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妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

あい、をん。∞やすば

.



「なあ、渋やん知ってる?」


「なに?」


「日本語って凄いねんでーって話」


「何それ?まずヤスが日本語ちゃんと喋れてへんやん」


「いや、まあ、そこは流してくれてもええやんか」



苦笑いしながら俺を見やる。
困ったように嬉しそうに笑う顔が幸せそうで、こっちまで伝染してしまいそうや。

そんなヤスから静かに目を逸らして手元を見つめたまま言葉の続きを待つ。




「で、なんの話?」


「あ、そうそう。平仮名ってな……」




そう話しながらヤスは紙に

あ い う え お


と書き出した。


その動作を俺は暫く見つめることにした。



それから数分は経ったかな。

ただ黙って見つめるのにも飽きてきた頃、「あ」から「ん」まで書き終えたヤスが俺を嬉しそうに見上げる。


欠伸を噛み殺して目を赤くさせたまま俺は視線を合わせて、紙に書かれた平仮名を見つめる。


「……で?これが何?」

なんでわざわざ書いたん?って聞きたくなるけど、ヤスなりに考えがあるんやろうと続きを少しだけ期待して促す。



「これ見て何か思わん?」


「………………なんかって?」


「うわ、すげえ!とかなんか気づくことない?」


「ごめんやけど全く分からん。質問の意図も読めん」


いや、ほんまに。
何が言いたい?
俺にどんな答え求めてる?
どれが正解で不正解?

まったく分からんし、考える気も起きん俺は眉を顰めた。



で?


伺うようにヤスを見やって答えを待つ。





「最初と最後。凄いねん」


「最初と………あ?」


「それもやねんけど、」





『あ』と『い』を指差されて俺はヤスを見つめた。





「あ、い?」


「そう!あい。最初は愛(あい)されて生まれてくる」




自信満々に言われてただただ頷く。
そんな俺見てヤスは嬉しそうに笑ってそのまま続けた。


「そんで最後は、……をん」


「おん?」


「恩(をん)で返す」



ああ、なるほど。
素直に凄いとは思った。
純粋にヤスの言葉が心に響いた。



「どう?渋やん」

「ん、すごいなって思った」

「やろ!俺もな、聞いた時すっごいな~日本語!って思ってん」



すっごい嬉しそうに肩掴まれてぶんぶんと揺さぶられる。
わかった、わかったから。
そう片手でソッと離してもっかい机の上の平仮名を見る。


わざわざ、それ説明する為にこれ全部書いたん?

そうは思っても口には出さず微笑んでしまう。




「どしたん、渋やん?なんか可笑しい?」


心配そうに見られても困る。

可笑しいよ。

一生懸命コレのために書いたんやろ。
俺に伝えたかったんやろ。
どんな反応されるか不安やったんやろ。
すごいと言われて安心したんやろ。


ぜんぶが分かるから余計に可笑しい。



ついに笑ってしまう俺にヤスは不思議そうな顔で見てきて、そのうち怒ってしまった。


「何がそんな可笑しいん?笑われんの嫌やわ」

「いや、ごめん。お前ほんま可愛いな」


サラッと告げるとヤスはびっくりした顔で俺を見やる。
そんな姿にまた笑う。
なんぼほど素直やねん。



「え!?だ、だって!そんなこと渋やんいっつも言うてくれへんし」



慌てっぷりもまた可愛い。
そんな焦らんでも、別にいじめてるつもりはないんやけど。



「思ってても口に出さんだけや」


そう伝えて頭撫でると普通に払われる。
やめてくれって顔が言うてても真っ赤で俺も戯けてしまう。



「なあ、ヤス。さっきの続きやねんけどな」


「さっき?愛されて~のやつ?」


「そうそう、それ」



ゆるく話して、そのままヤスの耳元に口を近づけて呟く。




「俺は、愛されたら………
…………恩じゃなくて愛で返したいな」





バッと顔を見てくるヤスにフッと微笑んで、
俺はそのままキスをする。


触れるだけの軽いキス。

そんな俺を見て、ヤスも小さく笑いだした。




「渋やんこそ、可愛すぎる」


「…知ってる」



ヤスの言葉に上から被せて、俺も笑う。




愛されて恩で返す。

日本語としては正しいかもしれんけど、俺にとってそんな正論どうでもいい。


愛されたんやったら、
愛で返さなあかんやろ?


それが俺の考えであって、俺の中での正論。


どれが正しくて、どれが間違いかなんて誰に聞いたって分からんこともある。



やったら作っていけばいい。




2人で、2人だけの答えを。



見つけ出せばいい。



2人で、2人だけの道を。




end










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  1. 2016/05/04(水) 00:26:08|
  2. やすば
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君に溺れる∞やすば

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これもいい。
あれもいい。

あ、これとか渋やん好きそう!
でも、こっちもな~



「……………………」


「……章ちゃん?」


「ん~…」


「章ちゃん!」




うわ!
羽織ってたパーカーのフードを優しさの欠片が微塵もないまま引っ張られて、俺は後ろに転びそうになる。

引っ張った犯人錦戸は悪びれた様子もなく、怪訝な顔して俺の手元を見てくる。





「なに?レコード、そんな好きやったっけ?」


「え、まあ、最近好きかな」


「…へえ」



真っ直ぐ見つめられて、別に悪いことしてへんのに目を逸らしてしまう。
宙を泳いだ俺の視線に亮は気づかないふりして質問を続けた。




「すばるくんの影響?」

「お、、ん。まあ…」


何を慌ててるのか。
自分でも不思議なくらい挙動不審で、亮が面白がるのも仕方ない。




「まあ!確かにレコードっていいもんな!俺も貰ったやつ聴いたけど、やっぱすばるくんってすげえなって思った」



「う、うん!ほんまに」



あ。
なんか今ちょっと面白くないって思ってしまった。

亮がほんまにハマってしまったら、俺の今の居場所とられるんちゃうかなって。
ちょっとだけ怖くもなった。




「亮も、結構聴くの?」


少しだけ。
少しだけ早口で尋ねる。




「いや~、すばるくんから貰ったレコードくらいかな?あんまり詳しく分からんし!」



嬉しそうに話してくれる亮に俺も微笑む。
俺も、そんな詳しくは分かってない。
たぶん。
それは自覚してるつもり。



でも、渋やんが勧めてくれるレコードはどれも最高でどんどん好きになってる。

分からんのに、ただハマってる。




「でも、章ちゃん。ほどほどにしときや」



分かってる?
そう言いたそうな顔で亮が笑ってくる。



分かってる。
亮の言いたいことは十分に気づいてる。




「うん。そやな」




そう言って軽く手を振り亮と別れる。


手元のレコード見つめて我に帰ると笑ってしまった。





「俺、何枚買うつもりなんやろ?」




何十枚ものレコードを手に、俺はただひたすら渋やんのこと考えてたんや。


亮に声かけられへんかったら、何百枚になってたんちゃうかな?


そう考えると自分が怖くなる。







…………trrrrr




そんな想いに浸ってる時に、なんていいタイミング。
すばるくんからのメール。




『俺ん家でレコード聴かん?いいの手に入ってん!』



「……………」



断る理由って用意されてるんかな?
やとしたら教えてほしいよ。


そんなもんある訳ないんやから。



『すぐ行く!』



渋やんが俺のこと想ってくれてなくたっていい。

ただ、レコード好きの仲間を増やしたいってだけでもいい。


話し相手が欲しいだけでも。

寂しいからってだけでも。

もう、なんだって理由がなくたっていい。



俺が渋やんと居たいから。



渋やんが少しでも俺を求めてくれるなら、


渋やんのしたいようにしてほしい。






きっと俺は渋やん家に着くなり、満面の笑みの渋やんを見て笑うやろう。

嬉しそうにレコードを持って微笑む渋やんが愛しく思えてくるやろう。



「な?めっちゃええやろ?」

そう言われて、俺はただただ頷くと思う。
テンションの高い渋やん見て、ただただ嬉しくなる。




「うん。渋やんの選ぶレコードがやっぱ一番ええな」




そう言って俺はどんどんレコードにハマってく。


レコードにハマって。



渋やんにハマって。




泥沼から抜け出せなくなる。





たぶん。

きっと。






「なあ。渋やん!これも渋やん好きじゃない?」



「お!いい趣味してるやん、ヤス」





俺はそれらを全て理解した上で


足を突っ込んだんや。






レコードってゆう名の


渋谷すばるの沼に


ハマりたくて





わざと罠に掛かってやった。




渋やんは


それを知ったら嫌になるかな。




それとも、


喜んでくれるかな。









今はただ、深く沈んでいく両足を



幸せだと見つめることしかできなかった。



end









  1. 2016/01/31(日) 00:54:29|
  2. やすば
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パンツ事情∞やすば

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「ちょっと、さあ」

「なん?」

「あんまりパンツ見せんのはよくないんちゃうかな?」


不思議そうに見上げてくる渋やんに思わず可愛いって思いながらも、しっかりと言い聞かすように怒り続ける。


「なんで?」

「だって、あれはいくらなんでもサービスが過ぎるというか…」



話していると思い出して恥ずかしくなってくる。
明らかな際どい下着つけて、それでなくてもスカート短めで、見える人には見えてるのに
最近では自ら見せに行くようになってしまって。

俺は内心ハラハラとモヤモヤであの時間が嫌になってくる。



「見せるいうてもほぼ女子やんか。そんなもん見て興奮する奴なんかほとんど居らんで」


「いや、まあそうやけど。でも、最近は男eighterも増えてきてるし………」



「てゆうか、まず俺も男やしなあ」



俺にいう?
男やしなあ、そうは言うても渋やんは確実に男にモテてると思うんやけど。
自分でもわかってるはずやろ?
モテてるとか告白とかだってあるくらいやし。

あと、これは俺の意見でもあるんやけど、正直ほんまにすば子は可愛い。


「まあ、興奮してるんはヤスくらいちゃうー?」


嬉しそうに笑ってくる渋やんにしどろもどろしてしまう。
分かっててそういう事言うんは相変わらずやな。



「………ヤス?」


「ほんま危機感ないよな」



すば子のままの渋やんを押し倒して見つめる。
渋やんもさすがに観念したのか暴れたりせず、ちゃんと俺の目を見てくる。



「俺が言いたいこと分かってくれた?」


「………………」


「無防備すぎるんもほんま考えもんやで」





ため息まじりに呟いて俺は渋やんに笑いかけたら、渋やんは眉を顰めて呟いた。





「心配してくれてるんは伝わったけど、今はお前も安子やからな。安子がすば子押し倒してる図はどうかと思う」


「………あ」


「カッコいいんかただの変態かよう分からんようになるんやけど」




笑い出した渋やんに思わず釣られて俺は笑ってしまう。
最悪や。
カッコつけたかったつもりが女装のままって。


ただ、押し倒した渋やんが思ってた以上に可愛くてほんま危ないなーって改めて実感した。
スカートってギリギリのラインでやらしいんやな。



「まあ、でも」


「ん?」


「すば子の好きな人は~………男らしくて、心配性で、ちょっと変態で、天然の……」


「…………」


「安田くんって言う人よ」



ギュッと思わず抱きしめてしまってすば子の髪が手に絡みつく。
漂ってくる香りや抱きしめたラインはいつもの渋やんやのに、なんか違う人みたいで変な感じ。


「でも、安田くんには大事な人がいるんでしょ?」



すば子の演技のまま俺に目配せして微笑んでくる渋やんが妖艶で、俺は安子のまま照れてしまった。

だから恥ずかしくて、そのまま安子の演技をして話し出すことにする。



「そうなの。安田くんは、安子よりとっても大事な人がいるみたい」


「それは安子、とても残念ね」


「でも、きっとその渋谷くんって人も安田くんを愛してるから私はその2人の幸せを願いたいと思ってる」



話し終えた俺を渋やんはおもむろにギュウッと抱きしめてくれた。

すば子のままやからすっごい可愛くて思わず緊張してしまう。




「はは、緊張してるん、ヤス」


「だって、渋やんじゃないみたいで」


「浮気してる感じ?すば子と俺どっちも好き?」


「浮気って。同じ人間のはずなんやけど…………でも」




俺はやっぱりいつもの渋やんがいい。


男やからとか女やからとか全く関係なくて、渋やんやから好きなんや。



「渋やんが好き」


「ん、ありがとう」


「すば子より渋やんのが可愛いよ」


「うん。すっごい複雑やけどな」



困ったように笑う渋やんに俺も思わず笑ってしまう。
でもほんまのことやし。
渋やんは素でおってくれたほうが可愛いと思える。



「ヤスも、かな」

「え?」

「ギターとかかき鳴らしてるヤスめっちゃカッコいいし。カッコいい方が好きや」


めっちゃ嬉しい。
嬉しすぎて思わずヅラをとって抱きしめ返してしまう。

そんな俺に渋やんは驚いてまた爆笑した。



「ヤス、頭とっても制服やから、逆に変やで」


「ああ、ほんまやな」



そう言っておもむろに服脱いで渋やんに近づく。
渋やんも嫌がらず腕の中にすっぽり埋まってくれた。


可愛い。


けど、なんか悪いことしてる気分になるから苦笑してしまう。



「ヤスのロリコン」


「いや、実年齢でいうとちゃうやんか」



二人で笑ってたわいもないアホな会話してる時間が俺は何より大好きや。


年齢も、姿形も、性格も、性別も


そんなもん何でもいいんや。


渋谷すばるが好きで

安田章大が好きで




二人はこれからも愛し合っていく。



end


おまけ


大「うわ、ヤス変態やん」
亮「裸でとか、すばるくん大丈夫?」

渋やんがやたら心配されて、裸の俺は変質者扱い。

安「いや。これには事情があって」


丸「すば子が可愛いからってこんなことして……」
横「すば子大丈夫?あとは村子に任せなさい」


安「え、ちょ、待って」



そんな意見も聞いてもらえず俺はとうぶんすば子から離されることとなった。



「えいっ」

ひらりと舞うスカートから今日もいろんな色のパンツが見え隠れする。


「だから渋やんパンツはあかんって!」

「大丈夫や。全てを見せるんはお前にだけやから」


そっと囁かれて次のセリフも歌も飛んで行ってしまい、

また怒られたことは言うまでもない。




end









  1. 2016/01/05(火) 02:02:30|
  2. やすば
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「酒には飲まれても恋には溺れるな」∞やすば

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9月。

俺らの誕生日月。



毎年のごとく、みんなに祝ってもろて、幸せいっぱい笑顔いっぱいで、夜は渋やんと2人で過ごす。

長年連れ添った夫婦のように肩を並べて、何を話すでもなく、ただ二人の生誕を祝う。


渋やんの好きなワインも用意して、ケーキももちろん食べて、
だらっと過ごしながら目の前の写真を見つめる。



「これ、去年の?」


「ん?ああ、確か…そう」



すっと手にとって見やる。
写真には酔った顔のメンバーがうつってて、それはそれはみんな幸せそうな顔してる。


そんな姿見ると微笑ましくなって、俺は関ジャニ∞で良かったなって心から思える。



きっと渋やんもそうやろう。

こんな写真を大事に飾ってるんやから。



……まあ、怒るやろうから言わんけど。



「にやにやして気持ち悪い」


「えー、気持ち悪くてもええけどな~。しゃーないやん。関ジャニ∞のこと考えたらこんな顔しか出来んのやもん」


はっきり話す俺に呆れ顔の渋やん。

アホやな、とか思ってるんやろな。


いや、まああながち間違ってないんやけどさ。







「…なあ、思わん?」


「は?何が?」


急すぎる、と言われて、確かにと納得してしまう。
自分の中では続いてた疑問符が宙に浮いたまま笑いに変わった。



幸せや。



「関ジャニ∞で良かったな、って」



「………ああ。そんなこと」




あたかも普通なことのように言われて、苦笑してしまった。



「そんなことって、凄いことやと思うんやけどな」


「分かってるよ、凄いことやって。でも、ヤスに言われると今更やなって」



そう話した顔はどこか優しくて、こっちまで柔らかい雰囲気になる。
たぶん渋やんは気づいてないんやろな。自分が関ジャニ∞のこと話すとき、こんな顔してるなんて。

俺らってほんま愛されてんなーって幸せに思うことも。



でもさ。

ほんまに凄いことやと思うんよ。


一息ついて、渋やんを見つめた。



「…この人生を歩んできたから渋やんとこうして出会えて、今この瞬間を一緒に過ごせてるんやね。
そう考えたら凄いことやな」


「……………」


「俺はこの道を歩んで正解やったみたいや」


満面の笑みやと思う。
まっすぐ見つめた渋やんの目が大きく開かれて、そのままうっすら細められる。

あったかい眼差しで手元の写真見つめて、驚きつつも悪戯に微笑んでくれた。





「ちっさいなあ」



その顔は俺の好きな表情のひとつで、俺は見つめたまま笑って首を傾げる。
言われてる言葉はキツイはずやのに、言い方が愛のある優しいトーンやから、どうしても緩んでしまう。

そんな俺をチラリと見つめて、大きな目が俺をまっすぐ捉えて離さない。




「お前は今の人生選んでへんかったら俺とは出会えてないんか?」




「え、……どう、やろ?」


急な質問と吸い込まれそうな瞳に釘付けになる。


そのまま渋やんは俺を見続ける。





「…俺は違う」


「……?」




「俺は、どんな人生を選択してても、お前のことは見つけてた。どの選択肢にもお前はいるはずやから、…きっとどうなってようと今この景色は変わってないはずや」



自信たっぷりに話す渋やんがカッコよすぎてときめきと少しの悔しさで心が締め付けられる。


何も返せない俺に、渋やんは嬉しそうに笑ってくれた。



「……だって、ヤスはいつだって隣で笑ってくれてるんやろう?」




そんなことっ………


分かってるくせに。
俺の言いたいことも、想ってることも、渋やんが望むまま答えが用意されてんのに、わざわざ聞くとこが厭らしい。







「ほんっま、男前すぎて俺が恥ずかしい」





顔を赤くしながらそんなことしか返せんかった。
そんな俺を楽しそうに見つめて、渋やんが口を開く。




「とりあえずは来年も一緒に祝おうや」



「え、あ、…もちろん!」



「………約束な」




不敵に笑う渋やんがお酒の力もあってかカッコよすぎて、俺の顔がどんどん熱くなる。

カッコいいのに、約束ってゆう渋やんは可愛くて。




あー
ほんまにこの人は、って

翻弄される自分に一番呆れてしまう。





「おめでとう、ヤス」


「渋やんこそ、おめでとう」



俺の言葉にニッと笑ってワインを飲む仕草も色気があって、

たぶん俺は、


来年も再来年も、きっとその先もずっと…………




この人に翻弄されて、


この人だけを求めて、



この人しか見えなくなっていくんやろう。





でも、

こんな風に笑ってくれる幸せそうな姿がずっと隣にあるのなら


それも、いいかなって


思えてしまう。




これも、


きっと、



お酒の力なんかもしれん。





「好きやで、渋やん。愛してる」






そう、


きっと、これも。




すべて。



end




  1. 2015/10/02(金) 00:36:17|
  2. やすば
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好みのタイプ∞やすば

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「あいつ、マジで分かりやすいな」


「……え?なんかあったんー?」


「ここ見て、やばいやろ」


「何これ~アホやん、ヤス。というか亮ちゃんもよく見つけたな」


「俺はこういうのちゃんと読むからな、大倉と違って。……それより、これやっぱあの人の事やんな?」


ムッとした顔の大倉が錦戸の方へと視線を移したが、錦戸の言葉でチラリと斜め前方へ視線を移しかえる。


そんな大倉の動作に釣られて、錦戸もまたそちらへと視線をうつす。




「………?、なに?」



2人からの痛い視線に気づいた渋谷は驚いた様子で二人を交互に見渡した。



「すばるくん、気をつけてな」


「は?」


必死に訴えてくる亮の顔は本気で、その隣にいる大倉は楽しげに笑ってる。



「すばるくんモテモテやなあ」


「だから、何がやねん」


意味が分からん、と大倉に問いかけても教えてくれる気は更々なさそうや。

そんな大倉にイラっとした俺は立ち上がって詰め寄る。




「何がおもろいんか言うてみ」


「あかんて、もうそれ脅しやん」



少しだけ後ろへと逃げ腰の大倉に、俺は眉間に皺寄せてそのままの近さで睨む。

そんな俺と大倉に慌てた亮が俺にリサイタルのパンフレットを渡してきた。



「すばるくん、これ!」


「パンフレット?なんか変なこと書いてたっけ?」


「いや、すばるくんは通常運転な感じやけど、ひとり可笑しいの混ざっとる」



亮の口の悪さに少し笑いながらも、俺は渡されたパンフレットを1ページずつ捲っていく。

なんや?
これの一体何に気をつけるんか、何が面白いんか、全く分からんのやけど。



「そんなパラパラ読んでたらたぶん気づかんで」



大倉の注意する言葉に俺はもう一度じっくり読むことにした。

そんな俺を2人が見つめる。




でも、いくら読んでも何に対して言うてるんかが分からん。





「ほんますばるくんって鈍感やな」


「ヤスが不憫に思えてきた」



………………ヤス?



まず鈍感ってゆうのでイラっとしたけど、そのあとに続いたヤスという名前に反応する。

え?
ヤスが原因なん?



「どういうこと?」

「………好みのタイプ。その質問のヤスの答え。それって、」


「それ、、、」




亮に言われてそのページを読んでいく。



ヤスの好みのタイプ。


くしゃくしゃの笑顔。

味覚が同じ。

屁をこいてくれる。



「なんやねん、最後の。あいつおかしいやろ!」



「だから、いい加減気づくやろ、すばるくん」



は?
俺が気づく?

ヤスの好みのタイプ。

これ、


え、



俺のことなん?






「わかった?」



大倉がニヤニヤと笑うもんやから、俺は声を張り上げて「ちゃうやろ!」って叫んでしまった。



そんな俺に驚いたヨコとマルは

「どうしたー?」

って声をかけてくれる。





俺は意味がわからんモヤモヤに心が乱されてる。


亮の心配そうな顔と、大倉の楽しそうな顔が俺を見つめてくる。


オマケに何も知らんヨコとマルまで加わったら考えたいもんも考えられへん。

考えられへんからこそ俺は投げやりになってしまった。






「でも、俺のことやってヤスが言うた訳やないやろ」





その言葉に4人がそれぞれの顔で見つめてくる。
ヨコとマルは全く意味が分からん状態のままで、亮は驚いてて、大倉は呆れてる気がする。





「なあ、すばるくん。それって本気で言うてるん?」


「やとしたら可哀想や」



亮の質問に大倉が泣いたふりして俺を見やる。
ヨコは何かに気づいたのか苦笑いしてて、マルは現状把握はまだまだ先の様子。




「なんでやねん!俺がおかしいみたいになっとるやん」

「すばるくんがおかしいよ!あんな分かりやすいのに全く気づいてへんとか」

「いや、どっくんやめたって。すばるはほんまに純粋なやつやねん」



亮の理解できん!って顔に、ヨコが加わってくる。
俺の前に立つかのようにヨコが守ってくれたけど、

え?

ヨコも気づいてたってこと?



最悪やん。
知らんかったん俺だけ?



「大丈夫やすばる。たぶんヒナも気づいとらんから」



ヨコの励ましのような心を見透かしたような言葉も全く嬉しくない。




「ほんまか…」




これだけ言われて信じひんのもおかしな話やし、みんなを信じることにはするけど、信じたところで俺はどうすればいいんやろ。



普通に接してたらええんかな。


なにこれ。めっちゃ悩むやん。






「あ、おつかれー」




そうこうしてたらめっちゃ笑顔のヤスがこちらへと向かってくる。

その後ろに、疲れたなあ、って顔したヒナもいて、
俺らが集まって変な顔してるからか二人とも不思議そうに見つめてきた。



「どうしたん?何かあった?」


ヤスの顔が見れへん。

めっちゃ普通に、自然体で話そうと思ってもまず目が合わせられへん。



だって、

俺が好みのタイプってどういうことなん?





もちろん聞けるわけもないし、

無視する訳にもいかんし、





みんなから注目されてる中で




「お、おつかれ!」





これが精一杯やった。




のに、空気の読めない代表の丸山くんが





「なんか俺も分からんねんけどなあ。みんなでリサイタルのパンフレット見てわあわあ言うてるねん」






アホか、お前!

怒りたくなる前に亮が絞めてくれたので助かった。


そんなやり取りにヒナはいつも通りの反応で

ヤスは

一瞬こちらを見つめて、何もなかったかのように楽しげに笑った。






あれ?
気のせい………じゃないよな。



「パンフレットの出来映えめっちゃええもんなあ!さすが亮プロデュースやわ」



明るいヤスの声が響いてみんなも笑顔になる。
俺はこの空気がめっちゃ好き。
落ち着くというか、マイナスイオンが出てるというか、パッと空気が良い方向に変わる瞬間。
ヤスだからこそのパワーやと思ってる。



ヤスは、人一倍気を使う人間で

ワガママな俺はいつも甘えてばっかりや。



今もみんなの空気が変やったから、あえてそこに触れへんかったんやろ。


ヤスの優しさに誰もが救われる。




俺は、そんなヤスが好きや。





だから




「ヤス……ありがとう」





みんなの声を遮るようにつぶやく。
シーンと楽屋が俺の声で静かになった。


ヤスは首を傾げて微笑んでくれる。




そんなヤスが、





「………好きや」





俺も。
きっとお前のことが好きや。



俺の言葉に誰よりも驚いたのはヤスで、泣きそうな目で俺を見てくる。




「だから、こんな遠回しに告白してくんな」




パンフレットを渡して

ヤスに苦笑する。





「俺に言うて来いよ」


受け止めたるから。

言えへん気持ちってのはわかってる。
ヤスのことやし、俺のこと最優先で考えて、迷惑かけたくないから言わんとこうとしたんやろ。


でもそんなことせんでええ。



もっとワガママ言えばいいねん。



俺がいくらでも聞いたるから。






俺の言葉にヤスは頷いて、



みんなは待ってましたと言わんばかりに喜んでくれた。



「は?お前らなんなん?」



「嬉しいに決まってるやん!ヤスの片思いがやっと成就したんやで!」


「何年越しの想いやと思ってんの!」


「ほんまのとこ無理やと思ってたもんなあ」



賑やかに話が進む中でヒナはいつも通りで。


「ヤスってすばる好きやったん?しかもそんな前から?大変やったやろ~」



マルはなんでかちょっと拗ねてる。



「章ちゃんが幸せなんはすっごい嬉しいんやで。でも俺もすばるくん好きやのに~」



はいはいってみんなに言われて納得させられるマルが面白くて俺は笑顔になる。

そんな俺をヤスはいつもと変わらない暖かい笑顔で見守ってくれてる。




俺は、この笑顔が好きなんや。




改めてそう感じて


俺も、みんなに見つからないようにヤスだけに優しく微笑んだ。






end




  1. 2015/08/06(木) 00:01:20|
  2. やすば
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