FC2ブログ

妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

『mistake』∞丸すば

.




ふんわりする。
なんやろ、よう説明できひんけど…あいつと居ったら心が柔らかくなるような、そんな気がする。



「なあなあ、今日のギャグやねんけどな」
「…………?」


かくかくしかじかで、こんなどうやろ?みたいに満面の笑みを向けてくる丸に、俺は一瞬考えたのちに笑ってもうた。


「……ええやん」
「やろ!信ちゃんとかヒドいねんで。そんなもん何でもええやろ、とか言うしさー」


ブーブー怒りながらも笑顔が消えてないとこを見れば、そんな腹立ってる訳ではなさそうや。
ただ聞いてほしい。そんだけなんやろな。

その時はそれくらいにしか思ってなかった。
俺が暇しとるし、なんや知らんけど突っかかってくるんかなあ、って。





でも、その日から…
ほぼ毎日のように丸は俺に、何かと構うようになった。


「でなあ、裕ちんがなあ」
「おん…」


しょーもない話を延々としよる。
いっつも誰かメンバーの事やら、自分にあった出来事、俺に関係のある事から全くない事まで。
何がそんなに楽しいのか聞いてみたくなるほど、話してくれる。


別にそれが嫌やとかそんな訳やないけど、なんやねんコイツ、とかは思ってまう。


「で、すばるくんやったらどう思う?」
「………あ?」
「って、聞いてなかったん?いやまあ別にええけどさー」
「悪い。ちゃうこと考えとった。で、なんて?」


いやー、まあ、そんな大した事やないから。

そう呟きつつ笑顔を向けて、そのまま丸はその場を去って行く。
俺はひとり残されて、丸の背中を見つめたままため息をついてしまった。



ほんま、ある意味。


「勝手なやつ…」



勝手に喋り続けて、ちょっとでも俺の気が違うとこ向いたらアイツはさり気なくその場をあとにしよる。
変に気ぃ遣いやがって。

アホみたいにヘラヘラしてる割に、誰よりもそうゆうとこには敏感で、空気ばっか読みよる。

俺は、丸のそういうところが腹立ってしゃーない。



悪いやつじゃない。
嫌いな訳でもない。
むしろ、構って来よるとおもろいし、笑ってしまってる自分がいるってことはどっちかってゆうと好きなんやろなあ、って思うし。


でも。
気ぃ遣って去るようなアホは嫌いや。




「…………ちっ」

ドカッと椅子に腰掛け深く座る。
離れてった丸が、楽しげにヨコと喋っとる。そんな光景がまたイライラさせる。





「すばるくん、機嫌悪いん?」
「…………別に。てゆか、まっすぐ聞きすぎやろ」
「ああ、何もないならええんやで。お節介でごめんな」
「ええよ。亮らしい」


そんな態度を見兼ねたのか声をかけてきたのは珍しい人物やった。
コイツもまた人間観察とかそういうの得意やと思う。まあ、俺が勝手に思ってるだけで、正しいかどうかは知らんけど。…優しい奴や。



「俺らしい、ってどんなんやねん。はじめて言われたわ」
「ほんま?亮は人の気持ちに敏感やし、声も掛けれる優しい奴や」
「え?何か急に褒められるとくすぐったいわあ」


嬉しそうに笑っとる。
亮は人の気持ちに気づく人間やけど、それにわざわざ気ぃ遣うようなおもろない奴やない。
だから、誰かさんとはまた違う。
イライラもさせられへん。


「でもさー、気持ちに敏感なんは俺より丸やろな」
「ん。そうかもな」
「分かっとったんや、すばるくん。まあ、一番丸と一緒におるんはすばるくんやしな。そりゃ、分かってまうわな」


色んな意味を含んだように笑われて、俺は亮から目を逸らし丸を見やる。

別に…
俺がいつでも一緒に居れるわけやない。
ただ、なんか一緒に居ると楽やし、ふんわりするなあ、って思うから。
だからつい傍に近寄ってまう。

丸はなんも思ってないんかもしれんけど、俺が勝手に思とるだけやけど、それでも丸は近寄る俺を突き放したりはせんから、俺は甘えてもうてるんやろなあ。



「…………………」
「すばるくん、気付いとる?」
「何が?」
「ほら、前見たら分かるで」


耳元でそう囁かれて俺は亮から真っ直ぐ前に視線を戻す。
………足。誰かの靴が目に入って、もうちょいだけ座ってる位置から視線をあげてみる。



「……………………」

「おもろいなあ、丸はほんまに」



楽しそうに笑ってる亮の方も向けずに俺はすぐ視線を下げる。
なんやねん、あの顔。
なんちゅー顔して見とんねん。


目の前でヨコと喋ってたはずの丸が真っ直ぐこっちを見つめてる。
なんや渋い顔して、ずーっと見とる。
亮に言われてから意識しすぎなんか、丸の視線が痛くてしゃーない。


「すばるくんも大変やなあ」
「何がやねん。俺は、何も関係ないやろ」
「え?すばるくんそれ本気で言うとる?」
「は?亮はなんか知っとるん?」
「ええええー。そうなんや。それは丸も大変なはずや」


なんや分かっとる風に言われて俺は混乱してしまう。
待てや。
それだけ言うて去ろうとする亮に助けを求めてまう。
でも、亮はニヤニヤするばかりで教えてくれそうな気配さえない。



「え、りょ………」

「自分で考えた方がええんちゃうかな?」



なんやねんそれ。







「すばるくん」


楽しそうに去る背中を見送っていたら、急に後ろから声がかけられる。

…………まる。




「………なん?」

「いや、なんか亮ちゃんと楽しそうやったから…珍しいなあ、と思って」

「…せやな。珍しいけど、別に普通なことちゃう?」

「そりゃあな!関ジャニ∞ってみんな仲ええし」




苦笑い。のような笑顔。
俺でも気付いてまう。
なんか無理して笑っとるんやろなあ、って。


「丸?しんどいん?」

「え?…そんなことないで。どうしたん?急に」

「気のせいならええけど……」



何も聞いてほしくなさそうにされると、俺は聞けなくなってしまう。
これ以上踏み込んだあかん気がして、一歩引いてまう。
ほんまは入ってしまった方がええんやと思う。
ズカズカと丸の閉じそうな扉をこじ開けてやればええんや。

分かってんのに、悟られたくないと必死な丸の気持ち考えると、なんやそれは勝手すぎる気がして前に進めんくなる。




「お前も、丸もヨコと楽しそうやったやんか」

「…………え?横ちょと?そやなあ、確かに喋っとったけど…」




そのまま丸は黙ってもうた。
あれ?
なんやあかんこと聞いてもうたんかな。地雷踏んだみたいな気持ちになって、俺は少し落ち着きをなくしてしまう。
この場が居た堪れなくてキョロキョロと辺りを見渡し、ひとりでギター弾いとるヤスに向けて見た。
ヤスも俺の視線に気づいたみたいで自然と笑みを向けてくれる。


そんな俺の様子に丸は気づいたのか、はあ、と息をつく。
その音に俺は反応してしまった。



「なんやねん。ため息とか…」

「え?俺、声に出しとった?」


慌てた様子の丸を見るとほんまに自然と出てもうたんやろう。
「ごめん。ため息とか最悪やな」って必死に手を合わせる丸に俺もそこまで怒る気にはなれない。



「ため息、つきたくなるほど嫌なん…」



そこまで言うてヤバいと思ったけど、もう時すでに遅し。
丸のビックリしたような何とも言えない顔を見て、やってもうた、と目を瞑る。

…………あーあ。

繊細な丸には一番言うたらあかん言葉って分かってたのに、こんなん言うたも同然や。

ため息つきたくなるほど…


嫌なんやったらもうええよ。って。



敏感な丸のことやし伝わってもうてるんやろなあ。



「ごめん、丸。今のは違う」

「………何が?別にええねんで。確かにため息ついてもうたんは俺やし、すばるくんが呆れるんもしゃーないから」


だから。
違うのに。


それだけ言うて笑う丸が痛々しい。
なんでそんな我慢しとんねん。
もっとワガママ言うたらええのに。
俺にまで気ぃ遣って。



それとも、
そんなに俺に甘えられんのかな。



「あ、そうや!すばるくん、俺用事あったん思い出したし、ちょっと抜けるわー」

「……は?」

「ごめんって。すぐ戻る言うといて」




またや。
また気ぃ遣って俺から離れていきよる。
なんやねん、それ。
俺の嫌いな丸を全面に出しやがって。



…………………………っ






「…………なんで?」

「いや…用事がなあ。ごめんやで」





「…そんなこと聞いてへんわ!」

カチンと来て早くも怒鳴ってしまった。我慢しとったのに。
怒ったらあかんって、悪化するだけやって、あんまキツくならんよう気をつけてたのに……もう全部が台無しや。


ビクッと肩を震わせる丸を見て、俺は前髪をくしゃりと掻き分ける。
イライラしてるように見えるやろう。
実際、冷静ではないんやから。



「……ごめん」



沈黙状態やったとこに、丸の声が小さく響く。

その声にまた俺は掻き乱される。

「…………………」

空気に耐えられなかったんやろう、丸は俺に背を向けて部屋の外へと消えて行った。
残された俺は、考えるだけ無駄やって分かってる。
もう、すでに分かってもうてる。


だから。
丸のあとを追いかけてその手を掴んだ。




「……っすば…るくん」

「………逃げんなや」



驚いた様子の丸はほっといて、俺は丸の目を見つめる。
真っ直ぐに、逸らしたらあかんって言い聞かせながら見つめた目はどこか揺らいでて、不安やと語りかけて来るようやった。


「…………用事や、言うたやんか」

「冗談は嫌いや。逃げんのもな」

「冗談や、ないよ。ほんまのことや」


必死で笑いかけて来る。
その笑顔が引きつってて、俺はどうしようもない気持ちに襲われる。


「そんな、顔して…笑うなや」
「え、どんな顔してる?普通やろ?」
「ちゃうわ。俺の知ってる丸の顔やないよ。…あかん顔してる」


あかん顔ってなんやねん。
自分で言うといて心で突っ込むなんて大したもんや。
こんな緊迫した空気の中で、俺は何をしとるんやろう。何を言うとるんやろう。


「なあ、丸。……逃げんで」
「え?」
「気ぃ遣ってかなんか知らんけど、すぐ俺から離れようとする癖直らんの?」
「……別に。離れようとかは思ってへんよ」
「離れとるわ。今も、俺置いて逃げたやんか」



俯いてしまう。
言うてるうちに悲しくなってしまって、丸の顔が見れへん。
ほんまに丸が俺のこと嫌いやったらどうしよう、とか。
柄にもなく考えてしまってる。

でも右手は、丸がどっか消えんように手を掴んだままで。
丸も振り払おうとかしないから、俺はそれに甘えとるんかもしれん。

今も、丸が優しいって分かっとるからこんなワガママ言える。
丸やなかったらここまでは出来んかったやろ。


「すばるくん?」
「………」
「ごめんな。…俺、確かに逃げてたんかもしれん」
「…………ん」
「それはな、俺が弱かったから。すばるくんに嫌われたくなくて、何かある前に逃げるようにしてた。気ぃ遣ってたと思ったんなら、それが原因かもしれん」


嫌われたくなかったん?
じゃあ、なんでそんな人の意見ばっかり優先すんねん。
俺の気持ちなんて分かってもくれんかったのに。


「だから、嫌いやとか、そんな気持ち全くないから」
「ほんまに?」
「こんなことで嘘なんかつかへんよ」


安心したように笑う丸を見て、俺が不安にさせてたんやと思った。
逃げてまうのも、俺が追い詰めたりしたんかなって。
丸は繊細やって分かってたはずやのに、俺は甘えてしまって、丸にこの気持ちを押し付けようとしとった。

居た堪れなくて、掴んでた手を放してしまった。

俺に、丸を引き止める理由がどこにあるんやろう。
ここで丸を止めても、丸はまた俺のこと考えて苦しいだけなんやないかな。



放された手を丸はジッと見つめて、俺と目を合わせるかのようにしゃがんで覗き込んできた。
そんな丸を軽く睨んで、俺は目を逸らす。



「どしたん?手?放してもええの?」


冗談交じりに話す丸は優しくて、俺の心をぎゅっと締め付ける。


「ええよ。丸の好きにした方がええ」
「……………」
「俺のこと気にしたら丸が疲れるだけやから」



それだけ言うて次は逆に俺が背を向ける。
丸を解き放つように、そんな気持ちで振り向いた。それだけやったのに。


「すばるくん!」


丸は、必死な顔して俺の手を掴んで来る。
なんやこれ。形成逆転みたいになっとるやんか。


「丸、もう気ぃとか遣わんでええから。優しさとかいらんから」
「……ちゃうよ。すばるくん」
「……何がちゃうねん」

「なんか勘違いしとる。俺は、…………その、すばるくんが好きやから…嫌われたくない一心で必死やっただけやねん!」



一気に言われた言葉に、俺は目が丸くなる。
分かりやすく驚いてしまった。
だって、丸がなんやわけ分からんこと言い出したから。


「…好きって…」
「そのまんまの意味やんか。あーもー、すばるくんにはちゃんと言わな伝わらんと思ってたけど…ここまでとは」



困ったように笑う丸に、俺はまだ思考がついていってない。
ただ、なんか、丸が嬉しそうで、俺の心もなんとなく軽くなった気がした。



「そういうことやから、すばるくん。俺は、すばるくんを大事にしたいからこういう態度になってしまうだけで……他に意味とかないから」
「…、そうか」



「じゃあ、先に楽屋戻ってるしなあ」



ルンルンで走り去る丸の背中を次こそ見送ってしまった。
置き去りにされた俺は、どうしたものか。頭の中が混乱して、頬が熱くなる。


「こんなんで戻られへんやろ」




ボソッと呟いて頭をわしゃわしゃとかき乱す。

でも、混乱してるけど、
ちゃんと丸の気持ちは伝わってて、
その答えは、もう既に決まっている。



早よ。
伝えなあかんね。


俺はそう意気込んで拳を握りしめた。





end
スポンサーサイト



  1. 2013/09/16(月) 03:00:14|
  2. 丸すば
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0