FC2ブログ

妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

二人の運命∞やすば

好きだ、と全力で伝えてくれるヤスが愛しかった。
こんな俺のどこがええんかは分からんけど。
でもきっと、そんなことない、て一生懸命に愛してくれるんやろう。
こんな日々がずっと続けばなんて、柄にもなく思った日もあった。
永遠なんて臭いことは言えんけど、それでも信じるのは自由やろ、なんてどっかで願ってたんかもしれん。




けど……

俺らは、結ばれるべきではなかったんやと最近気づいてもうた。



このまま気づかんかったら良かったんや。良かったのに…
気づいてもうたら決断するのに時間はかからんかった。
するべきこと、やるべきことは決まってるのだから。
あとは行動するしかなかった。


大好きな、ヤスのこと、傷つける結果やとしても……
俺にはこうするしかなかったんや。



「ヤス…」
「どうしたん?渋やん。改まって」
「俺らな…」
「………渋、やん?嫌やで。その先は言わんで」


俺の言葉を遮るようにヤスは笑いかける。
やめてくれ。
もう、終わりにせなあかんねんから。

ああ。
俺の気持ちに気付いたヤスの目が伏せられるのと同時に涙がこぼれた。


「…ヤス。ごめんな」
「なんで?嫌や、渋やん。分からん」
「ヤス。あかんねんて。俺らはそうゆうのじゃ、あかんのや」


その涙を、今すぐにでも拭ってやりたいのに。
震える手をだらしなく下ろしたまま、俺は拳に力を入れる。


「いや、や。俺は渋やんが大好きやのに…渋やんは…ちゃうの?」



やめて。やめてくれ。
答えるまでもないやろ。
ヤスから逸らした目がじわりと滲む。


「なあ、渋やん…教えて」
「俺は……」
「俺のこと、もう好きやない?」





「っ…………好き、やないよ」





吐き捨てるように言った言葉が、頭の中をこだまする。
………好き、やない?
そんなわけない。
そんなわけないよ。
好きで、大好きで、苦しいほど愛しくて。
でも、そんな感情とも今日でさよならせなあかん。



「そう、か。渋やんが好きやないならしゃーないな」
「…ヤス。ごめん」
「謝ることやないよ。…渋やん…」



まっすぐ見つめられる目を見ることが出来ずに、ただ唇を噛み締めていた。
ヤスの声が震えているのは、きっと聞き間違いではないやろう。
泣くのも我慢してるに違いない。
俺は、好きな奴に何をさせてるんやろう。



「渋やん」
「…ん」
「俺は、好きでいてもええんかな?」
「………っ…」
「…このまま、渋やんを好きでおってもええ?俺にとって渋やんは誰とも違う大事な人やから……やから…好きでおりたい」



なんで、やろう。
なんで俺らは結ばれたらあかんのやろう。
こんなにもお互いが求めてるのに。
こんなにも高い壁がある。


俺らが何したってゆうんや。
何もしてないやんか。
ただ、人を好きになって、想いあって、2人で歩みたいと思っただけなんや。
2人の将来なんかを想像したりしただけなんや。

みんながごく普通に考える幸せを、求めただけなんや。


やのに、俺らはあかんかった。


ただ
それだけや。



「ヤス。……俺のことなんか想っとっても、しんどいだけやで?」
「ええんや。想ってるだけで幸せなんや」
「そんなことないやろ。辛いに決まっとる!」
「……渋やん」
「あかんねん。もう、忘れな…俺らはあかん」



ふるふる首を振るヤスが儚くて、思わず抱き締めてやりたくなった。
でも、それさえもう叶わない願い。


「ヤス…。バイバイしよ」
「……っいや、や」
「ヤス。さよならや」


「さよなら」と言うことで少しでも楽になれるのなら、俺は迷うことなくその言葉を捧げようと思う。

思ってもいない言葉をヤスに送りたいと。
正反対のこの想いを。
ヤスに届くように。



「バイバイ」




次会う時は、ただのメンバーとして。
いつか笑える日がくると信じて。
今は、今だけは。
ヤスを想い、泣くことを許してほしい。


背中にヤスの泣きじゃくった声を聞きながら、俺は伝う涙に身を任せる。
抗うこともせずに、受け止めたい。
この想いだけは本物だったと。
いつか胸張って言える日がくるまで。



「………バイバイ…」




ヤス。
大好きな愛しい人。



end
スポンサーサイト



  1. 2013/03/30(土) 10:51:04|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

色のある世界∞やすば

いつやったか。
いつからやったか。
俺の心がびりびりに破れてもうて、まっすぐに前を見ることすら億劫になったことがある。

きっと、その日を境にどんどん捻くれてしもて。
俺自身どうしたらええか分からんままやった。

妙子は俺のこと心配してか、頻繁に来てはご飯作ってくれて。
でも、どっかで心が満たされてへんかったんやろうな。
そんな優しささえ踏み躙るようになってしまった。


「……ほっといてくれ」


それだけを放つと夜の街へ飛び出した。
あてもなく彷徨う街は、なんや物凄い眩しくて、俺にとっては広すぎたんやと思う。


どうしたらええか分からん。
何がしたいかも分からん。


東京という街に俺はたった一人で、前からくるもの全てを敵だと捉え、構えて威嚇していた。


そんな全てを遮っていた日々に、色を与えたのは俺の世界では初めて出会うような、奇妙でカラフルな人間だった。


「なあ、渋やん。買い物いかへん?」


人懐っこいその人間は安田章大という。
毎日、色とりどりのファッションで自分という個性を大事にしている一風変わった奴やった。
でも、そんなヤスだからこそ俺は少しずつだが心を開けたのかもしれない。

いくら断ろうとも、諦めもせずに誘ってくれるその姿勢が俺にとっては嬉しかった。

「今日は?あー、無理なら明日でもええけど」
「俺に合わせんでもええやん。買い物くらい勝手に行けや」

つれないなあ。
微笑んで呟いたヤスは変わってる。
こんな俺なんかほっとけばええのに。
面倒なだけやろ。
ほんま、変な奴。

「なんやねん、お前」
「えー?何がやねんなあ。俺は渋やんと買い物行きたいだけやんか」
「趣味悪いやろ?」
「そうかなあ?あ、俺のファッションは変わってるてよう言われるけどな!全く気にしとらんけど」

あかん。話しの通じひん奴や。
けど、なんでやろうな。
自然と笑えてる俺がここにおる。
あんなに嫌やった景色さえ、こいつと居ったら色がついて鮮やかになる。
変な奴やけど、凄い奴や。


「渋やん、いつやったら遊んでくれるんよ?」
「……別にええよ」
「え?…なんて?」


びっくりした顔で見つめてくるヤスが面白くて、俺は思わず笑ってしまった。


「だから、今日でええよ。買い物行くんやろ?」
「ほ、ほんまに!?ええの?」
「行きたいんちゃうんか?」
「えー、もうめっちゃ行きたい!」

やったあ!
そう叫んだヤスはクルリと一回転して俺に満面の笑みを見せてくる。
そんなヤスに俺も苦笑するばかりで、ほんのちょっとだけ心が軽くなった気がした。
すると、ヤスは俺の顔をジッと見つめて不思議そうに首を傾げる。


「渋やん、笑ったらめっちゃ可愛いんやな」
「は?」
「どうしよー!渋やんほんまに可愛いやん!もっと笑って!笑った方がええよー!!」
「アホか!んな気持ち悪いこと言われて笑いたないわ」


頭を叩いてそっぽ向く。
それでもキラキラと輝いたヤスの眼差しは俺を捉えて離さない。


「えー、いいやんか。ケチ。もったいなー」
「お前なんやねん。喧嘩売っとるんか?」
「ふーん。別にええけど。また笑わせたらええだけやしな」


諦めたのかと思いきや意味の分からない誓いを宣言していく始末。
俺はもう二度と笑ってやるもんか、とこっちはこっちで意地をはってまう。

でも、
前を歩くヤスを見て思う。
俺を救ってくれたのは他の誰でもないヤスという人間で、今ここに存在できてることもヤスのおかげやと思う。


何もない、何もいらない人生という道に色を与えてくれた。
真っ黒になりかけてた心を拭ってくれた。
眩しくて、暖かいヤスという存在。


俺にとって、これからもずっと大事にしていたい存在。
いつかもしヤスが同じように壁にぶち当たった時は、今度は俺が助けてあげれるように。
俺はヤスの、ヤスは俺の傍に居ればいいと思う。


「渋やん、早よいこーっ」
「慌てんでも時間はたっぷりあるやろ」
「明日も一緒に遊べるん?」
「ん。しゃーないからな。これからはずっと遊んだるわ」


嬉しそうに笑うヤスを見て、ただ、俺はそう思ったんや。
こいつの傍に居りたい、と。


end
  1. 2013/03/29(金) 02:33:54|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ずっと一緒に∞やすば

「なあ、渋やん。今日終わったらご飯行くやろー?」


当たり前のように俺は渋やんを誘う。
いつも、仕事が終われば俺と渋やんはご飯行ったり映画見たりと、それが日常になってたから。
今日もいつも通りの流れやと思ってた。


「あー、今日はあかんねん。悪いな」
「……そ、そうなんや。いや、ええねん。用事あるんやったらしゃーないし」


なんや。
今日はちゃうみたいや。
残念やけど、たまにはしゃーないもんな。
…にしても、何の用事なんやろ?
気にするとか女々しすぎるかもしれんけど、それもしゃーないやろ?
そんだけ渋やんのこと好きやねんから。
どんなことでも知りたいと思うんが普通や。



「…渋や」


「すばる。お前まだやったんか?先行っとくで」
「ん。行っててー」


俺の声を遮るように横ちょが顔を覗かせて渋やんに声を掛ける。
そんな横ちょに渋やんは嬉しそうに返していた。

そうか。
今日の相手は横ちょなんや。


「…ヤス?なんや、言いかけてたやろ?なんやった?」
「ううん。なんもないよ。渋やん、いってらっしゃい」


俺もまた笑顔で返す。
ちゃんと笑えてたかな?
そんな俺の顔をジッと見て、渋やんはすぐに目をそらした。
なんか、その仕草が意味深で、俺もちょっとの間見つめてしまってた。


「変なヤス…」
「変てなんやねん」
「変な顔しとる。気づいとらんやろ?」

は?
何が変な顔やねん。
失礼すぎるやろ。
俺の顔に指差して微笑む渋やんにちょっとだけ腹立つ。


「…横ちょ、待っとるんやろ?早よ行った方がええんちゃう?」



思わず出た言葉がキツくて、俺自身がびっくりしてもうた。
でも、渋やんはなんや凄い優しくて、俺の頭にポンポンて手を置いて笑ってくれる。
そんな渋やんに俺はまた情けなくて俯いてしまう。


「じゃあ、また明日な、ヤス」
「う、ん。また明日!」


笑って去って行く渋やんの背中を俺は名残惜しそうに見送る。
あー。
行ってしもた。
ひらひらと振っていた手をおろし、はあ、とため息をつく。

俺も帰ろ。




途中まで大倉と丸と一緒に帰ってわいわいしとったけど、やっぱ1人になると思い出してまう。
まあ、三人でいても忘れることはなかったんやけど。

今頃、渋やんは横ちょと楽しんでるんかなあ?
そう思うと、いいなあ、って。
横ちょのこと羨ましいて思ってしまう。

いつもは俺やねんから、たった一日くらい仕方ない事は分かってるんや。
でも、毎日でも一緒に居りたいと思っとる俺からしたら、たった一日さえも大事なんやで。



そうこうしてるうちに俺はもう布団の中。
帰って、気晴らしにとギター触ったり、作詞したりしとったけど…
よく考えたらどの作業も渋やんのことばっか思い出してまうから結局捗らずやめてもうた。

そっから何もすることなくて、寝よう、と布団に潜り込む。

「あかん。早すぎる」

でも、もともとあまり睡眠をとる方ではない俺は寝られる訳もなく、天井見たままボーっとするしかなかった。



渋やん、何しとるんかなあ。
きっと楽しいんやろなあ。
あの2人ほんま仲ええもんなあ。

あー。俺何しとるんやろ。


情けない。
気づいたら携帯のメール画面開いてて、自分でも呆れてしまう。
何を送ろうとしてるんやろ。
それに、返事来んかったら嫌やんか。

そうこう試行錯誤して、メール画面を閉じようとした時……


……プルルル…プルルル


「うあ!?え…」


…渋やん?
置いたはずの携帯が鳴ったものだから急いで画面を見ると、思いもよらぬ人からの電話でびっくしてもうた。

びっくりした勢いで通話ボタンを押し、全く今の雰囲気と違う元気な声で出てしまった。


「も、もしもし!」


すると、電話の向こうからは渋やんの楽しそうな笑い声が聞こえて来て、俺はちょっとだけホッとする。


『なんやねん。めっちゃ元気やんか』
「し、渋やん!どうしたん?なんかあった?」

急にかかってきた電話に俺は慌ててもうて、何の心配しとるんか分からん。
ただ、何か無いと渋やんがわざわざ電話なんかして来んやろうと思っとったから……
思わず心配してもうた。


『なんもないよ。電話しただけやー』
「そ、うなんや。なんか、珍しいな」
『そうか?あー、かもなあ。俺からヤスには掛けんからな』


なんか、普通や。
至って普通のテンションで電話してくるもんやから、俺も普通に話してまう。
いや、まあ、それが普通なんやけど。


『ヤスー?何しとったん?』
「俺は、別に何もしとらんよ。寝よかなあ、て」
『今日はえらい早よ寝るんやな。暇やったんか?』
「えー、まあ、すること無いからな」

そうか。
そう呟いた渋やんにちょっとだけ沈黙が続く。
なんや言いたそうな雰囲気で、俺は思わずその空気を遮ろうとしてしまう。



「渋やん?ほんまにどうしたんよ?」
『………なあ、ヤス…』
「な、に?急に改まって…」


ちょっとドキドキしてもうた。
だって、渋やんの声が真剣で、いつもよりも低く感じてもうたから。


『…ヤス?』
「だから、なん?」


『あんなあ………俺、おらんくて寂しかった?』



吐き出された言葉に俺は詰まってしまう。
ゆっくりとした口調なのに、頭の中に響いてしゃーない。
さすがは渋やんの声やわ。
俺の脳内を刺激するんには十分や。

それにしても…
渋やん、どうしたんやろ。

なんで急にそんなこと言うん?
俺、なんか変なことしたんかな?


「…渋やん?」
『何言うてるんやろな、俺。自分でも分からん』
「渋やん、どこおる?」
『…え?どこって…』


なんやろう。
渋やんに会わなあかん気がする。
俺もよく分からんけど。
渋やんのそんな声聞いとったら、どうせ寝れる気もせんし…渋やんに会いたいと思ってしもた。


「どこ?近くおる?まだ外なんやろ?」
『ん。いつもの公園おるけど…』
「公園?…今から行くから、渋やん待ってられる?」


は?
電話越しにはっきりと疑問を示す渋やんを無視して上着を羽織る。
もう春になるいうてもまだまだ夜は肌寒くて、余計に渋やんが心配になってまう。
上着だけ羽織って靴もかかと踏んだまま家を飛び出した。
携帯からは渋やんの声が響いたままで。

『おい、ヤス?どういうことなん?』
「ええから。あと5分だけ我慢して」


それだけを伝えて運転する為に通話を切る。
俺は、何がしたいかなんて分かってない。ただ…渋やんに会いたいと思ってしまったから、今向かってるだけなんや。
他に理由なんて何もない。

知らん奴が見たら、俺を笑うかもしれん。
でも俺はそれでもいい。
渋やんが一人で、なんや考えてる時は、俺が傍に居りたいだけや。
俺の勝手なんや。
そんなもん、ただの俺のワガママやいうことも分かってる。



「渋やん!!」
「……ヤス。お前、アホやん」

車停めて、公園のブランコに座る渋やんに駆け寄る。
呆れた顔して笑う渋やんに俺も思わず笑みが零れた。


「来ちゃった」
「なんでやねん。わざわざ寝ようとしてた奴が来ーへんやろ、普通」
「それでも、渋やんに…会いたなってもた」



俺の言葉に渋やんは目を丸くする。
大きい目が更に大きなって、分かりやすい態度に俺は胸が締め付けられる。


「アホや。会いたいんやったら、来いとか…言えばええのに」
「そんなん、俺が会いたいのに渋やんに無理させる訳にいかへんやろ。俺の勝手やねんから」
「……無理とか、ちゃうよ。俺かて、会いたい思て電話したんや」


渋やんの思わぬ言葉に今度は俺の目が丸くなってしまった。
空いた口も塞がりそうにない。
まさか渋やんがこんなにも素直に言ってくれるなんて、俺はなんて幸せもんなんや。


「うわー、もう渋やん可愛すぎるわ」
「はあ、ないわ。お前に言われたない」
「ほんま可愛い。会えて良かった」


ギューっと抱き締めた身体が冷たくて、いったいいつからこんなとこにいたのか不思議に思った。
そういえば、電話してた時にはここにいたんよな?
やったら渋やんていつから外にいたん?


「渋やん冷たすぎる!風邪ひいたらどうすんの?」
「やって、ヤスになかなか電話出来んかってんもん」
「…え?俺に?なんでよ。そんなんいつでも掛けてくれたらええんやで」

「だって…俺めっちゃ勝手やんか。…ヨコと帰っといて、ヤスに会いたなるとか…最悪やんか」



言いにくそうに話す渋やんは俯いてしまって顔が伺えない。
でも、俺は渋やんのそんな本音が嬉しくて顔が綻んでまう。


「渋やん。俺、めっちゃ嬉しい」
「なんで…?」
「渋やんが、横ちょと帰るて言うた時は正直あんまいい気分やなかった。渋やんは俺のやーって言いたかった。でも、そんな中でも俺を求めてくれたんやろ?…俺、最高やんか!」

抱き締めた腕に力を込める。
腕の中で渋やんはちょっとずつ俺を見上げて来る。そんな目が可愛くて、俺はたまらずおでこにキスを落とす。

俺の行動にびっくりしたのか、恥ずかしいのか、渋やんは慌てて俯いてもうた。残念。
でも、腕の中から逃げない渋やんに俺は心から安心した。


「渋やん。帰ろっか?外は寒いしな」
「…ん」
「どうした?帰りたないの?」

返事はするものの、なかなか動かない渋やんに俺は首をかしげて微笑む。
渋やんの一挙一動が可愛くて、俺は振り回されてばっかりや。

「ちゃうよ、渋やん。一緒に俺ん家に帰ろ、ってことやで?」
「ヤスん家?」
「そう。だから今日はずっと一緒におれる。こんな渋やん1人で家になんか帰されへんよ」


な?
そう言って笑うと、渋やんもクシャリと笑ってくれた。
いつもの嬉しそうな笑顔に俺まで心が柔らかくなる。


「今日は一緒に寝よなあ?渋やん」
「それは嫌や。ヤスとは離れて寝る」
「え?なんそれ?ひどくない?」
「…ははっ!なんちゅー顔しとんねん」
「いや、だって渋やんが意味わからんこと言うから」
「分からんくないわ。お前が悪いねん。いっつもいっつも!」

まあ、それは、認めるけど。
しゃーないってことも分かってほしい。


「帰ろう、渋やん」


重なる手が冷たいけれど、心はあったかくて、俺の後ろをついて来る渋やんを背中に感じながら微笑む。

「ん。早よ帰る」

静かに歩幅を合わせて、車までの道のりをゆっくり散歩する。
こんな些細なことが幸せで、俺は今日一日思ってたこともちっぽけに思えてしまう。

渋やんはほんまに凄いなあ。

渋やんが凄いのか、俺の気持ちが振り回されすぎなんかは分からんけど。
俺がほんまに渋やんのこと好きなんやってことは分かってほしい。
渋やんが思ってるよりもずっと、ずっと深いとこで、俺は渋やんを愛してる。


だから、
他の人と仲良くするんは良いけど
俺のこともちゃんと構って。
じゃないと、俺はすぐに拗ねてまうから。
渋やんがおらな、何も手につかんくなるから。
だから…
用事もなんもない時は、俺の隣にいてほしい。俺の傍におってほしい。

なあ、渋やん。
俺は渋やんのこととなると、めっちゃワガママみたいや。
独占欲もこんな強かったんやな。
知らんかった俺がいっぱい現れる。


それでも、俺のこと好きでいてくれる?


こんな質問を、いつか聞けたその時は、いつもの笑顔で頷いてほしい。
好きや、って変わらず言ってほしい。

ワガママな俺をもっと愛して。
なあ、渋やん。



end
  1. 2013/03/28(木) 03:21:17|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

Only One ∞やすば

【一番とは言わへんけど、何番目かでいいから……愛してください】





「うわああ。あかん」

思い出したくないセリフをさっきから何度も反復してしまってる。
突然叫んだ俺に隣の大倉は、目だけで「なんやねん」と訴えかけてくる。


「どーしよー。俺、あんなこと言うつもりなかったのに…」
「あーもー、何回目やねん。もー、言ってしまったんはしゃーないやろ」
「えー。冷たいわあ。あれで俺と渋やんが気まずなったらどうしてくれるん!?」


知らんわ。
呆気なくそう言われて俺は頭を抱えてしまう。
そう。
俺はとんでもない失態をおかしてしまった。

ウインクキラーで負けて、俺は渋やんに手紙を読むことになった。
初めは緊張して、うまく言葉に出来んまま四苦八苦してたけど、話すに連れて気持ちが昂ぶってしまい…最後は、我を忘れて本音ぶちまけてもうた。

最悪や。
あれから俺らは何も話してない。
正気に戻った俺は、気まずくて渋やんと目さえ合わせられん。
俺が、最悪や。


「ほんま、どうしたらええんやろ」
「どうもこうも…普通に接したらええんちゃうの?」


なんやかんや言いながら聞いてくれる大倉は意外と優しい奴や。
めんどくさがりやし、嫌々かもしれんけど、さっきからずっと傍で話だけは聞いてくれとる。
俺も今はそれだけが救いで、ひたすら大倉に曝け出してる状態。



「でもさあ。ヤスがすばるくんの事想ってるんは、正直みんな分かってたやろ?今更やで、そんなこと」
「……え?…えええっ!?そうなん?」


びっくりした。
大倉の言葉に俺は言葉が詰まってまう。なんで…なんで、みんな俺の気持ち知ってるん?
だからみんなはそこまで驚かんかったんか?
え、じゃあもしかして。
渋やんも気づいとった…?
それって、なおさら気まずいんとちゃうの?


「いや、だってヤス分かりやすいやん。いっつもすばるくん贔屓やしさー」
「そんなことないよ!俺は、みんな平等に……」
「それこそ、おかしいわ。ヤスは気づいてないんかもしれんけど、すばるくんにだけはめっちゃ優しいで?自分」


嘘やん。
俺そんな分かりやすいん?
はじめて知ったわ。
真面目に話す大倉に、俺は空いた口が塞がらない。ぽかーんて、アホみたいに大倉を見つめてしまってた。


「気づいてないのは、ヤスだけやと思うよ」
「………マジか」


マジのやつや。
大倉の顔見とったら冗談に思えんくて、じたいが更に悪化した気がする。
なんや混乱招いてしまったんか?
どうしよう。
悩みの種が増えてしまったやんか。


そうこうしてるうちに大倉は、お腹すいたあー、とか呟きながら楽屋を去って行く。
去り際に、おつかれーすばるくん、とかいう声も聞こえたものだから、俺は慌てて座り直す。


やばい。怖い。
心臓が早すぎて死んでしまいそうや。


ちらりと視線をあげると、渋やんは何事もなかったかのように自分の定位置へと座る。
いつもと何ら変わりない様子。
あれ?、と思いつつも、いつも通りな渋やんにホッとする。
ホッとしてる。けど、それはそれで寂しいとも思ってしまう。
なんて欲張りで、なんて我儘なんやろう。



「……あ、渋やん。おつかれ」
「おー、おつかれ。もう楽屋おったんやな」


普通や。
めっちゃ普通に接してる。
やっぱ、大倉が言うように、俺の考えすぎやったんかな?


「ん、うん。たまにはな、俺が早い日もあるんやで」
「ふーん。まあ、ええけど」


興味なさそうやなあ。
まあ、そんなとこもいつも通りで、喜んでええのか困ってまうけど、気まずいよりはええんかな。
そう思ってたのに………


「なあ、ヤス?…俺、お前に冷たいか?」
「うえ!?え……何、急に?どうしたんよ」

いやいや。
脈絡なさすぎて焦ってしもた。
なんか俺、渋やん困らせるようなこと言うたっけ?いや、言うたけど!
それが原因なんかな?


「いや、ウインクキラーの手紙。俺なんか冷たかったかなあ、思て」
「いや!まったく!渋やんは優しいよ!冷たいなんか思ったことない!」


やっぱ原因あれやんか!
気にしとったやんか!
俺は慌てて渋やんに否定する。
そんなことない、って心から伝えようと必死になってしまった。



「そうか。冷たないならええんや」
「……ん。大丈夫やで」
「あー、あとな。服もな、ちゃんと店員さんと喋れるようなったんやで。だからな、心配いらんよ」



そう、なんやな。
もう俺が心配せんでも、渋やんは勝手に成長していってるんやな。
そりゃそうや。
俺かて、こうして日々成長してる。
その分渋やんだって同じや。
俺が居らんくても一緒なんや。
そっか。
なんや、嬉しい事なんやけどヘコんでまいそうや。



「それと………お前が言うなら、俺はこのまま自由にさせてもらう。殻に籠らんとな。俺らしいやり方で突っ走りたいと思ってる」
「うん。そうや。渋やんの生き様、俺にも見せてーや。自由にのびのびと生きたらええんやから。俺らはそんな渋やんについて行くだけやで」
「…分かってる。もう、昔の俺とはちゃうからな」



知ってるよ。
もう、1人でもがむしゃらに人生楽しむんやろうな、って俺は気づいてるから。


「ヤスはほんま俺のこと分かってくれてんなって、改めて思えた」
「そう、かな?」
「………でも、一つだけ違うんや」



二人とも、一瞬空気が止まったような気がした。
お互いにお互いを探り合うみたいに、緊迫とした空気にのまれていく。
嫌やな。なんかこの空気感は耐えられる気がせん。


「なんか、間違っとった?」


渋やんのことで間違えることなんかないはずや。そんだけ渋やんばっか見てるてことやけど。
でも、真面目に話す渋やんを茶化すわけにもいかず、俺もまた真剣に渋やんを見つめてまう。



「………何番目かに、愛してほしい。ってなんやねん」
「……あ。いや、ええねん!あれは、つい…」
「つい、ってことは本音やろ?なあ、やったらさ。ヤスは…何番目とかでええの?」



は?
あー、待って。
理解するのにちょっと時間かかるかな。



「………いや。だって、現に俺は一番やないもん。渋やんの気持ちくらい分かるよ」
「だからー。間違っとるんやって。何回言わすねん」


ごめん。
思わず謝ってしまったのは、あまりにも渋やんが真剣やったから。


「あーーっ!ここまで言うたら分かるやろ!」
「なんやねん、それ。分からんわ」
「声に…出すんは最初で最後やからな!」
「う、うん。なんかそれ、めっちゃ緊張するんやけど…」


そう話して俺は耳を渋やんへ傾ける。
耳を済まして、渋やんの声をひとつひとつ拾っていく。


「俺は……何番目、とかじゃなくて……一番にヤスのこと愛してるで」



………………。う、ん?


「だから、その、あれやん」
「いや。ごめん、あれって何?この状況ではよく分からん!」
「そこは分かってくれよ!ああ、もう、どう言うたら伝わんねん!なんやねん、お前っ」


なんや知らんけど渋やんに怒られてる。でも…なんでやろ。
怒られてんのにニヤける。
あかんて。
しまいに怒鳴られてまうで、俺。


「あの手紙の最後。お前が何を勘違いしとるんか知らんけど、勝手に俺の気持ち決めんなや…」
「……そや、な、渋やんに直接なんも聞いとらんかったわ」


確かに言われてみればそうや。
渋やんに何の確認も取らんと、俺は一番目やないって思っとった。
でも、それって、さ。
そう思わしたんは渋やんやねんで?
俺はいつでもどんな時でも渋やん優先で、正直、気持ち悪いくらい渋やんのこと好きやった。

でも、渋やんは別に俺優先って訳やない。
むしろ、横ちょと一緒におる方が多いし、なんてゆうか、上三人でわいわいしとる時の方が楽しそうに見えてまうんや。

そりゃあ、そんな光景ずっと見とったら勘違いもするやろ。
俺だけが悪いんやない。



「また。何をいらん事考えとんねん」

コツンとおでこを小突かれる。
その衝撃に渋やんを見上げると、なんとも言えない困った顔で笑っていた。


困らせるつもりはなかったのに…



「なんやねん」
「別に、何もあれへんよ」
「ヤスは、すぐ自分の世界に入り込む癖あるよな?ヤスワールド」
「…なんそれ?」
「勝手に妄想して、勝手に落ち込んだりしとる。意味分からんで」


呆れ口調で言われてまた落ち込む。
…って、これのことか。
言われて気づく事ばっかやな。
俺、ポジティブな方やと思っとったんやけど、渋やんの事となるとちゃうみたいや。


「ほら、また。…なあ?どうやったら俺のこと信じてくれるん?」
「信じてるよ。渋やんのこと疑うわけないやん」
「どうやろ?俺がヤスのこと一番好きやってことは疑っとるやろ?」
「そ、れは……だって…ないやろ?」


ない、って。
それこそ渋やんの勘違いやって。
優しさ故の同情みたいなもんちゃうの?俺そんなんは嫌や。
そんな渋やん嫌や。


「……あーーーあ。やっぱ、あかんやん。ヤス?お前ふざけすぎやで」
「は?俺なんもしてないやん」
「俺のこと、どんだけ傷つけたいねん。もうええよ。勝手にせえ」


ちゃうやん。
なんで怒ってるん?
俺が悲しいはずやろ。
なんで渋やんが傷つくん?
もう、ほんま意味分からん。
俺のことが一番とか………なんやねん。ないに決まっとる。
そんな夢みたいな話あるわけない。
実際あったとしてもそれは夢や。
だから、渋やんが傷つくわけない。

傷つく…わけない。
そう思ったのに、渋やんの横顔見たらめっちゃ胸が苦しなった。


「なんやねん、渋やん。そんな顔は卑怯や」
「…ほっとけ。俺かて傷つく言うたやろ?落ち込む時だってあるんや」


落ち込む、って。
なんで渋やんが泣きそうやねんな。

ウインクキラーで本音ぶちまけてもうて、どうしようて悩んどったら、渋やんが俺も好きやとか言うてきた。
そんで、そんなこと信じられん、て言うたら喧嘩みたいなん始まって…今は俺が悪いみたいになっとるけど。

………。
俺は別に…なんも………なんも…


………してなくは、ないんかな。
渋やんの顔見てたら、俺があかん気がしてきた。


…やったら…渋やんのその言葉、信じても、ええんかな。




「………渋やん」
「なんやねん」
「俺は渋やんのことほんまに好きやで?」
「伝わっとるよ。物凄い大きい愛がな」
「言わんでええよ。恥ずかしいやろ。…で、俺が、好きやから信じたいと思う事にする」
「うん」
「……信じても、傷つかんかなあ?」


渋やんからちょっとだけ目を逸らしてまう。
答えだけをただ、流れる沈黙の中聞こうと耳を済ましてみる。


「…つかんよ。俺は、好きな奴傷つけるほどアホやない」



ああ。
ほんまに俺のこと、想ってくれとったんや。
なんで今まで気づかんかったんやろ。
こんな遠回りして、自分たちはお互いを求め合ってたんや。


「ウインクキラーであんな手紙読まれて、俺はどうしたらええんやろ、ってずっと考えてた」
「……渋やん、ごめん」
「謝らんでええよ。そんなん、俺も謝らなあかん。……何番目とか言わせてごめん」


渋やんにギュッと抱き締められて、俺のずっと言えなかった気持ちが溢れ出してくる。
一番やなくてもええって、何番目かでも、例えメンバーとしてでも、俺は渋やんから少しでも想ってもらえたら幸せやと思ってた。

でも、今2人が分かり合えて違ったんや、って分かる。



「嬉しい、渋やん。俺、ずっと片思いやと思っとったから…夢みたいや」
「なん、それ?夢やないよ。…ちゃんとヤスのこと愛してるから」


ソッと囁かれた言葉に顔が熱くなる。
何気ない言葉も渋やんにかかれば、とんでもない言葉に変わってまう。
受け取る側が俺やから、余計かもしれんけど。


「…ヤスは?」
「な、何が?」
「俺のこと、ちゃんと好き?」
「もちろん、好きや。ほんまに。めっちゃ愛してる」


俺の言葉が真っ直ぐすぎたのか、渋やんは笑顔のまま頬を赤らめてもうた。
恥ずかしいんや。
自分はサラッと言うくせに、言われたら恥ずかしいとか可愛すぎるやろ。


「渋やん。好きやで。これからも、俺のこと一番目に好きでおってな」
「…一番目ってゆうよりは、お前だけ、ってのが正しいけどな。メンバーへの好きとヤスへの好きはまた違う」
「そ、っか。そうやな。俺もこんな気持ちは渋やんにだけや」



そんな俺に、渋やんはコクンと頷くと俺を見上げてくる。
大きい目が潤んでて、ああ、めっちゃ勇気出してくれたんやなあ、ってしみじみ感じてしもた。


だから今度は、俺が渋やんをギュッと抱きしめよう。
もう二度と離さないように、離れないように。




end
  1. 2013/03/27(水) 10:00:16|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

魔性の男∞亮すば

分からん。


みんながみんな、あの人のこと大好きです、って全面に出してんのに。
そんな感情まったく汲み取りもせずあの人はいつでも自由に過ごしてる。

そして、今日もまた笑顔で、みんなを翻弄してしまう。


……ああ、ほんまに
……苦手や。




「おーい、亮?」
「なんや、章ちゃんか。誰かと思った」
「なんやとは失礼な。…でも、いつもの亮で安心したわ」


微笑む章ちゃんに俺は怪訝な顔をする。そんな俺に呆れてまた笑う章ちゃん。


「なんや、元気ないんかなあ、思ったんやけど。普通やったなあ」
「普通やったら悪いんか?」
「悪ないよ。普通の方がええわ。その方がみんな安心する」


みんな?
みんなて、誰がそんなこと思うねん。
章ちゃんは優しいからそうやって気遣いながら俺の機嫌とか伺ってくれるんやろ?
でも他はちゃうよ。
優しいのは優しいし、俺もみんなのことは大好きやけど、いちいち干渉し合うような仲ではない。
それは俺の性格も問題やってのは分かってるつもりやし、俺も構ってほしいとかは思ってないから。


でも。


「みんな?」


気になるのは気になるみたいで。
一応な。念のために聞いてみようと好奇心から思ってしまった。


「ん?あー、さっきもな。渋やんが、なんや亮元気ないんとちゃうか?、って気にしとってん。だからな…」

「……へぇ。すばるくんが…」

「って、ちゃんと聞いとるん?」


聞いとるよ。
ちゃんと、すばるくんが気にしてくれた、って事は頭の中に残ってもうたよ。

なんでやねん。
いつも俺の事そんな好きじゃないみたいな態度とってるくせに、そういう事だけは敏感なん止めてや。
どうしたらええか分からんくなる。


「亮?やっぱなんか疲れとるんか?」
「なんでもない。…ちょっと寝不足なだけや」


誤魔化して何とか席を立つ。
心配そうな章ちゃんに、ごめん、と一言。笑顔は作れたから変には思われへんと思うけど。

席を立ち、楽屋を後にしようと視線をあげたら、目の前に座っていたすばるくんと合ってしまった。

なんや。
章ちゃんから変なこと聞いたせいか、俺自身がものすごい気まずい。

でも、逸らす訳にもいかなくて
そのまま歩き出したら
すばるくんはフワリと俺に微笑みかける。

「……………」


その笑顔は、反則や。
ほんまに、メンバーだけの特権やと思う。
あんな笑顔なかなか見られん。
でも、本人に自覚がないから困り者やねん。


ああ。
今日もまた、あの人に俺は翻弄される。
たった一度の笑顔で、縛られたように心が締め付けられてしまう。
それはもう妖艶な呪縛のように。




………ああ。
ほんまに…


「……苦手や」


苦笑した俺は、気づかれないよう楽屋を後にした。



end
魔性の男、渋谷すばる。
  1. 2013/03/25(月) 02:45:17|
  2. 亮すば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ふたりの時間∞横すば

なんやろなあ。
こういうのなんて言うんやろ。
喋らんでもいい関係。
あかん、俺アホやから何も浮かばへん。
でも分かることもある。
こいつとやったら何時間でも、何日でも一緒におれんねんなあ、って。



「すばるー」
「ん?」
「あれとってー」
「……ん」
「おー、ありがとう」

なんで分かるんやろ。
自分でも不思議やねんけど、ヨコのことなら誰より分かってると思う。
でもな、たぶんな…


「なあ、ヨコ?」
「なん?」
「あの、あれや。あれ。昨日なあ」
「あー。大丈夫、気にしとらんよ」
「そっか。なら良かった」


なんや。気にしとったんか?
そう笑いながら俺の頭にポンと手を乗せてくるヨコ。
そんなヨコを伺いながら思う。
やっぱり、ヨコもや。
ヨコも俺が全部を話さんでも理解してくれる。
俺だけやない。
ヨコも同じなんや。

なんや。
なんか。
そういうの嬉しいな。
阿吽の呼吸とか言うんかな?
あかん。難しい言葉はあんま使われへんけど、嬉しいことに変わりないわ。


「何?なんか嬉しそうやん、すばる」
「え?…んなことないわ」
「なんで焦ったん?変なこと考えとる?」

なんやねん、変なことて。
俺がいくら変態やからって、いっつも考えとる訳ないやろ。アホか。


「なんでもええやろ」
「ふーん。ええけど?すばるが嬉しそうやと、なんか俺まで嬉しいな」


な、にを言うとんねん!
思わずヨコの顔を見てしまった。
見て、ほんまに嬉しそうな顔で笑うもんやからこっちが恥ずかしくなってしまう。ほんまアホや。


「アホやん。なんちゅー顔しとんねん」
「え?俺、顔出てた?うわー恥ずかしいな!」
「出まくりや!早よ、そのだらしない顔なんとかせえ」
「だらしないってヒドいわー」


恥ずかしくて顔が見れん。
ヨコがアホやから悪いんやで?
俺ばっかこんな振り回されて、納得いかん。なんやねん。


「あーーっ、もう!」
「はあ?何を急に叫んどんねん。びっくりするわ」
「叫びたくもなるわ!この天然横山!」
「天然は俺やないやろ。ヒナやろ」
「普通に返してんな!」


なんやねん、このやりとり。
しょーもないわ。
………
………
……でも。


「わからん!」
「それこそ分からんわ!」


こんな意味のない時間が楽しいてしゃーない。
俺はヨコとおる時間が幸せや。
隣にヨコがいて、ただ何も喋らんと黙って音楽だけ流して。
いく宛も特になくドライブとかして。
たまに喋ったと思ったら、こんなたわいないやり取りで。

他の奴から見たら面白くもなんともない、無駄な時間に値するかもしれん。

でも、俺にとってはめちゃくちゃ貴重で大事なんや。
それは、たぶん。
隣におるヨコも同じで。
お互いが同じこと思いながら一緒におるから、沈黙さえも心地よく思えるんやろう。
同じ想いを抱えるヨコやから、俺のことも分かってくれるんやろう。



「ヨコ……」
「ん?」

「いつも、ありがとうな」


俺の言葉に目を丸くするヨコが面白い。
俺はそんなヨコを見て思わず指差して笑ってしまう。

「なんやねん、ヨコ!その顔!」
「はあ?お前が急に変なこと言うからやろ!改まって何言うとんねん!」
「ははっ!いや、改まってやないと言われへんやん」


まあ、そりゃそうやけど。
ヨコはそう呟いて俯いてしまった。
なんや?恥ずかしいんか?
咄嗟に茶化してやろうとヨコが顔あげるん待っとったら、急にヨコが真剣な顔で……


「愛してるで、すばる」



なんて言うもんだから、思考停止。
さすがの俺もすべての時が止まってしまって、どう返していいか分からず頭の中がグルグル渦巻いてる。
でもヨコの言葉から冗談ぽさは感じ取れなくて、俺は何を思ったか、一生懸命に、「俺も!」と返していた。


そんな俺にヨコは優しく笑ってくれる。
ああ。俺はほんまに幸せ者や。


恥ずかしさのあまり、ヨコの胸に頭をグリグリと押し付け、暖かい掌を頭に感じる。
ポンポンとまるで赤子をあやすかのように撫でられるその手の暖かさが心地よくて、俺はギュッと目を瞑る。


「ヨコ、ほんまずるいわ」
「何がやねん。お前から振ってきたんちゃうんか」
「俺はええねん」
「アホ。それただのワガママや」


クスクス笑うヨコの声が頭に降り注ぎ、なんや、心まで温かくなる。
どこまでも、奥深くまで満たされるような不思議な感覚。
やっぱヨコはすごいな。

改めて実感したヨコの温かさが鼻の奥にツンと染みる。
それが何かは分からへん。
目頭がなんや異常に熱い理由も分からへん。

ただ、そんな俺にヨコが優しい事だけははっきりと分かる。


「なんや…嬉し泣きか?」
「ちゃうわ。花粉症じゃ」


はいはい、そうですか。
じゃあそういう事でいいですけどね。

そう言って嬉しそうに笑うヨコの顔があまりにも温かくて
俺は霞んでいく景色に優しく微笑んだ。



end
  1. 2013/03/21(木) 01:55:11|
  2. 横すば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

関ジャニ∞の日常

「ひな~」
「んー、なんや?すばる、どーしたんや?」
「んー、べつにー」
「なんやねんな。また疲れたんか?」
「なんもない。呼んでみただけや」


そう言って本を読んでたヒナの肩にもたれ掛かるすばる。
それを嫌がりもせず受け止めるヒナ。
俺はその2人を見て、なんや、微笑ましいとか思ってしまってる。


あかんな。
俺も年なんかもしれん。
あんな同い年のおっさん2人見て微笑ましいとか、頭おかしいんちゃうか。
他のメンバーに知られたら笑われてまう。
それでなくても、いっつも俺はいじられ役やのに、こんな失態知られるわけには………



「…横山くん何にやけてんねん」
「あ?」
「気色悪いで?いつものことやけどな」

一番厄介な奴にバレてもーた。
どっくんだけは勘弁やったなー。

「何がやねん!俺は別に何も見とらんわ」
「へー。なんか見とったん?面白いもん?」
「ちゃうわ、アホ」


うわ。
なんや嬉しそうに食いついて来よる。
こういう時のどっくんが一番厄介や。
あとバナナジュースの件とかな。


「もしかして、あれ?あの2人見てニヤけてたん?それともどっちか?」
「どっちとかないわ!」
「えー、なんなんそれ。めっちゃ気になるわー。教えてーや。2人には言わんやん。約束するって!」
「嫌や。どっくんが黙ってるとかありえん」


しつこい。
正直しつこいで。
その間もヒナとすばるはゴロゴロしとって、どっちも正直、めっちゃかわええんや!
こういう機会めったにないんやから、どっくん、邪魔せんとってくれ。

こんな心の声が伝わる訳もなく。
どっくんはニヤニヤしたまま俺の元から離れようとしない。


「普通に見て、可愛いんはすばるくんやろ?」
「だから、ちゃう言うてるやろ」
「でもなあ。横山くんて意外なこと言いそうやしなあ」


何の推理やねん。
確かにすばるとヒナ比べたらすばるのが断然かわええよ。
でも、2人セットやと尚更なんや。
なんて言うたらええんやろ。
説明すんのも難しいけどやな、すばるがヒナに甘えて、ヒナがそれをよしよして甘えさせてるんが一番やねんなあ。
それが分からんどっくんはまだまだ青いわ。


……って、俺はなんやねん。



思わず一人ツッコミまでしてしまったことに俺は情けなくなる。
それでも何かが引っかかるどっくんは、俺を無視してなんや2人に話し掛けてる。

あー、もー、邪魔したらアカンやん。

どっくんから何かを聞いた2人は俺を同時に見て、いや、睨んできた。


「は?なんやねん!」


意味が分からん俺は当然慌ててしまう。
そんな俺を横目にどっくんは悪戯顔でニヤリと笑った。
……待て。
あいつ何を言うたんや。


「ヨコめっちゃ気持ち悪いやん」
「お前ただの変態やんけ」

なんやろ。
なんか俺、2人からすごい侮辱されとるんやけど。
しかも物凄い眼差しや。
俺が穴空いてまう。


「ちょ、どっくん!なに勝手なこと言ってんねん!」
「べつにー。俺は真実しか言うてないよ?」
「真実!?」
「横山くんが2人見ていやらしいこと考えてるー、って」


教えてあげただけやん。
そう言って楽しそうに笑うどっくんに何も言い返せない自分が心底情けなくなった。
いやらしい目ではなかったんやけど、どっくんからはそう見えたってことは、たぶん俺いやらしいんやろな。

なんか自分で納得してまう。
そりゃあ、睨まれてもしゃーないんかな。


「………なんか、スマン」


思わす謝ってしまった俺に、すばるとヒナは慌てる。


「いや、そこは否定してくれな!ほんま怖いで」
「え、そんな目で俺ら見られてたん!?嫌や!」


慌てる2人さえ、やっぱかわええと思ってしまうんやから重症や。
うん。
俺ら、ほんまに三馬鹿やねんな。
そして俺はたぶん、三馬鹿バカなんやと思う。親バカ的なな。
はあ。




ため息をつく横山をよそに……
周りのメンバーはそんな三馬鹿を見て、癒されるのであった。


「ほんまあの三人かわええわー」
「なー、気付いてないもんなあ」
「癒されるなあ」
「いつまでも仲良しでおってほしいな」



それが関ジャニ∞の日常。


end
  1. 2013/03/20(水) 22:42:49|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:2

【君にI love you.】∞やすば

まもりたいものがある。
まもりたいひとがいる。


好きなもの。
好きなひと。


そのひとの気持ち、笑顔。
存在そのもの。
好きなものよりも、何よりも、まもってあげたい。



「すばるくーん」
「なんやねん、急に気持ち悪いわ」
「なんやとか言わんといてーや。呼んでみただけや」
「………ほんまにやめて」


つれないわあ。
泣いたふりして渋やんに甘える。
嫌そうに目も合わせてくれない渋やんにまとわりついて早15分。
そろそろ俺の身が危ないかもしれん。
でも、
ほっとけへんねんから…しゃーないわ。


「なあ、渋やんしりとりしよーや」
「いやや。他でせえ」
「渋やんとやりたいんや。ええやろ?…はい、りんご!」


満面の笑みで言う俺に渋やんは心底めんどくさそうな顔で見てくる。
うわ。なんやのその顔。
ひどいわあ。
さすがの俺もちょっとヘコみそうやけど、こんな事で負ける俺じゃないねんで。



「なあ、りんご!渋やん、ご、やで!」
「うっさい。黙ってえ…気分やない」


よし来た。
これが今の渋やんの本音や。
なんや悩んでる渋やんは、さっきからこの調子。そんな渋やんを俺がほっとけるわけないやろ。
やからな、こんなめんどくさい絡みしてるんやで?
ただ俺は心配なだけなんや。



「えー、じゃあどんな気分なんよ?」
「わからん」
「わからん…て。今何しとったん?」
「………ん」


ペラペラと目の前の紙を俺に向ける。
そこには何も書かれてなくて、ただの真っ白の紙やった。
でも、こんな仕草だけで分かってまう。そうか。渋やんの憂鬱が分かって来たわ。
そういうことか。


「なんや、渋やん。歌詞浮かばんの?」
「ん。全く浮かびよらん」

作詞しとったんか。
…それが思うように出てこんくてあんな機嫌悪かったん?
ほんまに、真面目すぎるがゆえに勝手な人やなあ。
まあ、そこが渋やんらしいけどなあ。


「でも、珍しいんやない?渋やんがここまで苦戦するんて」
「ん、ないな。でも分からんのや。全く出てこんから書きようがない」


そりゃそうや。
出てこんかったら進めへんやろなあ。
渋やんの言葉に俺も真剣に頷いてしまう。


「あああ。どうしたらええんやろ」
「焦ってもしゃーないで?」
「わかってるわ。んなもんヤスに言われたない」
「なんそれー。………でも、歌詞とかさ、渋やんの言葉でええんやから、好きなこと歌詞にしたらええんやん?」


ほら、簡単やろ。
渋やんが常日頃思ってることをまとめたらええだけの話やんか。
なんでもええ。
恋愛でも日常でも、全く現実味のない夢の世界の話でも、楽しく書けたらファンのみんなもきっと喜んでくれる。


「俺の思ってることを?」
「なんでもや。あ、メンバーの事でもええんちゃう?渋やんがどう思ってるかは分からんけど、もしメンバーに伝えたい事があるんやったらこれを機に歌で伝えたらええやん。メンバーにだけ分かる暗号みたいなん入れたりしたら面白くない?」


テンション高めで言ってしまったけど、隣の渋やんは真っ白の紙と睨めっこしたままでちょっと不安になる。
あれ、俺なんか変なこと言うたかなあ。
ちっとも反応してくれへん渋やんに俺は少しだけ悲しくなってきて、黙り込んでしまった。


………沈黙。



あれから渋やんはひたすらペンを走らせてる。
あーやない、こーやないて小さい声で呟きながら書いては消して、唸って首傾げて、自問自答してる感じや。

そんな渋やんの隣で俺は静かにギター調整。作曲でもしよかなあ、思ったけど邪魔なるんは嫌やしなあ、って。
それでもただ俺は渋やんの傍に居りたいから、どっか行け、言われるまではこのまま居座ろうと思ってる。



……………


それから何分が経過したやろ。
俺もギターに夢中になってて時計なんて見てなかったから分からんけど、渋やんが久しぶりに顔をあげて

「よし!」


と意気込んだものだから、思わず時間を気にしてしまう。
もしかして何分どころか一時間近く経ってるんやない?

渋やんの集中力も凄かったけど、俺のギターに対する気持ちも相当やな。
自分で考えて少し呆れてしまう。
まあ、ともあれ渋やんが無事に作れたみたいで俺は嬉しい。
大きく伸びをする渋やんを見て、よっぽど集中しとったんやなあ、て微笑ましく思いつつも、疲れとるんやないか?、など心配もしてしまう。

まるで親バカやないか。
俺はほんま渋やんに甘いなあ。

自分で分かってても直せへんのは、別に渋やんの為なら何だってしてあげたい、と思ってるからで。
嫌やとか面倒とかそんな気持ち微塵もないからやろうな。


「渋やんできたあ?」
「……なんとかな」

なんやちょっと言いにくそうに口を開いた渋やんに、俺はギターを隣へ置いて紙を覗き込む。

すると渋やんは歌詞の書いてあるその紙を隠すようにスッと俺から離す。


「なんやの」
「別に、なんもない」
「隠したやん」
「ちゃう。移動させただけや」


一緒やん。
喉まで出かかった声を俺は静かに飲み込む。そんな隠さんでもええのに。
ちょっとばかし寂しくなる。
俺にはなんでも見せてくれるんかな、とか期待してたのに、この仕打ち。
渋やんが恥ずかしがり屋なんは分かってるけど、俺は違うと思ってた。
俺だけは特別なんちゃうかなあ、って思ってたのに。
…なんや。
俺もまだあかんのかいな。


「どうしても、あかん?」
「……勝手にせえ」
「…って、また遠くにするやん」

俺が覗こうとすると離してしまう。
なんやねんなあ。
いいんか悪いんか分からんわあ。

「あかんのやったら、もうええ」

わけ分からん。
分からんからもう拗ねてやる。
そっぽ向いて置いたはずのギターに手を伸ばすと、つんと服を引っ張られる。


「なに、渋やん。俺は作曲でもしようと思っとるんやけど」
「……なんも、ないわ」
「じゃあ離してもらってもええ?」


振り向いて、裾をひっぱる手を見つめても渋やんは向こう見たまま動かん。
もー、なんやねん。
頭の中がこんがらがりそうや。
渋やんのことで拗ねたのに、渋やんの仕草に嬉しいとか可愛いとか思ってまう。


「…………」
「渋やーん?どーした?」
「…これ。作ったから」

そう言って渡されたのはさっき隠してた紙。折りたたまれてて中身はまだ確認でけへんけど、渋やんのぶっきらぼうな態度で分かってしまいそうや。


「これ、見てもええの?」
「ん。曲作るんやったら、これに音つけたらええやん」
「なるほどな。でも、俺が見ても大丈夫なん?渋やん嫌がってたやん」
「嫌とか、そんなんちゃうよ。ただ…」


ただ?
俺はどんどん小さくなる声に耳を傾ける。
ちょっと照れてるのか。
頬がやんわり赤く染まってるのを見て、こっちまで恥ずかしくなってしまう。


「ただ………ヤスのこと考えて書いたから」


………そう、なんや。
俺のことなんや。


「え、ほんまに?どうしよ、渋やん……めっちゃ嬉しい!」


隣で小さくなる渋やんを俺は勢いよく抱き締める。
恥ずかしいのだろう、腕の中で悪態ばかりつく渋やんに笑みが零れる。


「たまたまお前が横に居ったから浮かんだんや。…その、それはヤスにやる」
「それでもめっちゃ嬉しい!俺が貰ってもええの?次のソロ曲やないん?」
「ん。ソロ曲考えとったけど、それはええわ。ソロのはまた考える」


それだけ言うて立ち上がった渋やんに俺は視線だけを送る。
渋やんはそんな俺を見て訝しげな顔で頭をくしゃっと掻き乱した。
恥ずかしいんかな。
くしゃっとした頭のまま俺をチラリと伺って「……トイレ、行って来る」と部屋をあとにした。


残された俺は閉められた扉と手元の紙を交互に見やり、思わず頬が緩んでしまう。

「かわええなあ」

恥ずかしいんやったらこんな事せんかったらええのに。
そういうとこほんま男らしい。

折り畳まれた紙をゆっくりと開き、中の歌詞に目を通す。
目を通して、自分の視界が霞んでる事に気づいた。


「なんやねん。……ずるいわ、渋やん」



いつもどんな時でも傍にいてくれるね
辛くて立ち止まりそうな暗闇の中でも
隣にはあなたがいる

優しい
暖かい
そんなあなたにきっと甘えてるんだって

気づいても気づかないふりして
今日もまた静かにあなたと隣り合わせ

明日もきっとあなたはいるのでしょう

傍にいてくれて
傍にいてくれて
傍にいてくれて

ありがとう

傍にいてほしい
傍で笑ってて
これからもずっと

そんなあなたが愛しくて
ぶっきらぼうな私を許して
ずるい私をどうか許して

いつかあなたに伝えるから
この感謝とともに芽生えた心を


「アホちゃうか。…なんで…」



恋心という名の想いをあなたに

【愛してます】



「………ありがとう」


渋やん。
君が戻ってきたら何て言おうか。
ありがとう、愛してる、言いたい言葉はたくさんあるのに
姿を見れば全てが飛んでしまいそうや。

でも、ちゃんと伝えるよ。

心に届くように
俺らしい言葉を君に捧げます。



【I love you.】



end
  1. 2013/03/19(火) 09:10:21|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

アイライロ∞やすば

「なあ。ヤス」


恒例の休日。
休みになると渋やんと俺の2人は車を出して遊びにいく。
特にこれといってアテもないのに、買い物や映画、ランチなどに出かけていた。メンバーからは、そんなんデートやん!、とからかわれたけど何も言い返せない。
だって、俺はデートやと思ってるし、渋やんだって楽しそうやからいいんや。
こんな毎日が至って幸せで、俺はロマンチックにも一生続けばいいなあ、なんていつも夢見てしまう。


そんな中、渋やんと2人でドライブしてた時、何を思ったか渋やんは急に話し出した。


「どーした?渋やん。何かあった?」
「………大した事やないんやけどな」


ちょっと間が空いたのはなんやの。
大した事ない割にソワソワしてる渋やんに俺も落ち着きをなくしてしまう。


「えー、なんなん?めっちゃ気になるやんか」
「いや。なんか、その、あれやん」

あれ?分からんわ。
さすがの俺でも難しいで、渋やん。

「あれ?ってなんやの」
「その、曲作る時さ……何考えてんのかなって、やな」


なんやそれ。
そんな事聞いてどないするんやろ。
でもまあ答えは一つやけどな。


「渋やん」
「なんや?」
「渋やんのこと考えてる」
「俺?」
「そうやで。だって歌うんは渋やんやし、渋やんのこと想って考えるんや」


ニコリと助手席に向かって笑ってやると、慌てて目を逸らした渋やんの耳が赤くなってるのが分かる。
かわええなあ。
意外な答えにビックリしたんやろうなあ。


「な、なんやねんそれ。ただの恥ずかしい奴やん」
「恥ずかしないよ。ホンマに渋やんのことだけ考えてるもん」

それが恥ずかしいんや!、そう言うてそっぽ向いてしまう。
でもあまりの可愛さに俺はちょっとだけ嬉しくなってしまった。


「でも、俺の事以外も、メンバーとか……その歌詞と合った気持ちとかも考えなアカンやろ?」
「そやな。それはそうやと思うけど、俺は渋やんのことだけを考えてるんやで」
「は?アホちゃうか」
「ちゃうよー。ホンマのことやもん」


怒ったような口調とは裏腹に、自然とこぼれる笑みが本音なのだろう。
そう思うとこっちまで微笑んでしまう。こんな顔見つかれば怒られるやろうけど。それは渋やんが可愛いのが悪いからなあ。



「あのさ、ヤス」
「なによー?まだ何か聞きたいことあんの?」
「うん。俺らの、メンバーで歌う曲の時は、俺のこと考えてるんやって分かったけど」
「うん」

言いにくそうに話す渋やんの一言一言を逃さないように静かに耳を傾ける。
エンジン音さえ邪魔で仕方なくて、ちょうど開けた海の見える端っこに寄ってみることにした。
車を止めてエンジンも切ると、渋やんの声が鮮明に聞こえてくる。


「なんで止めたん?」
「なんとなく。渋やんの声ちゃんと聞いとかなアカン気がしたから」
「なんやねん、それ」
「何とでも言うて」

そう言って笑うと納得したのか、渋やんは再び口を開く。


「あの、ヤスの曲あるやん。アイライロ……」
「あるね。アイライロ」


ジッと渋やん見つめてたら、渋やんは俯いてた顔をあげて目の前に広がる海を見つめる。
きれい、やなあ。
渋やんの大きい瞳に真っ青の海が映し出されてゆらゆら輝いてる。

思わず見惚れてしまったけど、ほんまに綺麗やし、しゃーないわ。
海ももちろんやけど、何より渋やんのその真っ直ぐな眼差しが。

俺の大好きな眼差しや。


「なんやねん」
「なんでもないよー。続き話してや」


恥ずかしいのか、見つめてた俺の顔を睨んでくる渋やん。
でも、なんもない、と戯けてみると渋やんは釈然としない様子でまた海を見つめた。



「その、アイライロ」
「うん、アイライロ」
「この曲の時は、何を考えてたん、やろって、思って…」


あー、もー、わからん!って頭くしゃくしゃしながら俯いた渋やんを俺は見つめたまま固まってしまった。

なんで、今そんなこと聞くんかな。
渋やんて、鈍感なようで鋭い時あるから…よう分からんわ。


「なんや、思う?」


俺も渋やんから目を逸らして、目の前の広くてキラキラ輝く海を見つめる。
あかん。
綺麗すぎて、視界がうっすらボヤけてまいそうや。


「………分からんから聞いてんねん」
「そやな。分からんから俺に聞いたんや。でも…、なんで気になるん?」


なんで?
俺の事で気になるって、それは自惚れてもええってことなん?
それとも、いつもの気まぐれかなんかやろか。
こうやって俺はいっつも渋やんに翻弄されてしまう。
それで悩むのなんて無駄やって分かってんのに、ちょっとばかし期待してしまう俺を渋やんはどう思ってるんやろう。アホみたい、かな。
アホやな。うん、それも分かってるんや。



「なんで、って。分からん。それも分からん」
「なんそれ。分からんしか言うてへんやん。渋やん、ほんまアホやなあ」
「はあ?アホなんはお前やろ。俺、お前よりマシや」
「はいはい。…やなくて、アイライロ、のことやろ」

コクンと頷く渋やんが素直で可愛くて、頬が緩んでしまう。
言ってしまえばいいんかな。
言ってしまってこの関係が崩れるんは嫌やけど、どうせこれ以上我慢できんのは分かってたし、いつかはバレるもんやとも思う。

言ってしまえば、…辛い結果かもしれんけど、今よりは楽になれるかもしれん。
俺も男や。勇気くらい出すべきやろ。





「アイライロの歌詞…覚えとる?」
「ん、覚えとるよ」


早く逢って 愛し合って 愛色でいたい
キツく抱きしめた
君無しじゃダメになるから傍にいたい
僕にはかけがえない力に変わるから
だから早く僕だけの君になれ


「どんなんやった?渋やん」
「どんなん、て」


伝えたくても伝えれなくてもどかしくなって
ため息で愛伝えようとしてる僕がいる
「アイシテル」たった5文字ココロの叫びは
ココロの奥にしまい込んでく


伝えられないのは 僕ココロ弱虫


「なあ、渋やん。あの曲聴いてどう思った?」
「……どうって」

考え込む渋やんが愛しくて、でもどこか俺の心は切なくて、思わず微笑みかけてしまう。


愛が欲しくて
君が欲しくて
でも独りよがりで
わかんなくてどうしようもなくて
だからまた独り叫ぶよ

愛に溺れる
君に溺れる

「渋やん?」
「……切なく、なった」


え。
渋やんの目がめっちゃ真剣で、こんな時に不謹慎かもしれんけど、なんでかドキドキしてしまった。

でも、切ないって、どのへんがやろな。
渋やんは分かってるん?
俺が、誰のこと想って作った曲か。


「切ない?」
「ん、苦しそうで、ヤスには似合わん」


5文字の叫び 溢れ出す声




愛したいと思うのは僕君の自由で
愛されたいと願うのは僕の勝手なんだ


「俺、らしくないか。なんや、その言葉そっくり返すで?」
「何がやねん」
「こんなこと聞いてくる渋やんも、らしくないってこと。いっつも俺の事なんか気にせぇへんやんか」

調子狂うわ。ほんまに。
呆れたように絞り出す声は、もしかしたら震えてたかもしれん。
困り顔の渋やんにちょっとだけ悪いこと言うた気分で、でも、好きすぎておかしなりそうなんや。







「…急じゃない。俺はヤスのことちゃんと考えてるし、見てるつもりや」
「何を言うてるん、渋やん。そんなんええよ」

ええよ。
無理に空気読もうとかせんとって。
俺のが辛くなるやんか。
いつもみたいに、なんやねんヤス、気持ち悪いわー、って笑えばええやん。
俺がめっちゃ惨めになるんやで。
渋やん、ちゃんと分かってる?


「ヤス。俺は嘘とか嫌いやで」
「どうやろな。渋やんは優しい嘘ならつくと思うけど」

だって渋やんは優しいから。
俺のためならいくらでも嘘くらいつくと思う。
でもその気持ちが俺には苦しい。
あかん、泣きそうになる。



「ヤス……」
「あー、雨ふってきたんかなあ?目の前がぼやけてまう」


上を向いて嘘をつく。
車内に雨がふるわけない。
男らしくない言い訳。
でも、好きな人の前で泣けるわけない。
これ以上カッコ悪くなりたくない。
俺やってカッコいいって思われたい。

誰よりも渋やんに想われたい。


「…雨、どうしたら止んでくれるんかな?」


ボソッと呟いた渋やんの大きい瞳が揺れる。
なんでやねん。
なんで、渋やんまで…




「雨キツすぎるやろ」
「天気予報も間違うことあるんやなあ」


俺は思わず泣いてしまった。
なんでかは分からん。
俺が聞きたいくらいや。なんで、渋やんまで泣いてんの?


「渋やん、なんで……」


愛した僕の負けなのか。
愛された君の勝ちなのか。

その泣き顔さえ美しいと思ってしまう。


「わ、からん。なんで泣けるんやろ。ヤスのこと考えてたら苦しくなってきた…」
「渋やん優しすぎるわー。俺ら2人してアホやんか」
「アホやないよ。ヤスは何も悪ないんや。俺が、おかしい」


泣きながら笑う君が愛しくて、でも言葉にできなくて、
喉まで上がってきた5文字を飲み込む。


「渋やんかって悪ないやんか。なんもしとらん。俺のことで泣かんといて」

「なあ、アイライロ。何を考えて作ったん?…誰のこと、考えてたん?」



真っ直ぐ見つめられて俺は目が逸らせなくなってしまった。
ちゃうよ。
期待なんかしたらアカンよ。
俺は、渋やんへの気持ちを隠し通すって決めたやんか。
メンバーの1人として愛していくって、決意したのに。

なんでそんな不安そうなん?




……ーー君の都合の僕なのか


でも君のすべて



「愛してる」





驚いた顔で見つめてくる渋やんに俺は満面の笑顔で返す。
涙で濡れた頬を拭って笑う俺は、情けないなあ、って心の中でため息をつく。


「な、…え?ヤス、何言って…」

「だから、俺は渋やんのことしか考えてへんよ。どんな曲作る時も渋やん以外は考えられへんし、コンサート中も、ほんまに何してても…こんな今でも、渋やんしか見えてへん」


ごめんな。
こんな俺で、ごめん。
渋やんにとって俺は大事な友達やったのに、俺がこんなこと言ってしまったら明日からは友達として接すること出来んよなあ。

困るよな。
こんなことメンバーの俺から、男の俺から告白されても、何も言えんよな。

だから我慢してたのに。
限界やったんか、たったの5文字を叫んでしまった。


「俺は、渋やんのことが、大好きで、………渋谷すばるの全てを、愛してる」



答えなんかええよ。
俺は伝えられたことで満足やし、傷つくつもりもないから、このままでええんや。
嫌なら避けてもええんやで。
今すぐ逃げ出してもらってもいい。


「そっか」
「……渋やん?」


切迫詰まってた俺とは裏腹に、渋やんは静かなトーンで俺の言葉を受け止めてた。
そんなんええのに。
ほんま、優しすぎるわ。


「アイライロも、俺のこと想って作ったん?」
「そうやで。渋やんのことしか浮かばんくてな」
「ふーん」


なんやねん。
興味ない、みたいに言わんといてや。
なんか余計に切なくなるやんか。

そう頬を膨らましつつ渋やんを見てみると、なんや、なんやろ、めっちゃ嬉しそうや。



「なん?渋やん、にやけて気持ち悪いで」
「はあ?うっさい、早よ帰るで」


え?何それ。
なんもなかった事にするん?
まあ、別にいいけど。しゃーないとは思うし。
でも、もうちょっとこう、考えてくれてもええんちゃう?


そう思いつつも俺はゆっくりハンドルを握ると再び走り出す。
そこにはただただエンジン音だけが響いていて、渋やんは微笑んだまま海を見つめてる。
でも、なんでやろ。
まったく気まずくない。


「なあ、ヤス」


そんなこと考えてたら急に渋やんが口を開いて話し出す。
俺はその言葉に小さく首を傾げて耳を澄ましてみる。


「俺な、ヤスのアイライロずっと嫌いやってん」



なんなんや。
急になんの告白されてるんやろ。
めっちゃ傷ついた。今のはアカンて。
素直な渋やんは可愛いと思うけど、こういうこと平気で言っちゃうから困ってしまう。


「そう、なんや。そんなハッキリ言われるとさすがの俺も傷つくで?」
「そうか。でもな、ヤス。今は……めっちゃ好きな曲やわ」


好きな、曲。
アイライロが。


「だって、あれはヤスが俺のこと考えて作ってくれたんやろ?めっちゃええやん。ええ曲や」
「まあ、そうやな。…ありがとう」


そうや。
あれは渋やんに対する俺の気持ちが詰まってるんや。
友達としてではなくて、恋愛対象として好きな渋やんへの想い。


「だからな。めっちゃ好きになった」

「それは、なんで?」


聞くしかないやろ。
渋やんがこんな楽しそうに話してくれるんやから、きっと何か訳があるんやろ。
恐る恐る聞いた俺に、渋やんは小さく笑って………



「だって、俺かて、ヤスのすべて…」


ア イ シ テ ル



また、雨が降ってきたのかもしれない。
でも今度は
小さめの傘もあったみたいで、
俺は土砂降りになるはずやった雨には当たらず
心も身体もめちゃめちゃ暖かくて、抱き締められてるんやって、その数分後に気付いた。




キツく抱き締めて
君いなきゃダメになるから
もう離さない
君にも掛けがえない力になるはずだから

だから、早く君だけの僕になれ



end


アイライロ大好きです。
  1. 2013/03/13(水) 12:25:52|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

どんな君も好き∞やすば

歌ってる時はほんまにカッコいい。
MCの時はあんま喋らんくせに面白い。
ふとした時に見せる素直な部分はめっちゃ可愛い。

なんなんやろ、この人。



「なんや、ヤス?そんな見つめられても困る」
「見つめてへんわ。自意識過剰やでー」

俺の言葉に、なんやねん、と拗ねてしまったようだ。
拗ね方も可愛いと来たか。
はいはい。
もう俺の降参ですよ。



「…嘘やですばるくん。ほんまは見つめてた」
「知らんわ。俺、自意識過剰やからな」
「カッコええなあ、って見惚れてたんやで?」
「……ほんま?」


嬉しそうに振り返る目が可愛い。
カッコええのもほんまやけど、可愛いの方がしっくりくる。


「カッコええよ、すばるくん。誰よりもな」
「なんや、照れるわ」


照れた姿さえ可愛い。
なんなんもー。
どうしたらええの。
可愛過ぎて困ってしまう。


「なあ、すばるくん。ギュッてしてもええ?」
「……俺が?」
「ちゃうよ。俺がすばるくんを」
「なんで?ギュッてされたいんやなくて?」
「そう。俺がすばるくんをギュッてしたいねん」


不思議そうに見つめてくる双眼にフワリと笑ってみせる。
すばるくんはその笑顔に警戒することもなく、自ら近付いて来てくれた。

ほんまこれは、俺だけの特権やなあ。

神経質で警戒心の強い彼は、だれかれ構わずこういうことはしない。
メンバーでも限られた人のみ。
だから俺はその中でも選ばれた人間らしい。

ギュッとすばるくんを抱き締める。
腕の中で丸まるすばるくんは大人しくて、どこか安心したような表情を見せてくれる。

彼はこう見えて人一倍寂しがり屋だから、こうしてたまに抱き締めてあげないと殻に篭ってしまう傾向がある。

だからいつもメンバーの誰かが傍にいて、すばるくんの居場所を作ってあげる。

それは仕方なしでやってるのではなく、メンバー全員、好きでやってることだから誰1人苦ではないのだ。


「ヤス、あったかいなあ」
「ほんま?すばるくんもあったかいよ」
「うん。なんか、落ち着く…」
「寝てもええよ?ちゃんと起こしてあげるから」


そう言った俺に小さく笑みを零し、すばるくんはゆっくりと目を閉じた。
俺はそんな小さなすばるくんを両腕でギュッと抱きしめ直す。


「ゆっくり寝ぇや。おやすみ」


頭にひとつキスを落として。
俺も静かに目を閉じる。

カッコええすばるくん。
面白いすばるくん。
可愛すぎるすばるくん。

でも、実は弱くて脆いすばるくん。
傷付きやすくて神経質で、すぐ殻に篭ってしまう。
ほんまは凄い才能もってるのに、すばるくんは謙虚で自ら水を指すような意見はしない。

とても、繊細なすばるくん。



ほっとけんよ。
俺が、誰よりも一番傍にいてあげたいと思う。
仕事でも、すばるくんが俺を求めてくれるなら駆け付けるよ。


そのたびに抱き締めてあげたい。
全力で甘やかして、我儘さえも受け止めたい。

「……すばるくん」


俺だけのすばるくんになってほしいのに。
明日からはまたみんなのすばるくんなんやな。


切ない俺の片想い。
すばるくんはメンバー全員のことが大好きだから、その愛を俺だけに向けることは出来ない。
はっきり言われた事もある。

でも、諦められないのは、すばるくんのことどんどん好きになってるから。

どんなすばるくんでも、俺は愛せるから。
俺のすばるくんじゃなくても、全力で愛すから。

だからすばるくん。
一生、俺の傍におってほしい。
メンバーとしてでいい、友達としてでいい、ただの甘えやすい存在としてでもいい。
どんな役回りでもいいから、俺はすばるくんから離れたくない。


だから、今もこれからも、すばるくんは俺の腕の中で安心して眠ったらええんやで。
…なあ、可愛いすばるくん……



end
  1. 2013/03/08(金) 00:24:04|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

かわいい人∞やすば

今日も渋やんの歌声は最高でした。


「おつかれ!」
「おつかれさまーっ」
「おつー!」

今日も無事にライブは終了。
俺たちメンバーは明日のライブに備えて各々に楽屋をあとにする。
いつの間にか着替えていた渋やんも俺の横をスーっと通り過ぎ、帰るところみたいや。


「あ、渋やんもう帰るー?」
「…ん。帰るで」
「途中まで一緒に帰ってもええ?」
「ええよ。どうせ方面一緒やろ」


俺の言葉に立ち止まった渋やんは俺を見て腰をおろした。


「で、まだ着替えとらんやん」
「ごめんなあ。引き止めてもーたな」


俺は衣装のまま。
どうしても渋やんと居りたくてワガママ言うてもうた。
でもたまには許してくれる?
いつもは我慢してるんやから、たまにやったらええやろ?
渋やんそういうとこ優しいから、俺も甘えてしまう。


「ええから、早よせえ」
「うん。急ぐから待っててな!」
「……別に、何も用ないから急がんでええよ」


ほら、優しい。
渋やんは相変わらずiPodで音楽聴いたままやけど、俺のこと横目で伺ってくれてる。
慌てる俺を見てたのに、見てないふりした渋やんに気付かれないようにそっと笑う。

だって渋やん……

「かわいいわ」
「は?」


そうゆうとこホンマにかわいい。
恥ずかしいんやろなあ。
どうしてええか分からんのやろ。
それを全面に押し出してんのに、それでも隠し通そうとする素直さに俺はにやけてしまう。


「可愛いわあ、ほんまに」
「…何がやねん」
「すばるくん」
「っ……意味分からん」
「もう、分かってるやろ?それ天然やったら心配なるわー」


わざと困ったように笑うと渋やんは目を見開いてこっちを見てくる。
分かりやすい驚き方。
おもしろいなあ。


「渋やんて、ライブ中はあんなカッコええのにな」
「………なんやねん。それ」
「普段はこんなに可愛い!」
「うっさい、…もうやめよ、そうゆうの」


恥ずかしい。
小さい声で呟いた渋やんに俺は満足感でいっぱい。
こんな渋やんなかなか見られんで。
たぶん俺だけの特権。

「でも、その渋やん他では出さんといてな?」
「どの渋やんやねん」
「だから、今の可愛いすばるくんの事やん」
「可愛いないわ。可愛いんは俺よりヤスやろ?」
「えー、ないない。すばるくんより可愛いもんないよ」


真顔で言う俺を渋やんはジッと見つめて、うるさい、って呟く。

「あー、もう。早よ帰るで!」

勢いよく立ち上がって俺に背を向ける。
歩き方が雑でそのまま扉も開けるから、スタッフさんから見たら機嫌悪いみたいに見られてまう。
だから俺がその後を、すんませーん、言いながらにこにこして通る。


渋やんはほんま仕方ない人やな。


ほんまにー、って呆れながらも俺の言葉で一喜一憂する姿に笑みが零れてしまう。

「好きやで、すばるくん」
「!?」

俺の言葉にバッと振り返った渋やんは真っ赤っかで、俺は思わず吹き出してしまった。


「わっ、渋やん赤すぎやって!」

「アホ!最悪や!」


悪態ついても可愛いから何とも思わんで。
俺は渋やんのこととなると寛大やからな。
だってな、可愛いて仕方ないんやもん。


ライブとのギャップにファンだけじゃなくて俺までやられてる。まんまと。
カッコええし可愛いし、これからもそのまんまの渋やんでいて下さい。



「渋やんは?俺のこと好き?」
「うっさい、黙っとれ!」

「えー、いいやん。答えてーや」
「んなもん、何でもええやんけ」

「じゃあ、好き?」
「ああ、はいはい」

「なんそれ!そんなん嫌や。ちゃんと言って!」
「あー、めんどくさいなあ、もう」

「めんどないわ!」
「…………」


急に立ち止まって振り返る渋やんに俺は笑いかける。何も言わんでも伝わってくる。
渋やんの目、見てるだけでこっちまでドキドキしてしまう。


「……好きに決まっとるやろ」


ほんま素っ気ないわー。
でも、それが渋やんの愛情表現なんやったら俺は喜んで受け止めるよ。

「ありがとう、すばるくん」
「はいはいはい」
「俺も好き」
「何回言うねん」

そう言って照れたように笑う渋やんの顔が好きや。
だから、何回でも言うよ。
渋やんが、呆れて止めてくれ、言うても俺が言いたいから言うんや。


なあ、渋やん。


「好きや」


俺の言葉に渋やんは困り顔で、なんやねんもう、って呟く。
でも、嫌じゃないん知ってるから。


ギュッ


何も言わずに握られた右手が熱を持つ。
渋やんの手が俺を引っ張ってくれる。

ほんま、可愛いんやから。


照れ隠しなのか、振り返らずに先を行く渋やんはきっと他の人から見たら男前やねんけど、俺から見れば可愛いとしか思えん。

「渋やん、かわいいなあ」
「もう、ほんまええから」


これからもずっと可愛いままでいて。
こうしたやり取りが俺はめっちゃ幸せやから、すばるくんも、そうでありますように。



end
  1. 2013/03/07(木) 01:17:41|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

あの子は彼女?∞横すば

「あの子ね、彼女気取りするんですよ」
「!?」


驚いたすばるを横目に俺は眈々とメンバーとファンに伝えていく。
「それはあかんって」そんな目で俺を見つめてくるすばるには悪いけど、俺かてたまにはすばる自慢したいんや。


「えー、何それ」
「横ちょの彼女なん?」
「例えばー?」


そう言って食いついてくるメンバーの目を見てみろよ。
面白くない、と今にも噛み付きそうな勢いやぞ。
そんだけお前はみんなから愛されてるんや。

だから、たまにはええやろ?

俺のやねんで、って自慢くらいさせてくれ。




「でな、助手席座っても無言やねん」
「ちょ、ヨコ!」


楽しそうに笑う俺に慌てるすばる。
でも、まだ止めてやらんよ。
俺だってお前にムカついてるんやから。

このMCの前にヤスと戯れてたんはどこの誰や?
コンサート前にはマルと楽しげで、ヒナとはまあ……しゃーないかもやけど、車移動は俺の隣じゃなくてどっくんやったやろ。

なんやねん、それ。

俺も大人気ないって分かってるよ。
でも面白くないやん。
俺かヒナが居らんと何も出来んかったお前が…俺ら居らんでも楽しそうに盛り上がってる。

俺だって妬くんやで。

「ステーキハウスも隣同士で座って…」

ごっつい睨まれてる。
「それはちゃうやろ。カウンターや!」すかさず突っ込んでくるすばるが可愛くてしゃーない。

そんな照れんでもええのに。
可愛いなあ。
可愛すぎて心配になる。

みんなもきっと今同じこと考えてるんやろなあ。
ヤスの目なんか恋してるで。
どっくんも甘いわー。
マル見てすぐ笑う……

あー。
俺ほんま情けない。ただのヤキモチとかガキやんなあ。
分かってるのに我慢できんのは重症や。

だからズルいとか狡いとか言われても、俺は少しずつすばるとの仲をみんなに伝えていく。
そんなんで引くようなメンバーじゃないのは承知の上。
でも、俺もそのメンバーの一員ってことを忘れんといてや。

「でも、すばるとは喋らんでも平気やねん、俺」
「……うん」
「なんでやろなあ。楽やな」
「…………うん」

頷いてばっかやけど、この顔は知ってる。恥ずかしいんやろ。
ほんま可愛いな。
ついでに分かりやすいわ。


俺は照れて黙ってしまったすばるを見て笑う。
そんな俺をすばるはチラリと見て逸らしてしまった。残念。
でも、それさえもただの照れ隠しやって分かってるから可愛いだけや。



いつもはあんなにもカッコええのに、いじられたら何も返せんくなるすばる。
俺はそんなすばるが大好きや。

だから、どんな時でも俺を誘って。
彼女気取りでもええよ。
いくらでも車出すよ。迎えにいくよ。
ご飯も一緒の仲良く食べようや。
ステーキ隣同士で食べてもええし。
俺はどんなすばるでも愛せる自信があるよ。


なあ、すばる。
そろそろ、俺だけのすばるになってくれへんか?
もういいやろ。
お前も気付いてるやろ、自分の気持ち。

「なあ、すばる」


好きやで。


振り向いた君は、次の言葉に驚き、真っ赤な顔で笑うのだった。



end

何気にヨコすばも好きなんです|*゚Д゚)ノ
  1. 2013/03/06(水) 01:25:24|
  2. 横すば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

kiss for xxx∞倉亮

とあるコンサートのMCでのこと。
誰発信かは思い出せないけど、なんでこんなことになったんやろうってめっちゃ落ち込んでる。
落ち込み真っ只中の大倉です。

はあ。
何度目やろうか。
コンサート後にこんな憂鬱な気持ちなるなんて。誰のせいや。
ほとんど俺の右側にいる2人のせいやな。ほんまに。横山くんと丸のせいや。


元を辿ればMCの最中、誰とやったらキス出来るか?…そんな話題でみんな盛り上がってた。
お客さんも何が面白いんか、野郎同士のキス事情でキャアキャア言うてる。
なんやこれ。面白いんか?

「そういや、大倉って誰ともないやんな?」
「えー、そうですね。誰ともない」
「ヤスも?」
「いや、仲いいからってちゅーしないでしょ?」

横山くんの質問に俺は冷静に答える。
だってそれが普通やんか。
みんなキスした事あるとかおかしいやろ。しかもメンバーで、男同士って。

それやのに横山くんはまだ振ってくる。

「俺が見たいんは、どっくんと大倉かな」

は?意味が分からん。
なんでお客さんも喜ぶねん。
なんやねん、それ。そんなキスシーンが好きなんか?

「いや、しないですよ?」
「ええやん、ちゅー」

ちゅーちゅー。
会場からは横山くん発信のちゅーコール。俺は思わず会場を睨んでしまう。
いや、だって、理不尽やろ。

そんなノリいらんって。

こんな空気の中、みんなに見られながら、なんで亮ちゃんとちゅーなんか…


「さっきから大倉が目合わしてくれへん」


!?
思わず亮ちゃんから目を逸らしてしまっていたようで、亮ちゃん本人から指摘されてしまう。
なんでなん?亮ちゃんはしたいの?

頭がパニックや。
ちらりと見た亮ちゃんの顔は、わざとかもしれんけど物欲しそうでめっちゃ誘われてる感覚。
恥ずかしすぎて顔が熱くなるのが分かる。きっと今の俺ほんまダサい。


「ちゃうやん!亮ちゃんが嫌とかそんなんじゃないって。男同士はおかしいやろ!」

声を荒げても誰も味方にはなってくれへん。横山くんが会場を上手く操ってしまう。腹立つわー。

腹立つって……
そんなん思いながらも亮ちゃんの顔が頭から離れへん。
変な気持ちになってしまう。


そんなモヤモヤと戦ってたときに村上くんの怒声でその話題は終わり、次の曲紹介へと変わっていった。

その時に見た亮ちゃんの顔は何事もなかったかのようで、俺は少しだけ残念というか、寂しさを覚えてしまった。

いや、それが普通やんか。
意識しすぎやな、俺。




それから無事にコンサートは終わり、楽屋に帰ってきた訳だが…
俺のモヤモヤが収まる事はなく、亮ちゃんを直視することもできない。

なんやこれ。恥ずかしい。

それやのに亮ちゃんは変わらず俺に笑いかけるし、なんや俺ばっかり意識してるみたいで悲しくなる。

ちょっとぐらい気にしてほしい。
なあ、亮ちゃん。
俺に気付いて。

それと同時に亮ちゃんが振り向いたものだから、俺は思わず顔を背けてしまった。
やっちゃったー、と後悔してももう遅く、亮ちゃんは苦笑いする。


「俺とちゅーすんのそんなに嫌やった?」


なんでそんな顔すんねん。

亮ちゃんは何も分かってないなあ。

亮ちゃんが嫌やなんか思った事ない。




「………おおく」


俺は立ち上がりスッと亮ちゃんに近づき、チュッと触れるだけのキスをした。


「だから、亮ちゃんが嫌とかじゃなくて。あんな大勢の前ですんのが嫌やっただけやで」


そう言って笑うと亮ちゃんは俺の好きな照れた笑顔を見せてくれた。

だから嫌やったんや。
あんな大勢に、こんな可愛い亮ちゃん見せたくないやんか。

亮ちゃんはちゅーしといて照れるから、俺以外の前ではあんませんとってな?
亮ちゃんのそんな顔は俺だけが知ってたらいい。
俺だけの亮ちゃんやからな。


そう言うと、亮ちゃんはまた照れたように笑って
「わかった」って聴きとれん声で小さく呟いた。


end
  1. 2013/03/05(火) 01:30:26|
  2. 倉亮
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ちゅーしよう∞やすば

「ちゅー、しようや」


は?何言ってるん?この人。
目の前で甘えてくる人物は、世の中ではワイルドと呼ばれるような人で、男の俺から見てもカッコええなぁって思わず認めてしまうような人やのに。

今なんて言うた?

「なあ、ヤス。ちゅーしよー?」

確かに今はメンバーで打ち上げに来てて、お酒も入ってる。
でも出来上がるには早すぎるんとちゃうか?

思わず固まってしまった俺に目の前のメンバーは楽しそうだ。

「ええやん。ちゅーしてあげ」
「減るもんとちゃう」

……人ごとやと思って。
煽る横ちょと丸にすごんでは見たものの、隣で甘える渋やんが気になって仕方ない。

でも、あかん。
こんな人前であかん。

少ない理性がなんとか俺を保ってくれてるようで、甘える渋やんに笑う事ができた。

「渋やん、あかんて。俺ら男同士やで?そんな簡単にちゅーとかしたらあかんで」

「嫌や。せな、死んでまう」

それはあかん!
でもこんな流れでちゅーもあかんやろ。

俺のアホな脳味噌がフル回転。
でもいくら考えてもできそうに無い。
ノリでやってしまえば楽なんやろうけど、俺はここだけの話、渋やんが大好きや。

薄々と何人かには気付かれてると思うけどはっきりとは誰にも言うてない。
渋やんにはもちろん伝えてない。

そんな気持ち持ってんのに、軽い感じで渋やんとちゅーとかあかんやろ。
渋やんのこと何とも思ってないなら別やけど、こんなに好きやのに……ちゅーだけで止められるんかな?

俺だって男や。
乙女系とか言われてるけど実際はちがう。あれはキャラであって、ほんまは男の中の男やねんで。

乙女系や言うたら俺じゃなくて、


「なあ、ヤス~」


ここで甘えてる渋やんのがよっぽどやんか。
メンバーだって分かってるやろ。
渋やんは誰よりも可愛いから、みんなもついつい甘やかしてまう。


「あかんねんて、分かってーや、渋やん」

「お願いや、ちゅーさして」

「お願いされても出来ん!」

「なんで?俺じゃいや?」

ちゃうわ!
なんでそんな事言うの。そんな訳ないやん。あかん、頭おかしなりそう。

「ちゃうよ。渋やんが、とかじゃなくて男同士がってことやで」

「ええやん。ちゅー」

ちゅーする顔で迫ってくる渋やんと、周りのコールに俺も満更でもない空気を出してしまう。
勢いでやってしまえばいいのか。

そうや。勢いや。

よし!

そう意気込んだものの目の前に渋やんの顔があると、怯んでしまった。



「あかん!やっぱ男同士はあかん!」



叫んだ俺に残念そうな渋やん。
その周りを取り囲んでたメンバーもつまらなさそうに、でも楽しげに笑ってる。

結局この日は何事もなく終われたけど、俺は渋やんとちゅー、ってゆうシーンだけが何度も蘇った。

よぎるたびに忘れようとする自分にちょっとだけ情けなくなる。
こんな事なら勢いでやっとけば良かったのかな。
でも……

そんな軽い気持ちで渋やんのこと想ってるんやったら、こんな何年も悩まんよ。

遠目で渋やんを見て、気付かれないように苦笑する。

きっと明日はいつも通りの渋やんが俺に「ギターセッションしよう」と笑いかけるのだろう。
俺はそんな渋やんに「ええよ、なんぼでもしよう」って笑い返すのだろう。


はたから見たら切ないんかもしれん。

でも俺は幸せって言えるよ。

こうして渋やんが毎日おってくれるだけで、笑いかけてくれるだけで、俺の作った曲を歌ってくれるだけで
ほんまに些細な事で


俺は渋やんのこと「好きやなぁ」ってまた想い返す。


だからそんな簡単にちゅーしたいとか言わんといて。
誰彼かまわず言うのはやめて。

俺だって傷つくんやから。

なあ、渋やん。

これからもずっと、俺に甘えてな。



end


ちゅーしたい!ってすばるが言うて、ヤスにやっぱあかん!って断られた話から浮かびました。

ほっぺちゅーとかよくするのに何で断ったんかなあ?と思いまして(笑)
  1. 2013/03/04(月) 20:36:24|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

無人島で君と∞やすば

大倉、ヤス、俺。
3人という珍しい組み合わせでラジオをする事になった。
大倉とヤスは学生からの付き合いもあってか、俺から見ても良い関係を築けてるんじゃないかと思う。
そこには邪な気持ちとかもなく、とても純粋にお互いが親友として支え合えてるようなそんな感覚。

まあ、俺で例えるとするならヒナとかヨコみたいな感じかな。
俺ら3人も同級生やしか、たまたま仕事もほとんど一緒やったとかで今も仲良くさせてもらってる。
俺からすれば兄弟みたいなもんや。

だからたぶん今目の前で戯れてる2人もそんな感じなんやろうなぁ。って微笑ましく思ってまう。


「さて。次の質問いきますねー」

そんなほのぼのとしたラジオに突然出された質問がこれだった。

「えーと、無人島にメンバーを1人連れてくとしたら誰ですか?」

ヤスのゆったりした声で発せられた質問に俺は目をパチリと開く。

「またなんちゅー質問を…」
「雑誌とかでもよくあるよなぁ」

俺の呟きに大倉も乗っかる。
ちょっと困ったように笑いつつも俺は目の前の2人を交互に見やった。

誰って言うんやろ?

このメンバー、俺が言うのもなんやけど一癖も難癖もあるから選ぶのが大変なんや。
さっき大倉も言うてたけど、雑誌とかでよく似たような質問されるけど毎回困ってしまう。

だって俺は、誰って聞かれると1人しか浮かばんから。


そいつが浮かんでしまうともう無理や。
他の選択肢なんて元からなかったみたいに真っ白になってまう。


だから今回もそう。
俺はもう決まってる。
でも、まずは様子見ときたい。何でかなんて言うまでもない。ただ、片思いやったら嫌やろ。それだけや。


「えーっ、消去法かな?」
「それはもうね、自由でしょ」

悩むヤスを見て俺はサラッと返す。
そんな悩むんか。
俺はてっきり 大倉 て即答するんかと思ってたんやけど…
そんだけ、俺から見る2人は仲良しやっちゅー話やけどな。

「どうやろー、渋やんは?」
「俺は…ヒナはないかな」
「やんなぁ!俺もないわ」

急に振ってくるから思わず消去法してみる。ヒナには悪いけど俺は連れてかんな。そんな俺に便乗して来たのはヤス。あー、そうなんや。ヒナは無しか。

そこで出て来たのが大倉。

「俺はアリ。村上くん何でも決めてくれそうやん。あれ取って来て、俺はあっち行くし。みたいな感じで」

おお。そうか。確かにな。
ヒナは面倒見がいいから大倉と合うんかもなぁ。

「大倉は受け身やな」
「めっちゃ受け身や」

俺とヤスで納得して大倉はヒナと決まった。それからまた消去法開始。

「そんなん言うたらヨコも嫌や」
「分かるわぁ」

3人で盛大に頷く。
ラジオでは分かりにくいとは思うけど物凄い否定してたで。3人とも。

「自分の食料隠してそうやもんな」
「これ俺のやし、お前は何とかせぇよ。とかな」
「言いそうやーー!」

テンション上がる3人。
ただの悪口みたいになってもうたけど、みんなが賛同するってことはヨコはホンマにコス山なんやな。改めて思ってしまう。


そのあとも消去法して、丸は前半ポジティブやのに後半ヤバそうとか。
そうこうしてたらヤスが急に俺をジッと見てきた。いや、見つめられた。の方が正しいな。





「俺は……やっぱ渋やんかな」




そうか。ヤスは俺か。そうか。





「あ、俺もや。俺もヤスがいい」





なんやろう。
心がホッとしてる。
めっちゃあったかい。

焦って答えてもうたけど、俺も一番に浮かんだんはヤスやった。
だから、ヤスが俺を選んでくれた事が嬉しくて思わず頬が緩んでまう。


「なんかな、渋やんとは協力し合って頑張れそうやから」

一生懸命に俺を見つめて訴えて来るヤスに俺はうんうんと頷く。
でも俺の選んだ理由とはちょっと違う。確かに協力はし合えると思うけど、それだけじゃないねん。


「ヤスは、自分を犠牲にしてまで俺を助けようとするやろ。優しさ故にな。だから………」


だから。



「ちょっとでも長生きする為にはヤスかなって」



ちゃうのに。そーじゃないのに。

笑ってくれるヤスに本音は伝えれないまま。本音なんか恥ずかしくて言えるわけ無い。

「えー何それ。俺最後は居らんやん」

笑う君に俺もつられてみる。

でも、ちゃうねん…ヤス。

お前は優しいから、きっと俺が死なんようにあれこれ尽くしてくれるやろう。
でもな、俺はそんなヤスを守りたいんや。

だから。



だから。



ヤスがちょっとでも長生きできるように、俺がお前にこの命捧げたいって思った。

他の誰でもなく、君がいい。

君さえ笑ってくれるのならば、俺はどんな事だってするよ。
だからいつでも、まずは俺を思い出して、俺を選んで。

他の誰でもなく、俺だけを見て。




end


無人島の質問グッジョブでした。
ほんとにまさかここが相思相愛だとは思ってなかったので、聞いた時は職場とか関係なく叫んじゃうよね(笑)

ごちそうさまでした!
いや、ほんまに。
  1. 2013/03/03(日) 00:23:08|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

恋焦がれてる∞やすば

「うー、さっむ」
「ほんまや。もう3月やのにな」


だってほら、雪、降ってきた。

仕事を終えた俺と渋やんは2人揃ってとあるテレビ局を出たところ。
渋やんの心からの叫びを聞いて俺はふと立ち止まる。



寒いなぁ。
そう言いながら両手を擦る渋やんを横目で伺いながら空を見上げる。
立ち止まった俺に気付いてるのか、気付いていないのか。渋やんはそのまんま足を止めずに先を行く。

まあ、それが渋やんらしいけど。

いつでも、どんな時でも渋やんのが俺よりも先を進んでて
俺まだまだやなぁ、ってその度に考えさせられてしまう。


待ってよ。
置いてかんといて。


心のどっかで俺が叫んでる。
でもこの先ずっと、その言葉を口に出す事はない。
我慢してるんやないよ?
そんな弱いこと言いたくないだけ。

そんな泣き言、渋やんはきっと嫌いやから。
だって流石に俺もそんな言葉は嫌いやし。

だから言わんよ。

渋やんの事、想うからこそ。
渋やんの事、誰よりも知ってるもん。
誰にも渋やんの事なら負けんからな。

だってな
ずっとずっと、このグループとして渋やんと仕事をするもっと前から
俺は君に恋焦がれてるから。

だから分かってるつもりやで。
分かってるんやで。




でも、でもな。


「ヤス?早よせぇや。寒い」


でも。


「渋やんが早いんやろー?」
「お前が遅い。俺は普通や。一般や」


今はまだこうして渋やんの背中ばっか追い掛けるけど
いつかきっと、一緒に並んで歩きたいな。

いつか。
渋やんが俺に頼ってくれるまで。
強そうで儚い渋やんが俺を必要としてくれるまで。


それまでは今のままでいい。


これ以上の幸せなんか望まんよ。

だって渋やんは振り向いてくれるやろ?
今だってそうや。
先を歩いてた渋やんが俺を呼ぶ。


……早よ来いや。


素っ気なく目線を逸らす君に。
逸らしながらも笑う君に。
俺は、今日も変わらず恋してる。



end
  1. 2013/03/02(土) 21:12:51|
  2. やすば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

はじめに。



はじめましての方もそうでない方もこのような場所へ足を運んで頂きありがとうございます。
斑鳩 翼ともうします。

こちらではBlogというより小説をちまちまアップしていきたいと思ってます。
内容も腐向け要素が含まれますので、苦手な方、分からない方はホーム画面へお戻り下さい。
きっと不快な思いさせてしまいます。

大丈夫!むしろ好き!という方はそのままお進み下さい。





【注意事項】

・某有名グループをイメージした作品ですが、あくまでも妄想であり
 ご本人+周辺人物とは一切関係ありません。 

 現実のネタを取り入れることはありますが、それを含めてのフィクションです。
 現実と混同されないようご注意ください。

・使用されている画像等の著作権は著作権元にあります。

・作品は個人的なものなので転載しないようお願い致します。



注意事項にもありますが、現実にあったネタを多々含むと思われます。
ですがもちろん妄想も含まれておりますので、あくまで二次創作としてお楽しみください。

某有名関西アイドル。
関/ジャ/ニ/∞の小説です。
主に好きなCPが や/す/ば ですが、とりあえず美声の野獣、∞の歌姫が愛されてれば私は何も言うまい。

コメントなど頂けますと泣いて喜び創作意欲も湧いちゃいます。
よろしくお願いします。




ここまでお付き合いありがとうございました。
それでは皆様、よろしゅーお願い致します。
へにゃ。

  1. 2013/03/02(土) 20:34:37|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:4