妄想∞すてーたす

∞の現実ネタを取り入れたBL二次小説を創作しております。主にやすば中心ですが、メンバー全員愛してます。

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あい、をん。∞やすば

.



「なあ、渋やん知ってる?」


「なに?」


「日本語って凄いねんでーって話」


「何それ?まずヤスが日本語ちゃんと喋れてへんやん」


「いや、まあ、そこは流してくれてもええやんか」



苦笑いしながら俺を見やる。
困ったように嬉しそうに笑う顔が幸せそうで、こっちまで伝染してしまいそうや。

そんなヤスから静かに目を逸らして手元を見つめたまま言葉の続きを待つ。




「で、なんの話?」


「あ、そうそう。平仮名ってな……」




そう話しながらヤスは紙に

あ い う え お


と書き出した。


その動作を俺は暫く見つめることにした。



それから数分は経ったかな。

ただ黙って見つめるのにも飽きてきた頃、「あ」から「ん」まで書き終えたヤスが俺を嬉しそうに見上げる。


欠伸を噛み殺して目を赤くさせたまま俺は視線を合わせて、紙に書かれた平仮名を見つめる。


「……で?これが何?」

なんでわざわざ書いたん?って聞きたくなるけど、ヤスなりに考えがあるんやろうと続きを少しだけ期待して促す。



「これ見て何か思わん?」


「………………なんかって?」


「うわ、すげえ!とかなんか気づくことない?」


「ごめんやけど全く分からん。質問の意図も読めん」


いや、ほんまに。
何が言いたい?
俺にどんな答え求めてる?
どれが正解で不正解?

まったく分からんし、考える気も起きん俺は眉を顰めた。



で?


伺うようにヤスを見やって答えを待つ。





「最初と最後。凄いねん」


「最初と………あ?」


「それもやねんけど、」





『あ』と『い』を指差されて俺はヤスを見つめた。





「あ、い?」


「そう!あい。最初は愛(あい)されて生まれてくる」




自信満々に言われてただただ頷く。
そんな俺見てヤスは嬉しそうに笑ってそのまま続けた。


「そんで最後は、……をん」


「おん?」


「恩(をん)で返す」



ああ、なるほど。
素直に凄いとは思った。
純粋にヤスの言葉が心に響いた。



「どう?渋やん」

「ん、すごいなって思った」

「やろ!俺もな、聞いた時すっごいな~日本語!って思ってん」



すっごい嬉しそうに肩掴まれてぶんぶんと揺さぶられる。
わかった、わかったから。
そう片手でソッと離してもっかい机の上の平仮名を見る。


わざわざ、それ説明する為にこれ全部書いたん?

そうは思っても口には出さず微笑んでしまう。




「どしたん、渋やん?なんか可笑しい?」


心配そうに見られても困る。

可笑しいよ。

一生懸命コレのために書いたんやろ。
俺に伝えたかったんやろ。
どんな反応されるか不安やったんやろ。
すごいと言われて安心したんやろ。


ぜんぶが分かるから余計に可笑しい。



ついに笑ってしまう俺にヤスは不思議そうな顔で見てきて、そのうち怒ってしまった。


「何がそんな可笑しいん?笑われんの嫌やわ」

「いや、ごめん。お前ほんま可愛いな」


サラッと告げるとヤスはびっくりした顔で俺を見やる。
そんな姿にまた笑う。
なんぼほど素直やねん。



「え!?だ、だって!そんなこと渋やんいっつも言うてくれへんし」



慌てっぷりもまた可愛い。
そんな焦らんでも、別にいじめてるつもりはないんやけど。



「思ってても口に出さんだけや」


そう伝えて頭撫でると普通に払われる。
やめてくれって顔が言うてても真っ赤で俺も戯けてしまう。



「なあ、ヤス。さっきの続きやねんけどな」


「さっき?愛されて~のやつ?」


「そうそう、それ」



ゆるく話して、そのままヤスの耳元に口を近づけて呟く。




「俺は、愛されたら………
…………恩じゃなくて愛で返したいな」





バッと顔を見てくるヤスにフッと微笑んで、
俺はそのままキスをする。


触れるだけの軽いキス。

そんな俺を見て、ヤスも小さく笑いだした。




「渋やんこそ、可愛すぎる」


「…知ってる」



ヤスの言葉に上から被せて、俺も笑う。




愛されて恩で返す。

日本語としては正しいかもしれんけど、俺にとってそんな正論どうでもいい。


愛されたんやったら、
愛で返さなあかんやろ?


それが俺の考えであって、俺の中での正論。


どれが正しくて、どれが間違いかなんて誰に聞いたって分からんこともある。



やったら作っていけばいい。




2人で、2人だけの答えを。



見つけ出せばいい。



2人で、2人だけの道を。




end










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  1. 2016/05/04(水) 00:26:08|
  2. やすば
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【 独占欲 】∞横すば

.





「最近、メンバーと仲ええな」



「ん~?別に前からこんな感じやろ。そんな改めて仲ええとか分からんわ」



何急に?
黙ってるヨコ見つめてそのままゲーム機に視線を落とす。
そこには止まったままのゲーム内でのキミくんがいて、不思議に思い現実の横山さんをもう一度見やる。



「どうしたん?キミくんぜんぜん動いとらんけど」

「……あ、ごめん。考え事しとった」


え?
ヨコが考え事?
なにそれ、珍しいこともあるもんや。



「そんな忘れるくらいのこと考えとったん?なに、仕事?」


「いや。そんなんじゃないけど…」



けど………
そこで終わられると気になるんですけど。
聞いた方がいい?
でも、ヨコってああ見えて繊細やからあんまり踏み込まん方がええかな。



「…じゃあ今日はもうゲームやめよか~。ヨコも早よ寝たほうがええよ」


「え、でも始めたとこやし。すばるもゲームしたかったやろ?」



「まあ、別にいつでも出来るし!それにいざとなったら大倉おるから、大丈夫やで」



ヨコのこと思って言うた言葉やってんけど、このセリフが思いの外嫌やったみたいで少し睨まれた。

え、なんで?


訳の分からん俺は困った顔で伺う。


なんで怒ってる?
なんかしたっけ?





「……ヨコ?」


「そうやねん。最近ほんま大倉と仲ええよな?」




呟くように言われて、え?と驚く。

大倉?
仲ええってゆうか。まあゲーム友達やし、メンバーやし、仲悪くはないけど。

でもそれってヨコもやんな?



「ヤスとも。めっちゃ距離近いし」


「……ヤス?」


「レコードの話で盛り上がられたら入れへんし」



いや、まあそうやな。
レコード仲間ではあるから、最近そうやね。仲良しかもしれん。
でも、やっぱこっちもメンバーやからさ、仕方なくないか?



「あと、マルも。ヒナもどっくんまでも。すっかり懐いて仲ようなっとるやん」


「まあ。同じメンバーやしな」



懐いてって。
人を動物みたいに言わんといてほしいんやけど。

それに、確かにメンバーとはどんどん仲良くなってるとは思うけど、その分ヨコとも仲良くなってるはずやし、そこは同じやと思うんやけど。



「すばるが独り立ちするんか」


「いや、独り立ちって………とっくにしてるやんか」


「すっごい寂しい。なんか頼られへんと思うと辛い」




何言うてるん、この人。
ちょっと頭おかしいって!

俺が離れてくから?
寂しいってなんでやねん!





「すばるだけは離れへんと思ってたのに…」


「…離れたつもりは、なかったんやけど」




でも。
落ち込むヨコ見てたらなんか悪いことしたんかな?って気持ちになってしまう。

でも、どうしたら正解なんやろう。

ヨコが大事やからってメンバー無視するわけにもいかんし、かといってヨコだけと仲良くするんも違う気がするし。



困って考え込んでたら…



「うわっ」



ヨコが向かってきて俺をすっぽり包み込んだ。
急に目の前が真っ暗になって、何事かと思えばよく知った香りが漂う。

ヨコ?


ヨコに抱き締められてるんやって気づいて、とりあえず動かずに様子を見てみる。





「すばる、逃げへんの?」


「うん。逃げへんよ?むしろ逃げる意味が分からんし」



もぞもぞして顔を出すとヨコの綺麗な顔と目が合った。



「逃げんと知らんで?」

「……ヨコはどうしてほしい?俺が逃げてもいい感じ?」



俺の言葉にヨコは少しだけ苦笑して俺の頭をくしゃりと撫でた。




「逃げた方がいいよって言ってあげたいけど、逃げんといてほしい」



「それ難しいな。……でも、そういうことなら逃げへんよ」



ヨコとちゃんと向き合いたいから。
俺はヨコのことちゃんと想ってるよって全身で伝えたいから。


伝わるかな、ヨコに。




じっと見つめて数秒。
ヨコが耐えきれなくなって目を逸らしてしまった。
そんな姿に俺は笑う。



「ヨコがあかんやん。逃げる逃げへんの問題より、ヨコのシャイさが問題やで」


「そんなじっと見られたら誰だってそうなるやろ!」



「どうやろ?ヒナは何ともなさそうやけど」


「あいつを普通とせんとってくれ」





まあ、確かに。
ヒナは純粋かつど天然で有名やからな。


そこに常識人の横山さん比べてしまったら、全く違う気がする。



それにしても、いつの間にか離されて、なんかめっちゃ寂しい気持ちになった。


たぶんヨコは見られたことが恥ずかしくて俺を無意識に突き放したんやろうけど、なんやねん、それ、おれも寂しいやん。



ふと見舞われた気持ちに困惑する。




こうゆうことやったんかな?



確かめるためにヨコをぎゅっと抱き締めた。



あ、ヨコの香り。





「すばる!?」


「……………………」




抱き締めてみたけど、なんかちがう。


さっきと何がちがう?


驚くヨコを見つめて首を傾げて放す。



なにが……………あ!!





「………ヨコ!!」



これや!
そう考えついてヨコに向かって両腕を広げる。


甘えるように、ほら!と広げてヨコが抱き締めてくれるのをひたすら待ってみる。





「な、なに!?」


「ヨコ早く!」


「いや、だから………」


「俺を抱き締めてみて!」



言うてることが変なんは重々承知や。
分かってるんやけど、これしてもらわな答えが分からん。


そうこうしているうちに、ヨコがゆっくりと近づいて、恥ずかしそうに抱き締めてくれた。



「………やっぱり」



「これで、何が分かんねん」




ぎゅっとされて俺は笑みが零れる。

すごいなあ、って我ながら感心してしまう。




ほら、もう寂しくない。





「ヨコ………安心する」



「え?」




「ヨコが抱き締めてくれるのが一番安心する」




本音やから。
そんな顔せんと信じてほしい。


俺はヨコに傍におってほしい。



「すばるがおかしい」


「おい!なんでやねん」



ハハっと笑うヨコに怒る。
いつものたわいない光景やのに、心がすごく満たされる。


怒る俺をぎゅうっと抱きしめるヨコの手は少しだけ震えてて、
俺はそんなヨコを誰よりも愛しく想った。





「俺は、ヨコから離れへんよ」



「ん、そうして」




すごく短い言葉やけど、ヨコの気持ちが汲み取れる。

ヨコは俺がおらなあかんのや。




こう見えて、俺よりも弱くて繊細で、寂しがりやの生き物なんや。



ヨコの震える手に自分の手をソッと重ねて、




「ヨコも、離れんなよ」




と優しく悪態を吐く。



そんな俺にヨコはとても嬉しそうにはにかんでくれた。





end


  1. 2016/02/05(金) 00:26:04|
  2. 横すば
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大きい子、小さい子∞倉すば

.



「お前ほんまデカいなあ」


「ほんま?ありがとう」


「いや、褒めてないし」


「えー?大きい人が好きじゃないの?」



何言うてるんコイツ。
ゴロッとソファに横たわったまま雑誌を読む大倉を背凭れにして、俺は怪訝な顔をする。

大きい人が好きとか言うたことあったっけ?


「別に好きちゃう」


「へえ。じゃあなんで俺のことは好きなん?」



自信過剰の大倉に負担が掛かるように力強く凭れたまま押す。

痛い痛い~とゆるく放つ大倉に、俺は力を弱めず押し続ける。


すると、



「うわ!」



急に抱き抱えられて、目線が高くなって驚いてしまった。



「あはは、すばるくんめっちゃ軽い」



楽しそうに笑ってる大倉見下ろして、離せっ!と暴れてやる。





「そんな怒らんでもええやんか」


「急に男に抱えられて怒らんやつおらんやろ!」



しゃーないなって降ろしてもらえけたけど、納得いかん。
なんでお前の膝の上やねん。


抱き締めたまま雑誌読んでる大倉を睨む。



「え、なに?まだ怒ってるん?」


「怒るやろ!さっきの位置に戻してくれよ。なんでここやねん」


怒る俺が面白いのか、めっちゃ笑ってる大倉を押し退けようと手を伸ばすも
ほんまに大きすぎて微動だにせん。



「お前、重いわ」


「あ、それ傷つくわ~。大きいはいいけど、重いは嫌や」



一緒やん。
拗ねた大倉に俺はそのまま凭れた。


「あれ、すばるくん嫌じゃないの?」


「嫌やけど疲れた」


嬉しそうに笑う大倉の息が俺の頭を掠める。



「な、大きい人好きやろ?」



尋ねてくる大倉見つめて小さく呟く。



「もし仮に俺が大きい人好きやったとしても、大倉が好きとは限らへんからな」


「はいはい」



むかつく。
俺の言葉に大倉が鼻で笑って俺を抱きしめる。


大きい腕に包み込まれて暖かい。


これはこれでいい。


寒いの嫌いやし、暖かい方が好きやし。





「なあ、すばるくん俺のこと好き?」


「だから………」




雑誌を置いてまで聞いてくる大倉見たら、すごい優しい顔で見てくるもんやから


うん。って頷くしかなかった。




「やっぱり!!俺も、好きやで」


「……………じゃなかったら腹立つわ」




ギュウッと抱きしめられて身動きが取れずに俺はされるがまま。
甘えられてんのか、甘やかされてんのかいまいち分からんけど、たぶんどっちもやろう。



「お前は小さいの好きなんやな」



「自分で小さいって認めてるやん」



珍しい!って大倉は驚いて覗いてきた。


「認めてへんけど、お前よりは!って話」


「あ~、そうゆうことね」




納得して大倉は宙を仰いだまま考える仕草をする。




「すばるくん、勘違いしてる」


「??」


「俺は別に小さい子が好きなんとちゃうよ?」



そうなんや。
大倉から初めてそう言われてなんか複雑な気分になった。
いや、別に小さいとか認めてるわけじゃないけど。



「じゃあ、大きい方が好きなんや」


「ちゃうやん。どっちとかないねん」


「?」


「俺はすばるくんが好きなだけ」




微笑まれてどう返していいかわからんくなった。


俺、なんや。

って改めて聞くと恥ずかしい。

コイツ何言うてるんやろってびっくりしてしまう。




「だから、すばるくんが大きくても好きやで?」


「いや、うん。そう」



なにその反応!?とか騒いでる大倉から視線を外して照れてしまう。

そんな真っ直ぐ言われても困る。




「そんなん、俺もやし」




下向いたまま聞こえない程度に呟いて、隠れるように蹲る。


そんな俺に大倉は笑ってしまって楽しそう。



そんな日々が俺は堪らなく好きで、そういう空気を作ってくれる大倉のことも………


まあ、そこそこには



愛してると思う。





end

  1. 2016/02/02(火) 22:40:04|
  2. 倉すば
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君に溺れる∞やすば

.





これもいい。
あれもいい。

あ、これとか渋やん好きそう!
でも、こっちもな~



「……………………」


「……章ちゃん?」


「ん~…」


「章ちゃん!」




うわ!
羽織ってたパーカーのフードを優しさの欠片が微塵もないまま引っ張られて、俺は後ろに転びそうになる。

引っ張った犯人錦戸は悪びれた様子もなく、怪訝な顔して俺の手元を見てくる。





「なに?レコード、そんな好きやったっけ?」


「え、まあ、最近好きかな」


「…へえ」



真っ直ぐ見つめられて、別に悪いことしてへんのに目を逸らしてしまう。
宙を泳いだ俺の視線に亮は気づかないふりして質問を続けた。




「すばるくんの影響?」

「お、、ん。まあ…」


何を慌ててるのか。
自分でも不思議なくらい挙動不審で、亮が面白がるのも仕方ない。




「まあ!確かにレコードっていいもんな!俺も貰ったやつ聴いたけど、やっぱすばるくんってすげえなって思った」



「う、うん!ほんまに」



あ。
なんか今ちょっと面白くないって思ってしまった。

亮がほんまにハマってしまったら、俺の今の居場所とられるんちゃうかなって。
ちょっとだけ怖くもなった。




「亮も、結構聴くの?」


少しだけ。
少しだけ早口で尋ねる。




「いや~、すばるくんから貰ったレコードくらいかな?あんまり詳しく分からんし!」



嬉しそうに話してくれる亮に俺も微笑む。
俺も、そんな詳しくは分かってない。
たぶん。
それは自覚してるつもり。



でも、渋やんが勧めてくれるレコードはどれも最高でどんどん好きになってる。

分からんのに、ただハマってる。




「でも、章ちゃん。ほどほどにしときや」



分かってる?
そう言いたそうな顔で亮が笑ってくる。



分かってる。
亮の言いたいことは十分に気づいてる。




「うん。そやな」




そう言って軽く手を振り亮と別れる。


手元のレコード見つめて我に帰ると笑ってしまった。





「俺、何枚買うつもりなんやろ?」




何十枚ものレコードを手に、俺はただひたすら渋やんのこと考えてたんや。


亮に声かけられへんかったら、何百枚になってたんちゃうかな?


そう考えると自分が怖くなる。







…………trrrrr




そんな想いに浸ってる時に、なんていいタイミング。
すばるくんからのメール。




『俺ん家でレコード聴かん?いいの手に入ってん!』



「……………」



断る理由って用意されてるんかな?
やとしたら教えてほしいよ。


そんなもんある訳ないんやから。



『すぐ行く!』



渋やんが俺のこと想ってくれてなくたっていい。

ただ、レコード好きの仲間を増やしたいってだけでもいい。


話し相手が欲しいだけでも。

寂しいからってだけでも。

もう、なんだって理由がなくたっていい。



俺が渋やんと居たいから。



渋やんが少しでも俺を求めてくれるなら、


渋やんのしたいようにしてほしい。






きっと俺は渋やん家に着くなり、満面の笑みの渋やんを見て笑うやろう。

嬉しそうにレコードを持って微笑む渋やんが愛しく思えてくるやろう。



「な?めっちゃええやろ?」

そう言われて、俺はただただ頷くと思う。
テンションの高い渋やん見て、ただただ嬉しくなる。




「うん。渋やんの選ぶレコードがやっぱ一番ええな」




そう言って俺はどんどんレコードにハマってく。


レコードにハマって。



渋やんにハマって。




泥沼から抜け出せなくなる。





たぶん。

きっと。






「なあ。渋やん!これも渋やん好きじゃない?」



「お!いい趣味してるやん、ヤス」





俺はそれらを全て理解した上で


足を突っ込んだんや。






レコードってゆう名の


渋谷すばるの沼に


ハマりたくて





わざと罠に掛かってやった。




渋やんは


それを知ったら嫌になるかな。




それとも、


喜んでくれるかな。









今はただ、深く沈んでいく両足を



幸せだと見つめることしかできなかった。



end









  1. 2016/01/31(日) 00:54:29|
  2. やすば
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Fall together ∞倉すば

.


………はいりにくいな~



病室の前で立ち止まったまま右往左往して早5分。

大倉忠義というネームプレートを何度か確認しては立ち止まってまう。


サラッと入ってしまえば良かったんやけど、中から楽しそうなヤスの声が聞こえる。


たぶん
ヤスがお見舞い来とるんやろう。

えらい盛り上がってて、なんや入りにくいなあって思ったまま時間だけが過ぎていく。



「買ってきてもうたな」



手元にあるスーパーの袋見つめてどうしたもんか悩む。
これだけ部屋の前置いてったらいいかな?
そう考えが一通り巡って辿り着き、そろりと扉の前に置こうとした

そのとき




「あー!大倉さんのお見舞いですか?それでしたら入ってもらっても構いませんよ!!」



と、気を使ってくれたのか大きな声で看護師さんに声をかけられた。


俺は、あ、ああ的ななんとも愛想のよくない返しをしてしまう。
出来ればその大きな声はやめて頂きたい。




ガラガラ




ほら。
案の定、中の人が気づいたみたいで扉が勢いよく開かれた。



「あ、渋やーーん!」

「え!すばるくん!?」




いらっしゃいとでも言うようにヤスが扉を開けてくれる。
俺は部屋の前から一歩だけ足を踏み入れて、ヤスに袋を渡す。



「これ、大したもんやないけど」


大倉の方さえ見んと渡してまう俺はほんま可愛くないし、かなり不貞腐れてる気がする。


でも、なんか、



嫌やったんや。






自分でも何がどうとか分からんのやけど、


大倉とヤスが楽しそうに話してる中に入っていくのは嫌やった。

もやもやした。

腹痛いんちゃうんか!って腹も立った。




「え~渋やんめっちゃいろいろ買ってきてくれてるやん!」

「ほんま?すばるくんありがとう!めっちゃ嬉しいんやけど…」



ヤスが袋を大倉に見せて、覗いた大倉はそのまま俺を見つめて微笑んできた。
すっごい嬉しそうに。
犬みたいな顔で、笑ってくる。




そんな大倉に片手あげて、




「ん、じゃあ、まあ、それだけやし」



って、少し冷たく返す。
そんな俺に大倉は慌てて俺を引き止める。




「待ってよ!もうちょっといてほしい」



ヤスもそんな大倉に笑って、



「渋やんいてあげて!俺もう仕事あるし出なあかんから」




気を、使われたんかな?



「ん、じゃあまたね」


そう考える間もなくヤスは鞄持ってスーッと横を通り過ぎる。
その際に俺の背をトンと押して病室の扉を閉めて出て行った。




病室に入った俺は立ちすくむ。

別に何かしに来た訳でも、言いたいわけでもない。

ただ、差し入れだけ持ってきただけやのに。
なんでこんな嫌な気持ちになるんやろう。





「すばるくん、こっち来て」



「いや」



即答。
大倉のさも当たり前のような顔が嫌や。
俺が行くと思ってんのが嫌や。


嫌やのに



長い腕で引っ張られる。




「力強すぎっ…」


「すばるくんが軽いだけや」



思いっきり引っ張られてベッドにダイブしてしまった。
大倉は嬉しそうに俺で遊んでいる。




「俺がおらんくて寂しかった?」

「別に。みんなおるし」


「じゃあ、なんでそんな顔してるん?」





大倉に言われても、今俺がどんな顔してるかなんて分からへん。

嫌な顔してるんかな。



「俺は、すばるくんに会いたくて仕方なかったよ」


「嘘つき」


「なんでよ!!」


「俺おらんくても楽しそうやったやんか」





ボソッと呟いたのに大倉には聞こえたみたいで満面の笑み。
気持ち悪いほどの笑顔でギュッと抱きしめられる。



「なんなん、すばるくんほんま可愛いんやけど!!」

「…るさい!」


「ちゃうで?ヤスとはすばるくんのこと話してたんやで!」



俺のこと?

なんで、、俺のこととか話すことないやろ。むしろやめてくれよ。




「だってすばるくんのオーラスどんなんやったかな?とかさ。気になるやん」



「ああ、そう」


「めっちゃ可愛かったって聞いたんやけど!!俺の服とか着たんやろー?もーーー、めっちゃ見たい!!」



抱きしめる力を強めて大倉はそのまま想像の俺と戯れられてる。
俺はそんな大倉を引き剥がすことも出来ずにただされるがまま。

そんな大倉の大きい手が俺の身体から離れて視線が重なる。



「でも、やっぱオーラス出たかったなあ」


「………しゃーないやん」


「まあ、自業自得なんやけど。でも、ちょっとでもすばるくんの可愛いとこ他の人に見られたんは嫌や」


「……は?」



何言うてんの、こいつ。
真面目な顔して語ってくる大倉に俺は怪訝な顔をする。



「ヤスもめっちゃ可愛かったって言うてた。すばるくん一生懸命やった、って」

「そりゃあ、まあ」


「そんな姿を俺のおらんとこで晒したんやで?ありえへんわ」

「そんなこと言われても……」



ほんまに嫌やったんやろう。
大倉は俺のこと見て悲しそうな顔をする。





たぶん、


大倉は真面目なやつやから、


オーラスに自分の責任で出れへんかったことも悔やんでる。




ずっと責めてる。




みんなに迷惑かけたって。

ファンのみんなにも悲しい想いさせたって。






「…らしくない。大倉は笑ってな大倉じゃない」


「………?」


「ファンのみんなもそう思ってる。お前の大好きな俺もそう思ってる!」





少しだけ声を張って大倉に伝える。
すると大倉が少し驚いたように俺を見つめ返してきた。




「すばるくんも思ってる?」


「ずっと思ってたよ。大倉の笑い声がないライブは寂しいって。お前の姿探してまう自分が情けないって….」




大倉の腕に抱きしめられたまま呟く自分は、大倉より年上のはずやのにひどく弱く思えた。

泣きそうになって、胸に顔をうずめる。




「ごめんな、すばるくん」


「…………」



「俺、こんな時やのにすっごい嬉しい。めっちゃ不謹慎やけど、すばるくんが必要としてくれたことが嬉しい」




ポンポンと背中を叩いてあやされて、
大倉の温かい体温に安心する。



「でも、もう二度とそんな想いさせへんから」



「……ん」




「すばるくん、俺を信じてほしい」



そう言って笑った大倉の顔が何より優しくて、




「………ん、約束な」





俺は小さく笑みをこぼした。













…………………………

おまけ。





その頃の病室前。


「ヤスが渋やんいるでーって言うてたけど」


「いや、まあ、ほんまにその渋谷さんここにいるみたいやけど」



困った顔の横山と村上が腕を組んだまま立ち尽くす。




「大倉はもうちょっと俺らのことも考えとけよな」

「見舞いくるかもとか思っててほしいわ」


そのまま2人で顔見合わせて苦笑する。




「ヒナどうする?」


「そやなー、メールだけいれとこか?」


「その方がいいかも。今入ったらすばるが怒りそうや」



それだけ静かに話して2人は少しだけ楽しげに踵を返し歩き出す。

その前には明るく手を振って向かってくる丸山と錦戸もいたが、横山と村上が困ったように微笑んで二人を引き止める。



「見舞いはもうちょい後にしよか」


「なんや、まだ寝とるみたいやしな」




それだけを伝えて2人は不思議そうな丸山と錦戸を連れて病院を後にした。





end

大倉くん退院おめでとうございます。


















  1. 2016/01/28(木) 00:05:29|
  2. 倉すば
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