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妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

Desire ∞やすば

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適度な距離感。
それが一番2人に合ってるのは分かってる。
近すぎず、遠からず。
それでも俺はわがままやから、もっと傍に寄りたい欲が出てしまう。

もっと知りたい。
もっと、もっと、と。
すべてを求めるように伸ばした腕も空を切るのみ。
分かってるのに、辛くて切ない。



「………隣にいるのに曖昧」
「……?」
「いつもそう」


あなたは傍に居るの?居ないの?



「………ヤス?」
「なーんて」


戯けた顔して笑ってみる。
案外と普通で自分でも安心してしまった。


「…………………」
「もしかして渋やん戸惑ってしもたん?冗談やって」


隣でずーっとゲームしとった渋やんが少しばかり気にした様子で視線をあげた。
ゲームからこっちに気を向けてくれたことはめっちゃ嬉しい。
でも、まさかそこまで反応するとは思わんかったから気まずい。



「んなこと………」
「だから、冗談やって。ほんま気にせんとって!なあ、渋やん」
「急に言われたら気にもなるわ」


怒鳴るまではいかないけど、少し張った声で言われてしもた。
怒ってるんかな。
冗談にしては重過ぎた?

でもな。
渋やん、聞いて。


「………本音や、言うたら?」



真剣な顔して言うてみる。
届いたかなんて分からん。
渋やんは下向いたまんまやし、さっきから部屋の中響いてるんはゲーム機の音だけ。


「………………」

「…………………」



沈黙。
やと思ってたけど余計に胸が痛い。
なんかもう俺、病気かもしれん。
悩んでは笑えんくて胸が締め付けられる。これは病気やろ。




"あなたはそばにいるの?
いないの?
あたしだけもう凍えそうなの"





この空間が居た堪れなくなって俺はスッと立ち上がる。
それでも尚耳に届くのはゲームの音だけで、俺は静かに邪魔しないように扉へと足を向ける。






「…………………なあ」







そんな俺を引き止めるように放たれた渋やんの声。
それが思いのほか大きくて俺は思わず立ち止まり肩を竦める。




「お前は、どうしたいん?」

「…………な、何が?」




急に問いかけられたものだから俺は戸惑ってまう。
なんでそんなこと、言うんかな。
さっきまで黙ったまんまで無視しとったくせに。


「……どうしてほしいん?」

「どうして、って。別にどうもしてほしないよ。今のままが一番やって分かっとるから」



分かっとるよ。
どんだけ想っても、わがまま言うても、今の距離感が一番ええのは誰が見ても分かるやろ。
こっから一歩でも踏み出したり、引いたりしてしもたら、この関係は変わってまうんや。
今の関係性は確実に壊れてまう。

それは、あかんやろ。



だから。
夢物語のままでええんや。



「……………おもんない」

「おもんなくて悪かったな。そういう渋やんだって何考えて……っ!?」


急に振り向かされて、……キスされた。意味わからん。
頭の中が一瞬で真っ白になって、俺は立ってるのが精一杯やった。

でも、目の前に渋やんがいて、俺はキスされたんやってことは正確に理解しとる。


「………なっ、どしたん、渋やん!?」

「お前が、意味わからんこと言うて満足しとるからやろ」


は?それこそ意味わからんから説明してくれんかな。
渋やんは近くの椅子に腰掛けて罰が悪そうに下を向いたまま。


「想ってんのはお前だけやと思うなよ」
「いや、だって渋やんが悪いやん」


だって。そんなこと。
今まで一度たりとも言うたことないやんか。

俺だけがこういうこと考えとるんかなって、真剣に悩んでたのに、なんやねんなそれ。
まさか渋やんも同じように想ってくれとるとか分からんやん。

ゆっくりとそのまま一歩踏み出す。

この一歩で、関係性は変わるやろう。
どっちに転ぶかなんて誰も分からん。


「渋やん」
「………………」
「傍におってもええ?」
「……んなもんは、お前の人生やねんから好きにしたらええやろ」


ポンと俺のお腹に拳を突き出してくる。男らしい渋やん。
その手を離さないようにしっかりと掴んで見上げてくる視線と合わす。






「じゃあ、傍におってくれる?」



「…おるよ。ヤスが嫌や言うてもついて行く」





"離さないで 酔わせて あなたでこのままもう"


"連れて行くわ どこまででも あなたごと"


"きつく抱くわ あたしだけで 汚させて 愛で"



「どこも行かんよ。渋やんおいて…俺が行ける訳ない」

「知ってる」


なんやの、その自信。
笑う渋やんと額を合わせてじゃれ合う。



「なあ、渋やん。キスしてもええ?」

「………いやや」

「なんで!?そこはええよって言うてくれるとこちゃうの?」

「嫌なもんは嫌や。無理矢理したら怒るからな」

「意味分からんわ。さっきは勝手にしといて!」



さあ、ゲームの続きでもしよかな。

そう言うて渋やんは俺の前をスッと横切り一時停止していたゲームを再開する。
うわー。
振り回されすぎな俺が情けない。
このままではダメな気がする。


そう意気込んで渋やんからゲームを取り上げ、触れるだけのキスを送る。
ゲームを取られた渋やんは急な出来事について行くことが出来ず不思議そうにこちらを見てくる。

でもすぐに理解したのか、俺を睨んでゲームを奪い返そうと必死や。



「ヤス、卑怯や!ゲーム中はあかんやろ!」

「でも、渋やんが言うたんやで?お前の人生やねんから好きにしたらええやろ…って」


「……!?」


大きい目が更に開かれて俺を見つめてくる。
俺は勝ち誇ったように笑ってその視線をスルー。


「嫌なやつ」


拗ねたように放たれた一言に俺は苦笑しつつ、また渋やんの隣に腰掛けた。
結局は冒頭のままやけど、少しだけ違うとこもある。


俺と渋やんの距離感がほんの少しだけ縮まり、関係性もまた変わった。




大事なのは、勇気ある一歩を踏み出せるか、どうか。



end
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  1. 2013/08/27(火) 00:02:24|
  2. やすば
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【すれ違いの想い~stay apart~]∞やすば

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あ。
……………渋やん。






"さっき急に安田から電話があった"





…………ブログに書いとる。







………………………






8月8日。
俺たちやエイターの中では大事なエイトの日。

他のメンバーは今頃どんなことしとるんやろか。
ただ「エイトの日やなあ」なんて考えてるだけかもしれん。

それでも、みんなの中で必ず一度は思い浮かべてしまう日やとも思う。

そんな俺もその一人で。
朝起きたらその時からずっとそう思って過ごしとった。



ただ…たぶんやけど、みんなと違うこともある。

俺はエイトの日=関ジャニ∞ってゆうよりは、エイトの日=………渋谷すばるしか浮かばんかった。

これは毎年の事やけど、なんでかこの日になると渋やんの事を想ってしまう。
本人はそこまで大事やとか思ってないかもしれんけど、俺の中で一番と言っていいほど彼が関ジャニ∞を大事にしてる気がするから。

だからかな。
俺の頭の中には1人しか浮かばんかった。



だから……
そんな想いも含めて久しぶりに電話してみたんや。


久しぶりやったしやっぱ緊張はした。
でも、メンバーやし。
電話で緊張するとか今更やし。

そう意気込んで携帯のボタンをゆっくりと押す。

静かな空気の中で流れてるのは呼び出し音。
何コールか鳴ったやろうか。
めっちゃ長く感じた沈黙を破るように「………はい」と掠れた声が耳に届く。



「渋やん?俺やで、わかる?」



わかってるんかな?
何も発してくれない携帯を心配そうに覗き込んでしまった。
そんな事しても意味がないと分かりつつ、少しの不安を胸に次の言葉を待つ。



………ああ。
どうやら俺やって事は分かってるみたいや。



ホッと安心したのもつかの間、なんや様子のおかしい渋やんは黙ったまんまで上の空って感じ。
もしかして、いや、もしかしなくとも寝とったんかな。

携帯越しの渋やんを想像して自然と笑みがこみ上げる。

こんな時間に寝るとか、珍しいんちゃうかな。



そうこうしてるうちに、なんや気まずそうな声が小さく耳に届いた。



「…………ヤス、もうええ?」



ああ。
どうやら沈黙に耐えられなかったみたいや。
確かに俺もこの感じで何を話せばええんかも思いつかん。
相手が他のメンバーやったらこんなに戸惑ったりはせんかったやろ。
でも、それは無理やった。

本音やないって分かってても、渋やんから突き放された感じがして、なんや胸が痛くなってもうた。



あかんなあ。
俺ってこんな弱かったっけ?


バレないように心の中で苦笑する。



「急にごめんな。渋やんにもペースがあるよな」

「いや、別にええんやけど」



なんちゅう空気や。
居た堪れなくなって必死な自分が情けなく思える。


プープープー………



途切れた携帯のディスプレイを見つめると、3分間の通話が表示されていて、その画面にははっきりと8月8日8時11分の文字が浮かんでいる。


俺って女々しいな。
別にわざわざ記念日みたいに電話とかせんでも、次会った時に伝えるかメールとかでも良かったんとちゃうかな。

分かってんのに、どうしても渋やんの声が聞きたかった。
直接、渋やんに伝えたかった。
このエイトの日の8時8分に。


君に、言いたい言葉は山ほどあって、今にも溢れ出しそうなくらい膨れ上がっている。




それやのに、俺は………



「…困らせてもうたかな」



正反対の事して君を振り回すばかり。



伝えたいよ。



締め付けるほどに溢れる
この想いを今すぐ……………君に。




end
  1. 2013/08/26(月) 17:18:47|
  2. やすば
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【不器用な君~telephon~】∞やすば

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突然の電話に、驚いたといえば嘘になる。


うつらうつらと眠気に襲われながらも鳴り響く携帯の着信音へと耳を傾けた。
ゆっくりとした動作で携帯を掴むと、まだ覚醒されていない脳と眼でディスプレイを覗き込む。
そこには懐かしいような恥ずかしいような見覚えのある写真が表示されていて、名前も確かによく知っている写真本人のフルネームだった。





< 安田 章大 >





「…………………」


そこで思考は一時停止。
むくりと起き上がり通話ボタンを押すと携帯越しによく聞き慣れた明るい声が響いている。
まるで他人事のようにその声を聞いたまま、心地よい空間へと促されそのままもう一度夢の世界へと落ちていきそうになる。



「……渋やん?」




あ。
再び現実へと戻されベッドの淵に腰かけて頭をぐしゃぐしゃとかき乱す。



「………はい」




電話の主は俺の声に少し困りながらも笑っていた。


「渋やん、俺やで?分かっとる?」

「…………ん。ヤスやろ」



分かっとるよ。
ちゃんとディスプレイにいつ登録したかも分からん愛犬との写真が映し出されとったから。ついでに名前もちゃんとフルネームで表示されとった。


そこまで考えて少しは覚醒してきた目であたりを見渡す。
もう、こんな時間か。
いつから寝とったんやろ。
時計の針がさす時刻が結構いい時間になっていて、一日は早いなあ、なんて電話とは全く関係のないことを思ってみる。

そう考えてる際もヤスが何か喋っとって、俺は返事しかできてなかった。


「なあ、渋やん。聞いとる?」

「………んー、おう」



ああ。
これはあかんなあ。
自分でもあかんって分かってんのに、なんやろう。あんまり喋る気分になれん。
冷たい返事やなあ、とか。
ちゃんと分かっとるんやで。
でもなんや気分じゃないねん。
寝起きやしかなあ。
それも、もちろんあるんやけど………




「急に電話してもうてごめんな」

「………………」



あかん。
何か返さなあかん。
でも、この言葉に俺はなんて返せばええんやろ。
久しぶりの電話にテンパったとか、そんなこと言うてもええんかな。

ああ、もう。

ヤスの声が少しだけ暗くなった気がして、胸が締め付けられる。
いつも明るい声が、俺のせいで暗なってもうた。
何やってるんやろう。



「いや、ちゃうねん。ヤス……ごめん」

「ええよ!俺も急やったから…」

「…………それは、関係ないよ。急でも仕方ない。ヤスもドラマとか忙しいんやから」



なんやこれ。
こんなんでええんかな。
俺の言葉にヤスは少しだけ黙って、なんや考えとる。

なんやこの沈黙。
耐えられそうにない。





「…………ヤス…?」



何も用がないなら、切ってもええやろか。


こんな冷たいこと、考えたらあかんって分かってんのに俺はどうも酷く冷めた人間のようや。

喋ることもないなら電話する必要とかあるん?って思ってまう。


どっかで、きっとヤスの事やし、用事はあるんやろうなって思っとるんやけど…
なんや、今日はそれを素直に聞いてあげれる包容力が足りんみたいや。




「…………もうええ?」





サラッと。
感情など全てを押し殺した声で放つ一言は携帯越しに跳ね返って響き渡る。
あくまでも沈黙のヤスはその言葉にびくりと肩を震わせたかもしれない。

優しいヤスの明るい声を、俺はそのたった一言で拒否してしまった。






「ヤス、ごめんな」



「ううん。こっちこそ、ごめん。渋やんかってその日のペースがあるもんな!なんか、ほんまごめんな」




無理した明るい声。
痛々しくて聞いていられなくて耳から 離した携帯からはツーツーと終了音が鳴り響く。



頭を抱えてベッドへなだれ込む。
そのまま携帯と睨めっこ。

通話終了の文字が表示されて、そこにはたったの3分しか話してない事も表示されていた。


何をやってるんやろう。



そうして、携帯の表示が日付けに変わるのを見届け、そこで目を丸くする。




「………今日って、そうなんや」





ディスプレイにはしっかりと

8月8日の文字があって、ヤスから電話があった時間は……ちょうど8時8分。









ああ。
ヤスは、これを伝えたかったんやろう。
分かって更に後悔してしまう。
俺は、最低や。
今更あやまっても何にもならん。
8分ってゆうあの時間がヤスにとって大事やったんや。
どうしても俺に伝えたいと思ってくれたんや。


やのに俺は、あんなにも冷たい仕打ちをしてしまった。
怒られても仕方ない。
呆れられてもどうしようもない。


枕に顔を埋めたまま眉を顰める。



エイトの日という大事な時間に俺を思い浮かべてくれたヤスはどんな気持ちやったんやろう。
たくさんのメンバーの中でなんで俺を選んでくれたんやろう。
そんなこと、今更やけど聞きたいなあって思ってしまう。

でも。
あんな切り方しといて掛け直すのもどうかと思ってまうから、俺はホンマにめんどくさい人間や。



この気持ちをどこにぶつければ解消されるんやろうか。

この……憂鬱な想いを。



今すぐにでも君に伝えたいのに。




end


…………………
…………………………続きます。
  1. 2013/08/19(月) 23:13:50|
  2. やすば
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蜂蜜よりも甘い心∞ヒナすば

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「……うおっ…なんや、すばるか」


突然と背中に何かが突進して来たものだから前のめりになってもうた。
原因である人物を目に止めて自然と頬が緩むのは自分でも分かる。


コイツは昔っから唐突に体当たりしてくる癖がある。
寂しかったりとなんや理由はあるみたいやけど、俺はあえてそこに触れたことはない。
たぶんやけど、そういうの詮索されるんは嫌いやと思うから。
コイツの好きなようにさせてやりたいと思ってまう。



「どーした?」
「………別に。なんもないわ」


素っ気ない態度。
こんな様子をヨコにでも見られたらまた怒られてまうな。
何度か"ヒナはすばるに甘すぎんねん"と突っ込まれてもうてるから、また面倒なことになるやろ。

そう思い周りを見渡したけど、あいにく誰も居らんくて俺はまた普段通り甘やかしてしまう。



「嫌なことでもあったんかー?」
「ないわ」
「じゃあ新手の遊びか何かか?」
「ちゃうわ。こんな遊びおもんないやろ」



下向いたまんまやけど笑ってくれた。
その笑顔が愛しくてこっちまで温かい気持ちになれる。
くしゃりと笑ったすばるはホンマかわええ。
俺が言うんやから間違いないで。




「………………すばる」
「…………?」
「お前、かわええ顔しとんな」



は!?とでも言いたそうな顔で眉を寄せて来た。
いや、思ったこと言うてもうただけやねんけど。
そんな驚かれるとは思わんかったな。


「お前…頭おかしなったんとちゃうか?」


不思議そうに目を丸々させて俺を見てくる。
まるで子供が怖い化け物見るように嫌悪感丸出しや。
さすがにそれはアカンで。傷付いたらどうしてくれるんや。



「何言うてんねんお前…」
「思ったからやないか。かわええなあって」
「うわあああっ。やめて」
「なんでや、喜べや」
「いやあ、アカンやろ。ヒナに言われんのはアカンで」


失礼な奴やな。
でも、待てや。俺に言われるのはアカンて、どういうことやねん。


「他のメンバーやったらええんか?ヨコとか…あいつらが褒めたらすばるは嬉しいんやな」
「は!?なんの勘違いやねん。別にヨコに言われても嬉しないわ」
「じゃあヤスとか…他の………」
「だから!!ちゃうやん!」



必死で否定して俺の服を掴んでくるすばるに俺も眉が下がってまう。
ああ、かわええなあって。また思ってもうた。気持ち悪いな、俺。



「…ヒナに言われるとむず痒い」
「は?」
「でも、嬉しない訳やない」

なんやねん、それ。
めっちゃややこしいわ。
結局は嫌とかやなくて嬉しいて事でええんやろか?

俺はすばるの言葉に笑みを浮かべて頭をくしゃくしゃと撫でてやる。



「ほんまかわええなあ!」
「だから可愛ない言うてるやろ!」



手を跳ね除けて怒るすばるは、それでも俺の元から離れようとはせずくっついたまま。
怒ってんのか嬉しいんかどっちやろう。
たぶん後者の方やとは思うけど、これ以上言うたら機嫌悪なりそーやしやめとこ。




可愛いすばる。
甘やかすことは良くないって分かってるけど、こんなもん冷たくあしらうとか出来んやろ。

俺だけやないはずや。
メンバーみんな甘すぎると思う。

でも、それはすばるが得た特権とかいうやつで、俺らがとやかく言うことでもない。
それはヨコも分かっとるんやろう。
すばるに怒ることは滅多にない。


「お前は愛されとんなあ」
「は?誰にやねん、気持ち悪い」

減らず口を。
そう思っても笑ってるすばる見たら突き放せんようなってもうた。


やっぱ俺、甘いな。



自覚したところで治せんのは分かってる。
だからええんや。
これからも全力で甘やかしてやろうと思う。


すばるが寂しくないように、何か合図があればすぐにでも駆け付けてやろう。

そう決めて俺はすばるに笑いかけた。




end
  1. 2013/08/14(水) 00:38:06|
  2. ヒナすば
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「好き」と伝えたい∞やすば

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「好き!」




唐突に言われ思わず固まってしもた。
楽屋で、それも朝からそんなこと言われるとは思ってなかったから、戸惑ってまう。



「……、そう」



唐突で驚きすぎたのか返せた言葉はこの二文字だけ。
自分でも冷たすぎたと思う。
でも朝から唐突に告白されて、何を返せというのか。
しかも同性相手にコイツは何を言うとるんやろう。
なおかつメンバーに対しての言葉でもないやろ。


告白だけして、ヤスは何もなかったかのように背中を向けて大倉に挨拶してしもた。
意味わからんわ。
なに?なんかの罰ゲーム?
もしくはドッキリかなんかか?

バレんようにあたりを見渡したらヨコと目が合ってしまった。


「…いうとくけどドッキリとかちゃうからな」


呆れたように呟かれて思わずバツが悪そうに目を逸らしてしまう。
… ドッキリやないならなんやねん。
まさか本気やとか言わんよな。
やったら返事とか真剣に………



「………………」



…って。
知るか。
俺がここまで悩むことでもないやろ。



「ヤスのことやし本気なんちゃうん?」
「…………は?」


今その話題をなかば強制的に終わらせようとしてたのに、なんで目の前の色白は蒸し返すんやろう。
ちょっとだけイラっとしてしまった自分をおさえて、チラリとヨコを見やる。

そこには嬉しそうに口角をあげるヨコがいた。
何がそんなオモロイねん。


「ないやろ」
「それは分からんやろ。だってヤスやし」

そう言いつつちょっと離れたところにいるヤスを見てヨコは言葉を紡ぐ。


「突拍子もない安田のことやで?」
「……………」
「あんな冗談の方がむしろ言わんと思うけど」



そう言われてしまうとこっちも考えてまう。
確かにヤスの行動は読めへん。
思ったことをそのまんま遂行してしまうような人間や。
ヨコの言い分も分かる。
…………でも!


「このタイミングであの言葉はおかしいやろ!?」
「まあ、そやな。ヤスがおかしい」


うん。
俺は間違ってないはずや。
冷たい返事も仕方なかったんや。
あれ以上何を返せたか。
考えるだけ無駄やろう。
ヨコもさすがにそこは納得してくれたみたいで、俺も少しだけ安心した。


「で?」
「………何が?」
「返事や。もし、あれが本気の告白やとして返事を求められたらすばるはどうすんの?」
「いや………ないやろ」


返事も何も、まずあれが告白やって事実がなかった事になるやろ。
だから返事なんか考えでもええねん。


「だから、もしもの話やって」
「もしもとか無いから。それじたいが無いから大丈夫」

ない。
ないに決まっとる。
やのにヨコは楽しげに俺を見てくる。
ほんま厄介なやつに聞かれてもうた。




「なあ、すばる」
「……なんやねん、気持ち悪い」
「お前さー、満更でもないとか思ってるんちゃうん?」




は?
ありえへん。
ほんまにしょーもない質問すぎて答える気にもなれん。
それでも楽しそうにニヤニヤ笑うものだから俺はイラついて頭をかき乱す。



「いい加減にせぇよ」
「そんな怒らんでもええがな。短気は損気って言うやろ?」
「怒らせてんのはお前やろ、ヨコ」


さすがにヤバイとでも思ったのかヨコはお手上げのポーズでこちらを見てくる。
だから、なんやねん。
そのまま俺は無視して音楽を聴こうとイヤホンをつける。
…………
何も流れてこないイヤホンを耳に、無音という空間でひとり目をつむり考えてしまった。
ヨコの言葉が頭をよぎる。




“ 満更でもないやろ ”




そんなわけ………
ちらりと気づかれぬように元々の原因であるヤスを盗み見る。


「………っ!?」



盗み見たはずやのに、ばっちりと目が合ってしまい気まずい。
咄嗟に逸らした視線がわざとらしくて心がざわつく。
ヤスはまだ見とるやろうか。
逸らされた事に悲しんどるかな。


……悲しんどっても関係ないやろ。


自分の考えに思わず突っ込んでまう。
なんやこれ。


こんなことで悩むのも考えるんも、俺のない頭では重くて難しくて放棄してしまいたくなる。
でも、それが出来んのは相手がヤスやからかな。
そこまで考えてふと固まってしまった。



なんで、ヤスやからって考えとるん、俺。
なんで、ちょっと意識しとったん、俺。

もしこれが、隣にいるヨコからの告白やったら?
俯いたままその問いについて考えてみた。
あかん。
今と全く違う空気で返してる俺がいる。


冗談っぽく笑って「アホ言うてんな」とか、他にもどんな言葉だって返せたはずや。
やのに、ヤスからのたった二文字に俺は何を焦ってるんやろう。


この言葉がヒナからでも、丸からでも、笑って返せたはずやのに。
亮と大倉もあんまり言いそうにはないけど、言われたとしたら「ありがとう」って返せる自信がある。


それで良かったのに。


言われた時に「ありがとう」って言うとけばよかったのに。
なんや心臓が煩くて適わんかった。


ああ、なんや、そういうことか。



「じゃあ俺は先にスタジオ行っとるからな」
「…………おう」


ヨコがハラリと手を振って楽屋をあとにする。
その背中を見送ってヤスと大倉の方をあ見ると、2人も楽屋をあとにするところやった。
そこで俺は後ろを歩いてる小さい方、安田を引き止める。



「……ヤス」



呼ばれたヤスは一瞬だけ固まって、大倉に「ごめん、先行っとって」とひとこと断ると俺へと振り返る。


何とも言えない表情で。



「引き止めてごめんな」

「ううん。大丈夫やで。渋やんこそ、横ちょと行かんで良かったん?」

「別に俺はヨコといっつも一緒やて訳じゃないから大丈夫や」

「そう、やね」


確かに、いっつも一緒な訳ないよね。と言葉を続けたヤスは俯いてしまった。
俺はそんなヤスとは目を合わさずに、零れ落ちるように言葉を紡ぐ。






「好きや、で。俺も」







俺の言葉にバッと顔をあげたヤスはこれでもかってくらい真っ赤で、そんな様子に俺は少しだけ笑ってまう。


「なんちゅー顔しとんねん」

「だって、渋やんが……びっくりするから」


相変わらずわけの分からん日本語でこちらに伝えようとしてくる。
そんな姿も面白い。
でも、そこで楽しんでる時間はあまり無いようで、俺はスッと立ち上がり楽屋を出ようと歩き出す。
そんな俺に慌ててヤスがついてくる。



「な、なあ、渋やん!終わったら一緒に帰ってもええ?」
「ええけど、終わったら飯食いたなるで」
「じゃあ!どっかで一緒に食べようや」


必死で話して来るヤスはイキイキとした顔で、なんやこっちまでテンションあげられてまう。
何がこんな嬉しいんやろか。
そんなヤスを背中に俺は隠れて笑みを零した。






end

こちらからオマケの続きです。





「遅かったやん」
「ん、ゆっくりし過ぎた」

俺とヤスがスタジオ入りして、俺がヨコの隣に腰かけたとき、ヨコは楽しげに声をかけてきた。


「なんやねん。なんかあったとか?」
「別に何でもええやろ」
「え、マジで?返事とかしたったん?お前が?」

ほんまに楽しそうに笑うもんやから、俺はヨコの足をさり気なく踏んでみる。


「いっ!ちょお、踏んどる踏んどる」
「知ってる。黙っとけ」
「おかしいやろ!俺、踏まれて黙っとったらただの変態やんけ」


あー。はいはい。
うるさい隣のはほっといて他のメンバーに目を向けるとヤスと目が合う。
目があった途端にヤスは微笑んでくる。


そんなヤスに「なんの笑顔やねん」と心で突っ込みながらも、周りにバレないように微笑んでやった。
そんな俺にヤスはまた真っ赤で、なんや茹で蛸みたいやなあ、って目を逸らして笑う。




「あー、腹減ったなあ」



今日の夜はいったいどこへ行こうか。
なんや、美味しいものが食べれたらいいな。


そんな些細なことを考えてる今がなんやめっちゃええなあって、仕事に真剣なヤスを見たまま笑みが零れた。



次こそend
  1. 2013/08/12(月) 01:22:29|
  2. やすば
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