたような苦笑い。
ヤスの、うわあ~横ちょ~ってゆう哀れみの目。


俺も流石に心が折れそうやったで。




みかんってゆう俺ら三兄弟の歌が良すぎたんは確かやし。
それを歌ってるすばるをカッコいいと思ったんも確かやけど。

好きや、って気持ちはもうずっと前から持ち合わせてる気持ちで、なんやあの場所、あのタイミングで告白してしまった。

裏で聞いてたヒナにはさっき静かに慰められた。
「どんまい、ヨコ。あれじゃすばるには伝わらんよ」
「………おう。そんなもん言われんでも分かってる」

慰められたことで一層情けなさがこみ上げてきた。
はあ、と息をついて顔をあげると、隣にすばるがドカッと座る。
俺は少しだけびっくりして隣を横目で見やった。


「おつかれ」
「……お、おう」


すばるはこちらを見ないまま目の前の水を飲み干した。
相変わらず男前なあの顔は真っ直ぐ前を見たまんまで、俺はこんな時でも見惚れてしまう。


カッコええなあ。綺麗やなあ。って。



そして、二人の間に沈黙だけが流れる。
時計の秒針の音がやけに頭に響いて、俺もまた目の前の水に口をつけた。


いくら待っても話す気配すらないすばるに、俺は勇気を振り絞って話しかける。
いつも通り。
いつも通りで話せばすばるだって普通に接してくれるやろ。


「す、すばるBANDもやっぱカッコええよな!ほら、楽器できるって凄いわ」
「…………」
「俺は何も出来んからさ。喋るんが取り柄のアイドルってカッコ悪いやろ?」


すばるが俺の言葉に反応してくれる気配もなく、俺は必死になって話題を探す。
そんな一生懸命な俺をチラリと見たすばるは小さく笑みを零した。


「……笑った。すばる」
「はあ?俺かって笑うやろ」
「そ、うやねんけど。なんかいつもよりいい笑顔やった気が……」



また眉間にシワがよる。
それやない。
俺が求めてるすばるはそのすばるやない。

もっと自然体なすばるが好きなんや。

歌ってる時も。
笑ってる時も。
怒ってる時も。
俺とおる時も。

自然体なすばるが何より素敵やと思う。


「すばるはホンマにカッコええなあ」


黙ったまんまのすばるに独り言のように話しかける。
そんな俺の言葉を聞いてるのかいないのかすばるの態度はいっこうに変わらない。
それでも、隣に座ったまんま離れようとせんのは懐いてくれとる証拠なんかな。







「十分、やろ」

そんな矢先に口を開いたのは意外にもすばるで、俺はすぐに隣を見やる。


「喋れるアイドル。なかなか居らんで。俺が知っとる中で喋れるアイドルってヒナかヨコくらいや」




うわ。
なんや口開いたと思ったらまた俺の心が揺さぶられる。
凛としたその声に乗せられた言葉はいつでも真っ直ぐ心に突き刺さる。
嬉しくて、まるで調子にのってしまいそうなくらい。


「むしろ喋りだけのアイドルとか上等やん。カッコええよ、ヨコも」

「お、おう。なんや照れるな」

「色んなもんに挑戦して中途半端にしか出来んのやったら、ひとつのこと極めてる方がカッコええやろ?少なくとも、俺はそう思う」


そんなことハッキリ言えるすばるの方が誰よりもカッコええって気付いてんのかな?
気付いてへんやろなあ。
これ全部、自然体でやってることねんから。

ほんま怖いくらい魅力的やわ。



「ありがとう、すばる」

「何が?」

「いつも。お前には助けられてばっかりやわ」



ポンとすばるの頭に手を乗せて笑う。
そんな俺にすばるは目を丸くしてすぐ逸らしてしまった。


「なんやねんっ。別に…俺は」
「あ、照れてるん?すばる」
「……うっさい」



ほんま口の聞き方は相変わらずやけど、そんなとこは可愛いと思ってまうんやから、それもまたすばるの魅力やね。

いつもはあんなカッコええのに。
ちょっとしたことでムキになって突っかかってくる。
そういうとこは年齢よりも幼くて可愛い。


「なあ、すばる」
「…………ん?」

そっぽ向いたまま返事するんは恥ずかしいからかな。
俺は気にせずそのまま話を続ける。






「やっぱ好きや」
「…………………みかんが?」


「…いや、お前が」



俺の言葉に頬を赤くしたすばるは服の袖で口元を隠す。
隠してるけど目はいつもより優しくて、俺はそんな様子に満足してしまった。



「すばるは?俺のこと……」
「知らん」


ハッキリと言葉を遮られたけど、俺は笑ってしまった。
だって、その恥ずかしそうな笑顔は…




俺の大好きないつもすばるやったから。



end
  1. 2013/10/02(水) 06:22:17|
  2. 横すば
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